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 7月 15, 2002  PawPawClub, PawPawお勉強室  毎日のケア・元気に過ごすヒント,  * 元気に過ごすヒント, その他,  * ノミやダニ・蚊・虫よけ

chuchu-from-kakomie.jpg ナチュラルな虫よけとファーストエイド

 

夏休みにお出かけわんこも多いと思いますのでノミ、ダニ、蚊などの害虫対策と
はしゃぎすぎてケガ!なんて場合に、ちょっと知っておくといいかな?という
ファーストエイドをナチュラルな視点で考えてみました。
「備えあれば患いなし!」です。

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 ナチュラルな虫よけ対策

 

 夏は海へ山へキャンプや旅行に行くわんこも多いですね。

わんこにとっての致命傷ともなるフィラリア予防はしっかり出来ていますか?
夏になるとNYなどの都会では、「この夏はリゾート地やカントリーサイドに行きますか?」と
獣医さんに聞かれます。それによってフィラリアのお薬を飲む期間が決まります。
マイアミでは、1年中暑く蚊も多いのでフィラリアのお薬は1年中飲むんですよ。
まず、第一に「フィラリアのお薬は飲んでいますか?」です。
 
そして次に「虫除け対策」
いろんな薬剤も出回っていますが、PPCでは身体に優しいナチュラルな虫除けを考えます。

 

以下は The Encyclopedia of Natual Pet Care からの抜粋です。

 

ハーブな虫除けのいろいろ

 

1994年植物学者であるO.Tucker は、その著書「The Herb Companion」の中で
蚊、ノミ、ティック、コックローチその他の害虫を撃退する効果のある薬草について
科学的に調査、解明しています。

彼は、アフリカンブラウンイアや鹿のティック(ダニ)や
アメリカの犬ダニに対する科学的テストの結果、
オポパナックスミルラの成分にティックの幼虫を撃退する効果を発見しました。
しかしながらオポパナックスミルラが一般的に入手しにくいという理由から、
同じティック忌避剤特性を持っているハーブ類として、
ローズゼラニウム、ローズマリー、カリフォルニアローレルをあげています。
この記事を読んだニューヨークのハーバリストである Barbara Hall は、
実際に彼女のネコからティックを集めました。
捕まえたティックにミルラの穂を与えてみたところ、ティックはその上で何の変化も見せず。
彼女は次に、ティックをカードの上に置き、ローズマリーオイル、
それからローレルチンキを与えてみました。
しかしながらティックに不快な状況を示す変化は起こらず、その液体の中で泳いでいる状態。
その後、彼女はローズゼラニウムオイルを数滴落としてみたところ
「見て!」思わず叫んでしまうほど
ティックたちは突然そこから逃れようとし始めたのでした。
現在、この彼女の実験によって生まれた「Hall's insect spray」は、10オンスの水に
ローズゼラニウムオイル20滴、シトロネラオイル3滴、
ベイリーフ(ローレル)チンキ少量を溶かしたものとして
定着しました。彼女は、これを彼女自身、身体にも洋服にも、
そして彼女のペットたちにも使っています。
その後、いろいろなブレンドのハーブをベースとした自然な虫除けが研究されました。
その一つにジャングルジュースというものがあります。
これはカンボジアやブラジルのジャングルで使われた事からこう命名されていますが、
このブレンドはクローブ、ペパーミント、レモンのエッセンシャルオイル
植物のワックスで固めたもので、蚊、ティック、ブヨなどの虫から
なんと6時間も守ってくれる優れものです。
The Complete Book of Essential Oils & Aromatherapy の中で
イギリスのアロマセラピストであるValerie Ann Worwood医学博士はナチュラルで
しかも犬の毛のコンディションに有効な以下の虫除け方法を提唱しています。
ワイヤーブラシのブラシ部分を何枚かの布で覆います。
この時、ワイヤーが2.5センチくらい出るくらいを目安にします。
(自分の犬の毛の長さにあわせて調節します)ボールにぬるま湯を入れ、
そこにシダーウッドやパインのエッセンシャルオイルをそれぞれ4滴ほど入れます。
これらの代わりにシトロネラ、ローズゼラニウム、パルマローザ、ティツリー、
クローブ、ユーカリプスなど虫除け効果のあるエッセンシャルブレンドを
好みでブレンドしてもオッケーです。
このエッセンシャルオイル入りのぬるま湯に布をワイヤーに通したブラシを浸してから
ブラッシングすることにより、毛や皮膚に付いたノミやティック、
そしてそれらの卵まで取り去るるとともにコートのコンディションも整えてくれます。
数分ブラッシングするごとにエッセンシャルオイル入りぬるま湯に
ブラシを浸しブラッシングを繰り返します。
Juliette de Bairacli は、ユーカリプスのエッセンシャルオイル
ドッグシャンプーに数滴加えることで
ノミの成虫と卵の駆除に役立つと述べています。
シャンプー後、ノミ取りクシなどですくい取り数分放置した後によくリンスします。
Maggie Tisserand は、その著書の中で「イギリスのある地域では
ノミ退治の最良の方法はラベンダーである」と述べています。
ラベンダーの原液、またはキャリアオイルで倍に薄めたものを少量、ペットの耳、尻尾の下、
胸やお腹に塗ったあとでよくブラッシングします。
彼女はまた人間の虫除けにもラベンダーを勧めています。

