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  5. 認知症を予防しよう!
 7月 10, 2023  PawPawClub, PawPawお勉強室  手作り食と食材・栄養のこと  * 食材について・選び方 栄養素のこと  病気のケア  * 病気と家庭でできること

 
 ボケないスーパーシニアになるための考察
 
 
長く連れ添った愛してやまない子もシニアさんになってくると
いろんな機能が少しずつ落ちてきます。
現在では、11歳以上のシニア犬の約30%の子が
犬認知機能障害症候群(CCD)と呼ばれる認知症にかかると言われます。
 
認知症になると、不安になったり、吠えたり、徘徊したり、お粗相したり
わんこも辛いし、飼い主も辛い。
できればいつまでもボケないシニアさんになって欲しいです。
 
今回は、可愛いわが子を認知症にしないための予防を栄養素の面から考察します。
幸い、適切な栄養素によって認知症の発生を遅らせたり、
認知機能の低下を遅らせたりできるという研究結果も出ています。
 
みんないつまでもボケない生き生きスーパーシニアを目指そうね!
全ての愛しい愛しいシニアさんに愛をこめて・・・
 
 
 
 
  原因と症状
 
わんこの認知症の原因は脳の病理学的な変化や神経伝達物質の減少と言われます。
 
いわゆる「脳神経の老化による物理的変化」です。
こういった物理的変化の原因になるのは以下のような事柄です。
 
● ブドウ糖は脳のエネルギー源となりますが、
老化によって血流の低下から充分なエネルギーが脳に運ばれなくなります。
その結果として、脳細胞の萎縮が起こったり、
どの栄養素を脳に運ぶべきか選択する機能の血液脳関門にシステム障害を起こします。
 
* 最近の研究では慢性的なストレスを受けた場合も
 血液脳関門システムに障害が起きると言われています。
 
● カルシウムとタンパク質(βアミロイド)がニューロンの中で凝縮を起こすようになり、
それが蓄積して脳に症状を引き起こします。
(βアミロイド蓄積はヒトのアルツハイマー病とも関わりがあると言われます)
 
● シニアさんになると慢性の病気にかかっている子も多く、
様々な因子が絡み合い、細胞が毒素を排除できなくなり、
それがさらに慢性炎症を引き起こすといった負のスパイラルになります。
 
● 加齢による酸化ストレス(フリーラジカルによる酸化)によって
脳細胞がダメージを受けることも大きな原因です。
 
 
 
 
症状としては夜間に意味なく吠えて止めても吠え続けたり、徘徊したり、
昼夜逆転の睡眠サイクルとなります。
 
狭い所に入りたがって自分で後戻りできなくてそこから出られなくなって鳴いたり、
自分を中心にして円を描くように旋回したり、障害物が避けられなくなったり、
音に反応しなくなったり、トイレが決められた場所でできなくなったり、
進行すると自分の名前や飼い主もわからなくなると言われます。
 
シニアさんになるとお目目が見えずらくなったり、お耳が遠くなる子も多いので
反応が鈍くなったり、興味を示しにくくなったり、睡眠時間が長くなったりと
最初は一般的な「老化の症状」と見分けがつかない場合も多いようです。
 
シニアさんだから寝てる時間長くなったな・・・と気が付いた時から
できるだけ早くお食事によって、進行阻止に取り組んでゆきましょう。
 
 
 
 
  わんこの認知症のための「抗炎症食」
 
まずは「脳の炎症を軽減する」ことから始めます。
 
 
加工食品を避けできるだけ自然に近い食事を
 
これはヒトにおいても同じですが、炎症を抑えるためには
新鮮で、できるだけ「加工されていない」自然な食品を食べることがベストです。
 
乾燥フードや缶フードなど、高温で加熱処理された食品は
終末糖化産物である炎症性グリコトキシン
(AGE=Advanced Glycation Endproducts)を放出します。
 
炎症性グリコトキシンとは、タンパク質に過剰な糖がこびりついたもので
糖質とタンパク質を同時に加熱することでできる物質で、
様々な病気の原因になると言われるものです。
シニアわんこの場合は脳のニューロンにこの炎症性グリコトキシンが
蓄積することが研究によってわかっています。
 
