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ノミ取り首輪に対する訴訟判決からの考察
これから春に向かってお出かけも楽しくなる季節。
そろそろ虫除け対策も必要な季節に向かいますね。
そんな中、つい先日の02/29/2024に「セレストノミ取り首輪」による
健康被害に対する訴訟が1500万ドルで和解しました。
・・・が、判決後もこのノミ取り首輪は普通に売られていますし
AmazonでもChewyでも普通に売っていますし、日本でもネットで買えます。
こちらのAmazonのレビュー数を見る限りかなりの数の子が使っているのに驚きます。
(セレストカラーは小型犬用から大型犬用まであります)
今回のことは大きな記事にもなっていないので
本当に注意深く見ていないと危険に気が付けない事を感じました。
そもそも「ノミ取り首輪」って一昔前のものというイメージで
今もまだ使っている子っているの?という感じではあるのですが・・・
ただ、これからは山や森にキャンプに出掛ける子も多くなる季節ですし、
8か月も効果が持続し、泳いだりして水に濡れても効果が持続するという点から
自然の中でキャンプして森を走り回ったり小川で泳いだりが好きな子や
大型犬でモフモフでお風呂やブラッシングでもノミやダニが発見しにくい子の中には
使用されている子もいるかも・・・と思い、取り上げることにしました。
訴訟内容と被害報告書
セレストカラーの製造会社であるエランコ・アニマル・ヘルス社に対しする集団訴訟で
(セレストカラー商品名:Seresto エランコ・アニマル・ヘルス社:Elanco)
セレストのノミ・ダニ首輪を使用した後に飼い犬が亡くなったり、
健康上の問題があったとの主張に対し、02/29/2024に1500万ドルで和解がされました。
訴訟の和解とほぼ同じ頃、米国環境保護庁を監視している団体(監察総監部)
(the U.S. Environmental Protection Agency Office of Inspector General)は、
米国環境保護庁 (EPA)が殺虫剤製品の法的要件を遵守していなかったために
ペットを危険にさらしているとの厳しい報告書を発表しました。
・・・その報告書には以下のように記載されています・・・
2012年から2022年までに、米国環境保護庁はノミ取り首輪セレストカラーに関連する
100,000件を超える被害報告を受け取っている。
ノミ取り首輪セレストカラーに関して報告された殺虫剤事故に対して、米国環境保護庁は、
「ペットを含む環境に悪影響を与えることなく使用できるという保証」を提供していない。
ノミ取り首輪セレストカラーに含まれる有効成分フルメトリンとイミダクロプリドは
農薬登録審査の必要条件を満たしていない。
農薬計画局(The Office of Pesticide Programs:OPP)は、上記2種類の農薬に対して
「家畜に対するリスク評価」を実施することを公約していたにもかかわらず
実施も公表もしていない。
1998年のコンパニオンアニマルの安全性に関する不適切な研究(ガイドライン870.7200)を
現在も引き続き使用している。(コンパニオンアニマルとはペットという意味です)
米国環境保護庁の長年の科学者によると、コンパニオンアニマルの安全性研究に関する
1998年のガイドライン870.7200は現在の状況においては全く不十分であり、
ペット製品がペットに不当な悪影響を与える可能性の有無を判断するために必要な
作業手順と方法論が欠如している。
殺虫剤、殺菌剤、殺鼠剤法で義務付けられている標準的な作業手順と、
家畜用殺虫剤製品が環境に与える悪影響を判断するのに役立つ測定可能な基準が欠如している。
さらに、米国環境保護庁の農薬事故報告システムと報告プロセスは、
ペット製品の不当な悪影響を評価するために必要となる適切なデータを収集していなかった。
上記の内容から言えることは・・・
米国環境保護庁(EPA)は、製品を使用したペットを保護しない時代遅れの安全基準に基づいて
このノミ・ダニ製品を承認したようであり、