 

作ってみる?ハーブなノミ避け首輪ブレンド

 

 ラベンダー

 シトロネラ

 シナモン

 クローブ

 レモン

 レモンバーム

 ベルガモット

 シダーウッド

 サイプレス

 ユーカリプス

 レモングラス

 ローズマリー

 タイム

 パチューリ

 ホワイトチャンパー

 ペニーローヤル

 ローズゼラニウム

 シーダー

フレンチベイジル

 パイン

 キャリアオイル(グレープシードオイルやアーモンドオイルなど)

  • 上記の精油のうち、どれでも3つ以上を同じ割合でブレンドして、同量または同量よりやや少なめのキャリアオイルと混ぜて使います。(例えば1ティスプーンの精油を3種類でしたらキャリアオイルは3ティスプーンまたは3ティスプーン弱です)
  • 布製の首輪をそのブレンドの中に浸した後にペーパータオルでよく拭いて使います。
  • 夏場は2-3日に1度くらい、必要に応じて繰り返します。またブレンドしたオイルを首輪の左右に数滴たらして使ってもオッケーです。
  • 妊娠中のママわんこは、ペニーローヤル、ベイジル、シーダー、フレンチベイジル、シトロネラの使用は避けてくださいね。(一般にベイジルと呼ばれているものがフレンチベイジルです)

 

クラシカルなティック避けスプレーレセピ

 

ローズゼラニウム 20滴

 ローズマリーまたはラベンダーオイル 3滴

 シトロネラオイル 3滴

 クローブオイル 3滴

 ベイラムまたはベイチンキ(アルコールベース) 1ティスプーン

 ブラックウォルナッツチンキ(アルコールベース) 1ティスプーン

  • 上記の精油とチンキ類を全て一緒に混ぜたものに、1カップの水、アロエベラジェルまたはアロエベラジュースを加えて使用します。
  • ローズゼラニウムはティックに、シトロネラは蚊に、そしてブラックウォルナッツ、ローズマリー、ラベンダー、クローブにはノミをはじめとして、オールマイティな虫除け効果があります。
*ハーバリストたちは、各エッセンシャルオイルの効果に対して、その純度や試用期間などに注意して良いエッセンシャルオイルのブレンドを使用する事、また効果によってブレンドを変えて観察することなどを勧めています。ユーカリプスなどは特にその効果が証明されていながらも精油の良し悪しによっては効果を得られないと言われるものもあります。厳選された良質のエッセンシャルオイルで作られたものこそ、最大の効果を発揮します。

 

 
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 ホリスティックなファーストエイド

 

わんこ救急箱は用意していますか?
お手入れ道具と一緒にいつでも使えるように、わんこ救急箱を用意しましょう。

「救急箱」と言ってもなにもフルセットを用意するのではなく、
火傷やブラッシングバーンにはラベンダーオイル、かぶれや虫刺されにはティツリーオイル、
そしてPawの荒れにはバーム類などを
うちではお目めやお耳の洗浄液と一緒にいつでも使える状態にしてあります。

「救急」というよりも「わんこのナチュラルケアセット」といった感じです。

ここでは、ホリスティックな視点からナチュラルヒーリングを目指す
ファーストエイドとして用意しておきたいものをご紹介しますね。

 

 ホリスティックファーストエイド

 

ファーストエイド

使い方

 