また、炎症性グリコトキシンはサイトカインという炎症誘発性遺伝子を活性化させます。
 
こういった事から「できるだけ高温加熱処理された加工食品を避け、
自然な食べ物をできるだけ自然に近い形であげること」が大切です。
 
 
抗炎症効果のある食材を選びましょう
 
わんこの毎日の食事に「抗炎症性食材」を加えてあげましょう。
例えば緑黄色野菜やベリー類などは手軽に加えてあげやすい食材です。
 
ヒトの認知症予防で、その効果が証明されている栄養素としては
植物栄養素であるルテイン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチンなどで
卵黄・リンゴ・パパイヤ・マスクメロン・ニンジン・
オレンジ色と黄色のパプリカ・魚類などに含まれています。
 
お肉に関しては「飽和脂肪の少ないお肉」選んであげて下さい。
ビーフとポークでは、バラ>ロース>もも>ヒレ肉の順に「飽和脂肪が少ないお肉」となります。
チキンやターキーなどでは、もも肉>胸肉>ささみの順に「飽和脂肪が少ないお肉」となります。
できれば、化学肥料ではなく牧草や有機肥料で育てられたものであればベストです。
 
お魚をあげる場合は、できるだけ小さな小魚、例えばイワシのような
身体に水銀などの汚染物質を貯め込むまで大きく長く生きることのない
小魚を選ぶようにしてあげて下さい。
 
チキンを選ぶ場合はオメガ3とオメガ6に気を付けてください。
オメガ6の含有量が高い分、オメガ3脂肪酸を加えてバランスを取って下さい。
我が家では、腎臓病になって卵白食に移行するまでは
丸ごとチキンの生食でしたが、オメガ6が多くなる分、
サーディンを加えたり、クリルオイルを加えて、バランスをとっていました。
 
 
脳に栄養を与えて血流を改善する食品
 
脳を健康に保つために最も必要なことはニューロンが必要なエネルギーを
きちんと確実に摂取できるようにすることです。
 
しかしながらわんこにはグルコースを多量に与えられないので
この場合はケトン体がその代わりとなります。
 
脳はブドウ糖が不足すると、その代わりにケトン体をエネルギー源とします。
MCTオイルはケトン体を多く生成するオイルです。
 
MCTオイルとは、ココナッツやパームに含まれる中鎖脂肪酸油
(Medium Chain Triglycerides=MCT)だけを取り出した食用油のことです。
 
中鎖脂肪酸は、分子量が長鎖脂肪酸の半分くらいと小さいのため分解がされやすく
消化が速く、グルコースやアミノ酸と同じように門脈を通って直接肝臓に運ばれます。
そして、素早くエネルギー源として使われますので、身体に溜まりにくいオイルでもあり、
最近KETOダイエットで注目を浴びているオイルでもあります。
 
EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は、炎症を軽減し、
脳内の血流を改善し、ニューロンの細胞膜を強化してくれます。
オメガ3脂肪酸の摂取は、脳だけでなく、慢性の炎症を防ぐ上でも
シニアわんこには特に積極的にあげたい栄養素です。
 
一昔前にヒトの認知症にイチョウの葉が効くとブームになったことがあります。
今はその頃のブームは去りましたが、
イチョウの葉には脳細胞を損傷から守る抗炎症作用と抗酸化作用があり、
シニアわんこに体重10キロ当たり40mgのイチョウの葉サプリメントを与えた結果
約8週間で問題行動の改善が見られたという研究結果があります。
 
 
 
 
シニアさんの脳の血液循環改善や神経伝達に有効な栄養素
 
上記の原因を抑え込む食材を一覧表にしてみました。
脳神経に関わる栄養素なのでてんかん予防の栄養素に共通するものが多くあります。
 
 

シニアさんに有効とされる栄養素と食品、ハーブなど

 

 