しかも米国環境保護庁が受け取ったこの首輪に関する事件報告は長年にわたって無視され続け
結果として、ペットを全く保護していなかったという事です。
このことは2021年にも「USA Today」が国環境保護庁の公文書を入手したことで
「ノミ取り首輪セレストカラーに対して発売開始の2012年から2020年6月までに
75000以上の事故報告があり、その中の1698件は死亡事故であった」と明らかにしています。
(事故報告の中の1000件は人体への被害も含まれています)
その後2023年7月までにペットへの危害報告が10万件以上(2,700件以上の死亡を含む)を受けて、
政府当局は製品の承認を5年に制限し、ノミ首輪メーカーのエランコ社に対し、
危害事件のより厳密な報告を義務付けると発表しました。
と、同時に、商品に副作用を警告するラベルを記載する事が義務付けられました。
成分と副作用
開発会社バイエルによると(開発はバイエル、販売会社は日本にも支社を持つエランコ社)
使用されている有効成分フルメトリンとイミダクロプリドは相乗効果があり、
組み合わせる事でノミに対してより毒性が高くなると述べています。
ただ、この相乗効果による毒性の強化はノミやダニに対してのみならず
ヒトを含む全ての動物へも当てはまるという意見もあります。
実際にセルストカラーのデメリット(または副作用)で検索すると
装着部位周囲の発赤または刺激、カラーが触れている部分の脱毛、
カラー装着部分の違和感からの過度なひっかき傷
装着後一時的な食欲減退、嘔吐や下痢などの消化器症状
落ち着きのなさ、興奮など、その他の顕著な行動の変化などが挙げられています。
米国環境保護庁の2023年7月の報告書では
致死的ではない中等度または重度の神経症状などは、
セルストカラーを外すと症状が軽減されるか、再度装着すると症状が再発するか、
あるいはその両方が起こるようだと述べられています。
成分の分析
セルストカラーの有効成分フルメトリンとイミダクロプリドは
どちらも日本でも認可されている殺虫成分です。
● フルメトリン(Flumethrin)とはピレスロイド系外部寄生虫駆除剤で
犬以外にも家畜用寄生虫駆除剤として使用されています。
日本でもオンラインで買えるわんこ用のノミ取り首輪のボルホプラスカラー
(箱の商品名はKiltixと表示で同じバイエル社開発商品)に
プロボクスル(Propoxur・カルバメート系殺虫剤)と一緒に含まれ
ノミ・マダニに対して相乗的な駆除効果を示すと説明されています。
この首輪は日本では注意事項として以下のことが記載されています。
本剤は劇薬であるので、取り扱いには十分注意し、他の医薬品、食品、飼料、
犬具等と区別し、小児の手の届かないところに保管すること。
室内で飼育する犬には使用しないこと。
本剤を装着した犬を長時間抱かないこと。
小児が本剤を装着した犬と接触するのを避けること。
本剤を取り扱った後は、石けんと水で手をよく洗うこと。
・・・って、どう考えても危ないとしか感じませんが、
こちらのKiltix販売サイトでは
小型犬には単体で長さを調節して使うようにと書かれていました。
● イミダクロプリド(Imidacloprid)は、クロロニコチ二ル系殺虫剤で
フィラリアとノミに効くアドボケートや、ノミとマダニに効くフォートレオンの成分です。
(どちらも日本でも販売しているエランコ社のスポットタイプの駆虫薬です)
ノミの神経細胞シナプス後膜のニコチン性アセチルコリンレセプターに作用して、
正常な神経伝達を遮断し、麻痺・弛緩及び活動性低下を起こさせることで駆除します。
これって、どこかで聞き覚えが・・・って思ったら
以下のお勉強室で取り上げたイソキサゾリン系製剤に作用秩序が似てるんですね。
身体の中からノミダニが付きにくい体質に!
駆虫薬を使うリスクと使わないリスクを考えれば、やはり使わないで済めば一番。
そのためにはナチュラルに健康的に防ぐ方法を提案します。
バランスのとれた食事で強い個体に
まずは身体の中から「ノミやダニが付きにくい体質」に!
ノミやダニは弱った個体により付きやすいと言われますので
バランスのとれた食事が一番の予防!
