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ボケないスーパーシニアになるための考察
長く連れ添った愛してやまない子もシニアさんになってくると
いろんな機能が少しずつ落ちてきます。
現在では、11歳以上のシニア犬の約30%の子が
犬認知機能障害症候群(CCD)と呼ばれる認知症にかかると言われます。
認知症になると、不安になったり、吠えたり、徘徊したり、お粗相したり
わんこも辛いし、飼い主も辛い。
できればいつまでもボケないシニアさんになって欲しいです。
今回は、可愛いわが子を認知症にしないための予防を栄養素の面から考察します。
幸い、適切な栄養素によって認知症の発生を遅らせたり、
認知機能の低下を遅らせたりできるという研究結果も出ています。
みんないつまでもボケない生き生きスーパーシニアを目指そうね!
全ての愛しい愛しいシニアさんに愛をこめて・・・
原因と症状
わんこの認知症の原因は脳の病理学的な変化や神経伝達物質の減少と言われます。
いわゆる「脳神経の老化による物理的変化」です。
こういった物理的変化の原因になるのは以下のような事柄です。
● ブドウ糖は脳のエネルギー源となりますが、
老化によって血流の低下から充分なエネルギーが脳に運ばれなくなります。
その結果として、脳細胞の萎縮が起こったり、
どの栄養素を脳に運ぶべきか選択する機能の血液脳関門にシステム障害を起こします。
* 最近の研究では慢性的なストレスを受けた場合も
血液脳関門システムに障害が起きると言われています。
● カルシウムとタンパク質(βアミロイド)がニューロンの中で凝縮を起こすようになり、
それが蓄積して脳に症状を引き起こします。
(βアミロイド蓄積はヒトのアルツハイマー病とも関わりがあると言われます)
● シニアさんになると慢性の病気にかかっている子も多く、
様々な因子が絡み合い、細胞が毒素を排除できなくなり、
それがさらに慢性炎症を引き起こすといった負のスパイラルになります。
● 加齢による酸化ストレス(フリーラジカルによる酸化)によって
脳細胞がダメージを受けることも大きな原因です。
症状としては夜間に意味なく吠えて止めても吠え続けたり、徘徊したり、
昼夜逆転の睡眠サイクルとなります。
狭い所に入りたがって自分で後戻りできなくてそこから出られなくなって鳴いたり、
自分を中心にして円を描くように旋回したり、障害物が避けられなくなったり、
音に反応しなくなったり、トイレが決められた場所でできなくなったり、
進行すると自分の名前や飼い主もわからなくなると言われます。
シニアさんになるとお目目が見えずらくなったり、お耳が遠くなる子も多いので
反応が鈍くなったり、興味を示しにくくなったり、睡眠時間が長くなったりと
最初は一般的な「老化の症状」と見分けがつかない場合も多いようです。
シニアさんだから寝てる時間長くなったな・・・と気が付いた時から
できるだけ早くお食事によって、進行阻止に取り組んでゆきましょう。
わんこの認知症のための「抗炎症食」
まずは「脳の炎症を軽減する」ことから始めます。
加工食品を避けできるだけ自然に近い食事を
これはヒトにおいても同じですが、炎症を抑えるためには
新鮮で、できるだけ「加工されていない」自然な食品を食べることがベストです。
乾燥フードや缶フードなど、高温で加熱処理された食品は
終末糖化産物である炎症性グリコトキシン
(AGE=Advanced Glycation Endproducts)を放出します。
炎症性グリコトキシンとは、タンパク質に過剰な糖がこびりついたもので
糖質とタンパク質を同時に加熱することでできる物質で、
様々な病気の原因になると言われるものです。
シニアわんこの場合は脳のニューロンにこの炎症性グリコトキシンが
蓄積することが研究によってわかっています。
また、炎症性グリコトキシンはサイトカインという炎症誘発性遺伝子を活性化させます。
こういった事から「できるだけ高温加熱処理された加工食品を避け、
自然な食べ物をできるだけ自然に近い形であげること」が大切です。
抗炎症効果のある食材を選びましょう
わんこの毎日の食事に「抗炎症性食材」を加えてあげましょう。
例えば緑黄色野菜やベリー類などは手軽に加えてあげやすい食材です。
ヒトの認知症予防で、その効果が証明されている栄養素としては
植物栄養素であるルテイン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチンなどで
卵黄・リンゴ・パパイヤ・マスクメロン・ニンジン・
オレンジ色と黄色のパプリカ・魚類などに含まれています。
お肉に関しては「飽和脂肪の少ないお肉」を選んであげて下さい。
ビーフとポークでは、バラ>ロース>もも>ヒレ肉の順に「飽和脂肪が少ないお肉」となります。
チキンやターキーなどでは、もも肉>胸肉>ささみの順に「飽和脂肪が少ないお肉」となります。
できれば、化学肥料ではなく牧草や有機肥料で育てられたものであればベストです。
お魚をあげる場合は、できるだけ小さな小魚、例えばイワシのような
身体に水銀などの汚染物質を貯め込むまで大きく長く生きることのない
小魚を選ぶようにしてあげて下さい。
チキンを選ぶ場合はオメガ3とオメガ6に気を付けてください。
オメガ6の含有量が高い分、オメガ3脂肪酸を加えてバランスを取って下さい。
我が家では、腎臓病になって卵白食に移行するまでは
丸ごとチキンの生食でしたが、オメガ6が多くなる分、
サーディンを加えたり、クリルオイルを加えて、バランスをとっていました。
脳に栄養を与えて血流を改善する食品