抗酸化ビタミン
  • ビタミンAは天然の抗酸化物質です。ニンジンやピーマン、カボチャなど色の濃い緑黄色野菜に豊富に含まれます。またレバーにも多く含まれます。サプリとしては小型犬や猫には10000IU、大型犬には30000IUまで使用可。
  • ビタミンCは免疫システムをサポートする天然の抗酸化物質で発作による脳組織のダメージを軽減してくれます。ケール、ピーマン、カリフラワー、ベリー類、ローズヒップに多く含まれます。サプリとしては、小型犬や猫には750mg、大型犬には3000mgまで使用可。
  • ビタミンEはニューロンを酸化ストレスから保護し、脳内のフリーラジカルを吸収する天然の抗酸化物質です。緑葉食野菜や種に多く含まれます。サプリとしては小型犬や猫には800IU、大型犬には2400IUまで使用可。
  • 大雑把に言えばニンジン、サツマイモ、キャベツ、セロリなどのオレンジ色と緑色の野菜が多く含まれる食事イコール脳の抗酸化の目安となります。
 
 
 
 
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セレニウム
  • 抗酸化ミネラルです。ヒトにおいてもわんこにおいても血清セレニウム濃度は加齢に伴って低下すします。セレニウム濃度が必要最低限まで低下または絶対的に不足することは加齢に伴う脳機能の低下に関連する可能性があると言われています。このことはセレニウムによる抗酸化活性が低下するためと考えられていて、アメリカの高齢者対象の研究ではセレニウムを含有する抗酸化サプリメントの摂取が高齢者の認知機能障害リスクを低下させる可能性を述べていますが、セレニウム単体というよりは総合的な抗酸化サプリの効果といった見方のようです。
  • 藻類、魚介類(特にマグロやイワシに多く含まれます)、肉類、卵黄、レバーに豊富に含まれています。セレニウムを多く含む食材は以下をご参考になさって下さいね。
  • サプリメントとしては小型犬や猫には20mcg、大型犬には60mcgまで使用可。抗酸化爆弾のフォーエバーパップにも含まれています。
 
 
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DMG
(リキッドサラダ)
  • 細胞に直接働きかけ、効率的な酸素利用を促し、神経および脳活性機能、免疫反応、心血管と皮膚の健康とグルコース代謝をも支援します。
  • 身体の中で必須アミノ酸の形成に役立ち、ビタミン、ホルモンおよび酵素の合成を支援しながら中枢神経系の重要な抑制する神経伝達物質として役立ち、筋肉組織および中枢神経系の組織の中で使用される高エネルギーのリン酸塩分子を生産するために使用されます。
  • 細胞レベルで酸素利用を改善し刺激することで脳を含む身体全体の低酸素症を予防します。
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タウリン
  • タウリンがアルツハイマー病に効果があるという研究が発表されてから既に10年以上経っていますが、これはアルツハイマー病の原因とされるアミロイドβたんぱく質(↑で述べたβアミロイドのこと)に対してタウリン投与によって著しい低下がみられたこととと大脳皮質の炎症も同時に抑えられたと報告されています。
  • また同じ研究の中で他のアルツハイマー病治療薬が正常なマウスにおいては脳機能に異常をきたすのに対して、タウリン投与においては全く正常で異常をきたすことはなかったとのこと。
  • タウリンの大きな特徴として「脳の血管壁を透過しやすい」ので経口的に摂取しても効果が高いため、疲労回復や抗酸化作用、中枢神経の発達などの効能から様々なサプリに配合されています。
  • タウリンは、脳の電気的活動に関与していると言われるアミノ酸で、お母さんの身体の中でタウリンは赤ちゃんの脳や目など神経の発達に重要な物質です。
  • タウリンは神経の高ぶりを抑える働きを持ち、ストレスや運動時に高まる興奮状態を抑え、脳や脊髄で精神を安定させる抑制性の神経伝達物質であるGABAと同様の働きをします。
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ビタミンB群
  • ビタミンB群が不足すると神経に障害が起こります。
  • 特にビタミンB12は神経を保護する鞘を作る働きもあり、ビタミンB12が不足すると認知症の症状が生じることが以前から知られています。不足すると神経の損傷が起きることがあり、手足のピリピリ感や感覚消失、筋力低下、反射消失、歩行困難、錯乱、認知症が起こります。
  • その他、B1は筋肉系と神経系に欠かせないビタミンですし、B5は神経伝達物質のアセチルコリンの生成に必要です。B6はアミノ酸を処理して、体の正常な働きに必要な5000以上のタンパク質を作り、神経伝達物質の生成に必要です。
  • ビタミンB群の多い食品は、卵、緑黄色野菜、ニュートリショナルイーストなどです。
  • 各ビタミンB群を多く含む食材は以下のお勉強室をご参考になさって下さいね。
 