新鮮で、できるだけ「加工されていない」自然な食品を食べることがベストです。
酸性食品で血液をダニやノミが嫌う味に
リンゴ酢、バターミルク、ケフィアなど、酸性食品や生きた乳酸菌を食事に加えることで、
血液の味をダニやノミがつきにくくします。
ガーリックでノミやダニが嫌う匂いに
ガーリックはノミやダニが嫌う匂い(硫黄臭)になります。
ガーリックを犬に与えてはいけないという意見もありますが
健康な犬に対して新鮮なガーリックは良い害虫除けとなり、
アメリカではおやつやサプリにも入っています。
あげる量は体重4.5キロに対して1/4クローブ(子房)以下です。
我が家ではCoっちゃんにもチュ~ちゃんにもごくごく少量(小さじ1/10以下)を
オリーブオイルに混ぜて、食事に混ぜてあげていました。
(ガーリックは猫には毒性となりますのであげられません。
また、ハインツ小体溶結性貧血のある場合には禁忌となります。)
ココナツオイルでよけて撃退
ココナツオイルに含まれる「ラウリン酸」には
ノミを殺す作用と寄せ付けない作用があります。
体重4.5キロあたり小さじ1/2を1日2回食事に加えてあげます。
また、ココナツオイルを手のひらで温めてコートに伸ばしてあげても効果があります。
酵母でノミやダニの嫌う匂いに
アメリカのホリスティックな文献にはほとんど書いてあるとも言える
「ノミ避けにはニュートリション酵母やビール酵母をあげる」
Nutritional Yeast and brewer’s yeast in their food will help to repel fleas
酵母には複数のビタミンBが含まれていますが、
特にビタミンB1はチアミンとしても知られており、
摂取するとノミ、ダニ、蚊、その他の一般的な害虫を撃退するとされています。
ノミなどの昆虫はビタミンB1の匂いを嫌うという意見もありますし、
昆虫が嫌うのは酵母の匂いだという意見もあります。
あげ方は体重3.4㎏ごとに小さじ1/4をご飯に混ぜてあげます。
フラックスシードでノミやダニを寄せ付けない
フラックスシードにはノミを寄せ付けない効果があります。
効果的な忌避剤であり、健康にも良いので、ご飯に混ぜてあげて下さい。
体重4.5㎏ごとに1日小さじ1杯を目安にあげてください。
あげるときは消化に良いようにすりつぶしてあげて下さいね。
お手入れとナチュラル虫よけで守る!
毎日のお手入れやお散歩前のケアで完全防備!
芝生だって公園だって森林だってへっちゃらです!
100%オーガニックな虫よけで健康的に守る
100%オーガニックハーブで安心の虫よけを!
ノミやダニだけでなく蚊やぶよや蜂にも効果のハーブブレンドで
毎日気持ちよく虫よけしてね!
ロン毛で毎日芝生を歩いたりネイチャートレイルを歩いても
一生で一回だけお友達んちのお庭でプレゼントしてもらった以外は
ノミもダニも付かなかったCoっちゃんの愛用品です。
ローズゼラニウムやラベンダー以外にも
3種のシトラス系のエッセンシャルオイルも入っているので
ルームフレグランス?って勘違いされるほど
フローラルの中に爽やかさを感じる清々しい香りです。
Coっちゃん、「いい匂いね~!」って良く匂われてました。
ノミやダニ、蚊のシーズンとか、シーズンごとに濃度を変えて使えます。
普段使いは8倍希釈で、蚊のシーズンは5倍希釈で、キャンプの時は3倍希釈でと
どんな状況でもオールマイティに使えるのが嬉しい!
ハーブパワーのシャンプーで健康な肌とコートを維持
ノミやダニが付きにくい健康なコートと皮膚を保つためには
きちんとしたお手入れが大切。
アレルギーやアトピーの炎症や痒みにも効果ありです。
ラベンダーやローズマリーなどのノミやダニの嫌いなハーブや
抗菌作用や抗炎症効果のあるハーブも含むハーバルバスでのシャンプーはお勧め!
さっぱりしながらしっかり肌とコートを守ってくれます。
毎日のお手入れでリフレッシュ
毎日の汚れにはコートと肌の汚れを保ちながら
健康な肌とコートに導く優しいブラッシングスプレーでリフレッシュ!
アレルギーやアトピーの肌や炎症を優しく癒すハーブたちのブレンドです。
自然な静電気防止効果もありますので汚れを吸着させないので
汚れにくくなってお風呂の間隔がうんと開いちゃうくらい!
含まれるハーブのローズマリーには自然な虫よけ効果もあります。
虫除けのシーズン、以下の記事もあわせて読んでね!
ノミとダニの予防について・ ノミやダニの飲み薬へのFDA警告!
ナチュラルな虫よけとファーストエイド ・ きちんとフィラリア予防
夕暮れ時が少しずつ遅くなるこの季節、マイアミは03/10から夏時間になりました。
暦の上では今年は03/19からが春のスタートです。
春の訪れと一緒にもうすぐCoっちゃんのお誕生日。天使1年生のお誕生日です。
お空に向かって「ありがとう~!!ママはうんと幸せだったよ~!!」って叫びます。
一緒に過ごした14年間は幸せ過ぎて、感謝の気持ちしか湧いてきません。
Thank you Coco for all you've done. I miss you so much!
日本もこれからは少しずつ気温も上がり、春めいてきてお散歩も楽しい季節ですね。
もうすぐ桜の蕾もほころび始め、お散歩道がピンクに染まる季節もすぐそこ!
命の息吹が溢れる明るい季節をみんな元気いっぱいに過ごしましょうね。
Mar.2024
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