脳を健康に保つために最も必要なことはニューロンが必要なエネルギーを
きちんと確実に摂取できるようにすることです。
しかしながらわんこにはグルコースを多量に与えられないので
この場合はケトン体がその代わりとなります。
脳はブドウ糖が不足すると、その代わりにケトン体をエネルギー源とします。
MCTオイルはケトン体を多く生成するオイルです。
MCTオイルとは、ココナッツやパームに含まれる中鎖脂肪酸油
(Medium Chain Triglycerides=MCT)だけを取り出した食用油のことです。
中鎖脂肪酸は、分子量が長鎖脂肪酸の半分くらいと小さいのため分解がされやすく
消化が速く、グルコースやアミノ酸と同じように門脈を通って直接肝臓に運ばれます。
そして、素早くエネルギー源として使われますので、身体に溜まりにくいオイルでもあり、
最近KETOダイエットで注目を浴びているオイルでもあります。
EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は、炎症を軽減し、
脳内の血流を改善し、ニューロンの細胞膜を強化してくれます。
オメガ3脂肪酸の摂取は、脳だけでなく、慢性の炎症を防ぐ上でも
オメガ3脂肪酸の摂取は、脳だけでなく、慢性の炎症を防ぐ上でも
シニアわんこには特に積極的にあげたい栄養素です。
一昔前にヒトの認知症にイチョウの葉が効くとブームになったことがあります。
今はその頃のブームは去りましたが、
イチョウの葉には脳細胞を損傷から守る抗炎症作用と抗酸化作用があり、
シニアわんこに体重10キロ当たり40mgのイチョウの葉サプリメントを与えた結果
約8週間で問題行動の改善が見られたという研究結果があります。
シニアさんの脳の血液循環改善や神経伝達に有効な栄養素
上記の原因を抑え込む食材を一覧表にしてみました。
脳神経に関わる栄養素なのでてんかん予防の栄養素に共通するものが多くあります。
シニアさんに有効とされる栄養素と食品、ハーブなど |
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DHAとEPA |
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ゼラチン |
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ハーブ類 |
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カテキン |
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ハッピーシニアになるために以前のシニアさん記事も読んでね!
シニアのメインテナンス-1では、免疫系、関節、尿路系の変化について、
2では脳神経・視神経・肝臓の変化について
3で消化機能・食事・ワクチン・元気の底上げについて書いています。
ハッピーシニアへの道ではシニアさんのちょっとした注意点にも触れています。
みんながいくつになっても元気で、はつらつハッピーシニアになりますように・・・
この記事は去年の6月に書き始めた記事で、書き進めないまま時が止まっていました。
その時までまとめていたことに、少し付け加えています。
この記事を書き始めたのもCoっちゃんに気になる変化があったからでした。
今まで何度か書き進めようとしてのですが、
この記事を書いていた時は傍にいたんだと思うと涙が溢れてきて追記できなくて・・・
まだまだ苦しくて突然大泣きしてしまうのですが、
ただ、この記事を書き上げないと先に進めない気がずっとしていました。
Coっちゃんは旅立つ2カ月くらい前から認知症のような症状が出ていました。
心臓の左右の弁がうまく機能しなくなっていたため、全身への血流量の低下で
脳への酸素補給が減っていたのかもしれません。
2023年の夏から右の弁も緩み「いつ何が起こっても不思議ではない」と言われながらも
驚かれるくらい元気で過ごしていたので旅立つ4日前の心臓専門医の受診でも
「脳神経に異常があるかもしれない」と脳神経科の獣医さんを探していたくらいでした。
旅立つ3日前から歩くのがゆっくりになったけどCoっちゃんの歩きたいという意思のままに
片道1時間かけてゆっくりゆっくり、途中何度も寝そうになりながらお散歩したのも
頑張りぬいたCoっちゃんとの大切な大切な思い出です。
心臓病は遺伝的要素が強いと言われます。
Coっちゃんは劣悪のパピーミルから来てその後も5か月末まで光の射さない部屋にいた子だったので、
それなりの覚悟と同時に、丈夫な子に育つようにできうる全てで守ってきました。
「細胞レベルで変えてあげるよ。ママに任せなさい!」っていつも言っていました。
神様から与えられた寿命は変えられませんでしたが、
幸せだったね・・・ずっと毎日、24時間365日、ずっとずっと本当に幸せだったね・・・
今は一緒に過ごした全ての時間に感謝しかありません。
老いは全ての子に、そして私たちにも平等にいつか必ずやってきます。
痴呆症になったり、足腰が弱って介護が必要になる場合もあるかもしれません。
それも「長生きしてくれたからこそ」と思えば、全て幸せなことです。
いつか来る「また会おうね!のさよならの時」に後悔しないように
どんなに大変な時を過ごそうとも一緒に過ごせる時間には限りがあることを心に
「幸せだね。ありがとう」といつもいつも言って抱きしめてあげて下さいね。
全ての愛しい子たちに愛をこめて・・・
Feb.2024
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