 

 

 
 
 
マグネシウム
  • 最近の研究から「アルツハイマー型認知症には酸化マグネシウム」と言われているように、酸化マグネシウム使用者では非使用者と比較して、認知症発症のリスクが軽減する可能性があると述べられています。
  • 体内のマグネシウムの29%は筋肉にあり、刺激に対して神経の興奮を抑えて、精神を安定させたり筋肉の収縮をつかさどっています。
  • 筋肉の収縮は細胞にカルシウムが入ることで起こりますが、この筋肉細胞内のカルシウムの働きを調整するのがマグネシウムなんです。カルシウム摂取量に対してマグネシウムが不足すると筋肉の収縮に問題が起こり、ふるえやけいれん、しびれなどが起こるとともに、神経も興奮状態になります。顕著な例は心臓発作などで、これはカルシウムの過剰に対してマグネシウムが不足した状態の時に起こります。
  • ストレスなどはマグネシウムの必要量を増やす要因となりますので、ストレスのない、のどかなわんこ生活を心がけましょう。
 
 

 

 

DHAとEPA

  • DHAとEPAはオメガ3多価不飽和脂肪酸で、抗炎症作用があり、脳の発達に重要な役割を果たします。
  • 特にDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳に多く含まれる脂肪酸で、アミロイドβたんぱく質(↑で述べたβアミロイドのこと)に対して有効に働きます。
  • DHAは卵と特定の藻類に多く含まれます。卵はグルタミン酸が非常に少ない食品です。
  • オメガ3多価不飽和脂肪酸を含む食品は以下をチェックしてくださいね。
 

 

ゼラチン

  • ゼラチンは発作に伴う損傷から脳組織を保護するアミノ酸であるグリシンが豊富に含まれていることで脳を保護する食品とされています。
  • 無香料、無糖のゼラチンをフードに振りかけてあげて下さい。与える量は体重4.5キロの子には小さじ1/4、4.5-9.0キロの子は小さじ1/2、9.0-11.3キロまでの子には小さじ1、22キロまでの子には小さじ3、34キロ以上の子には小さじ6を与えます。

 

 

 

 

MCT
(中鎖脂肪酸)
  • MCTオイルはブドウ糖に替わる脳のエネルギー源として注目されているものです。アルツハイマー型認知症の脳では、「脳のエネルギー源であるブドウ糖」がうまく取り込めず、エネルギー不足になることが報告されています。エネルギー不足の脳は十分に働くことができず、記憶力の低下などが進行してしてしまいます。そのブドウ糖の代替エネルギーとして働くのがケトン体です。MCTオイルを摂取することでケトン体が効率よく作られることで認知症の予防や症状の改善についての可能性が期待されています。
  • わんこの食事に天然のココナツオイルを与えることで良質のMCTを補うことができます。ココナツオイルは、4つのMCTすべてを含む非常に優れた供給源です。良質のMCTを含むココナツオイルを体重4.5キロあたり1日2回小さじ1/4をフードに加えてあげます。
  • MCTオイルをあげる場合は KETO Diet「ケトン食」(高脂質・高タンパクで炭水化物などブドウ糖になるものを避けた食事=糖質制限)も認知症予防に役立ちます。そもそもわんこに炭水化物は必要なしという意見が多い中、普段食が自然にケトン食である子も多いかもですね。

 

 

ハーブ類

  • 上記でも述べましたが、イチョウの葉には脳細胞を損傷から守る抗炎症作用と抗酸化作用があり、シニアわんこに体重10キロ当たり40mgのイチョウの葉サプリメントを与えた結果、約8週間で問題行動の改善が見られたという研究結果があります。
  • ローズマリーにはアミロイドβタンパクが脳内で凝集、繊維化して脳内で炎症を起こすのを防ぐ働きがあるのでお食事に少量加えてあげるのも良いです。ローズマリーは心臓にも良いハーブなのでうちの先住犬のチュ~ちゃんの食事にはよく加えていました。Coっちゃんは微妙なお顔ををしたのであげることはあまりなかったなぁ。
  • 認知症には「香り」も効果があります。ローズマリーの中でもローズマリーカンファという種類が認知症に最も効果が高いと言われています。(ローズマリーの中でもローズマリーカンファはてんかんの子には禁忌)
  • 日中は脳を活性化させる香りを、そして夜はラベンダーの香りがお勧めです。睡眠中にアミロイドβたんぱくは脳から出て肝臓で解毒されるのでシニアさんは特にぐっすり気持ちよく休ませてあげて下さいね。
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カテキン

  • 緑茶に含まれるカテキンは強い抗酸化作用のあるポリフェノールの一種で、細胞の老化を防ぐことで間接的に認知症予防へ繋がります。
  • カテキンに含まれるエピガロカテキンガレートという成分にはアミロイドβたんぱく質の蓄積を抑制する作用があると言われています。
  • あげる場合はわんこにカフェインはNGなのでカフェイン抜きの緑茶を人肌以下に冷ましたものをあげてくださいね。
 
 
 
 
 ハッピーシニアになるために以前のシニアさん記事も読んでね!
 
シニアのメインテナンス-1では、免疫系、関節、尿路系の変化について、
2では脳神経・視神経・肝臓の変化について
3で消化機能・食事・ワクチン・元気の底上げについて書いています。
ハッピーシニアへの道ではシニアさんのちょっとした注意点にも触れています。
 
みんながいくつになっても元気で、はつらつハッピーシニアになりますように・・・
 
 
 
 
 
 
   
 
この記事は去年の6月に書き始めた記事で、書き進めないまま時が止まっていました。
その時までまとめていたことに、少し付け加えています。
 
この記事を書き始めたのもCoっちゃんに気になる変化があったからでした。
今まで何度か書き進めようとしてのですが、
この記事を書いていた時は傍にいたんだと思うと涙が溢れてきて追記できなくて・・・
 
まだまだ苦しくて突然大泣きしてしまうのですが、
ただ、この記事を書き上げないと先に進めない気がずっとしていました。
 
 
Coっちゃんは旅立つ2カ月くらい前から認知症のような症状が出ていました。
心臓の左右の弁がうまく機能しなくなっていたため、全身への血流量の低下で
脳への酸素補給が減っていたのかもしれません。
 
2023年の夏から右の弁も緩み「いつ何が起こっても不思議ではない」と言われながらも
驚かれるくらい元気で過ごしていたので旅立つ4日前の心臓専門医の受診でも
「脳神経に異常があるかもしれない」と脳神経科の獣医さんを探していたくらいでした。
 
旅立つ3日前から歩くのがゆっくりになったけどCoっちゃんの歩きたいという意思のままに
片道1時間かけてゆっくりゆっくり、途中何度も寝そうになりながらお散歩したのも
頑張りぬいたCoっちゃんとの大切な大切な思い出です。
 
心臓病は遺伝的要素が強いと言われます。
Coっちゃんは劣悪のパピーミルから来てその後も5か月末まで光の射さない部屋にいた子だったので、
それなりの覚悟と同時に、丈夫な子に育つようにできうる全てで守ってきました。
「細胞レベルで変えてあげるよ。ママに任せなさい!」っていつも言っていました。
 
神様から与えられた寿命は変えられませんでしたが、
幸せだったね・・・ずっと毎日、24時間365日、ずっとずっと本当に幸せだったね・・・
今は一緒に過ごした全ての時間に感謝しかありません。
 
 
老いは全ての子に、そして私たちにも平等にいつか必ずやってきます。
 
痴呆症になったり、足腰が弱って介護が必要になる場合もあるかもしれません。
それも「長生きしてくれたからこそ」と思えば、全て幸せなことです。
 
いつか来る「また会おうね!のさよならの時」に後悔しないように
どんなに大変な時を過ごそうとも一緒に過ごせる時間には限りがあることを心に
「幸せだね。ありがとう」といつもいつも言って抱きしめてあげて下さいね。
 
全ての愛しい子たちに愛をこめて・・・
 
Feb.2024
 
 
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