ティツリーオイル
  • かぶれやブツブツには原液をそのまま付けますが、わんこファーストエイド用として最も使いやすい15%液を用意しておきましょう。この15%液は、傷、火傷、ブラッシングバーン、ティックやノミに刺されたとき、感染を起こした傷、その他オールマイティに使用できます。
  • ノミや蚊のシーズンには1-1/2カップのシャンプーに1テーブルスプーンのティツリーオイルを混ぜて使うと肌を炎症や感染などから守ります。ティツリーソープとしては、同じ割合をリキッドソープに溶かせば消毒石鹸が出来ます。これはわんことママと兼用できる濃度なんですよ。ただ、シャンプーに加えた場合、目の周りには使用しないで下さい。そしてよく流すことがお約束です。これは肌荒れにも効果の高い使い方です。

 

メディカルハニーフォーミュラ
  • 蜂蜜を使った簡単な、しかもオールマイティに使えるファーストエイドです。これは火傷からかすり傷、切り傷まで幅広く使用できます。
  • まず、フィルターを通し低音殺菌された透明な蜂蜜を選びそれをかろうじて触れる程度に温めて下さい。(生のままの蜂蜜はそのまま使用すると鋭い角を持った結晶を作り、これが傷にかなりしみて痛みを伴います。)暖めた蜂蜜を湿布用の布に塗りそのまま冷まします。これだけでも皮膚を密閉し、酸素への接触を遮断することで傷を保護し、ガーゼ交換などので布に付いたかざぶたをはがす心配もないため、かなり有効な火傷の治療法として評価されています。
  • 更に室温にした蜂蜜1カップに、1テーブルスプーンのティツリーオイル、1ティスプーンのグレープシードエクストラクト、1テーブルスプーンのラベンダーオイルを加えたものは、切り傷や火傷、擦過傷などに対して使用されるメディカルファーストエイドです。
  • ほとんどのわんこは苦い味を嫌いますので、グレープシードエクストラクトの苦味やティツリーオイルに含まれるα-テルピネンの香りが苦手です。このことは舐めて取ってしまう事を防ぎますので一石二鳥です。蜂蜜ディップにティツリーオイル、グレープシードエクストラクト、ラベンダーオイルを加えることにより感染を防ぎ、新しい細胞の再生を促し傷の回復を早めます。上記の量はあくまで推奨ですので傷の種類によって若干の量を変えてもかまいません。このブレンドは作り置き可能で、且つ全ての皮膚感染症状に効果があります。食べる蜂蜜と間違えないように、必ず「火傷や傷用、薬用蜂蜜・外用」とラベルを貼ってくださいね。

 

ラベンダーオイル
  • メディカル使用としてその安全性からわんこに最も推奨されるオイルです。原液でも、キャリアオイルで2倍に割っても効果があります。
  • 火傷や傷の痛みを抑えてくれ、腫れや赤み、水ぶくれ、瘢痕防止、感染予防に有効です。

 

アロエ
  • 生のアロエを折ったもの、ジェルになったもの、両方ともわんこの傷、火傷、ホットスポット、虫刺され、消化不良、寄生虫などに幅広くに使用できます。
  • ただ、生のアロエを折った内部の皮は強い緩下剤の成分を含んでいますので、内皮までよく取って流水で洗ってから使用してくださいね。

 

Ipecac(吐根剤)シロップ
  • Ipecacとは南アメリカで1600年に発見された吐根剤で、現在は広くヨーロッパなどでも使用されていて、こちらでは薬局で簡単に入手できるものです。万が一の誤飲用に日本では赤ちゃん用の吐根剤を獣医さんの指示に従って用意されておくと良いでしょう。

 

過酸化水素水
  • 家庭用の消毒液・過酸化水素水もわんこに使用できます。一般にはこちらでは3%のものが薬局で売られています。傷などの消毒とともに出血を止める働きもありますが、わんこに使用した場合はコートの脱色を起こすこともあります。

 

薬用炭(Activated Charcoal)
  • 炭(薬用炭)は毒素を吸収する働きがあり、こちらではカプセル、パウダー、錠剤などで売られています。
  • 身体の中を浄化する働きから一部のクッキーにも使用されているんですよ。こちらでは毒物を食べた時などの緊急時用(獣医さんに行くまでの応急処置用)としてパウダーを用意しておく事を推奨されています。

 

ホメオパシックレメディ
  • 現在では多くのホメオパシックレメディが病気の子や怪我をした子用に販売されています。その子に合ったものを見極めてくださいね。

 

ドライハーブ
  • 空き缶などにコンフリーやエチネシアなどのドライハーブを用意しておきます。コンフリーに含まれるアラントインは細胞の再生を促し傷を早く治すので、傷や火傷に対して煮出した葉をシップとしてよく使用されるんですよ。これはわんこだけでなく、ネコや小鳥などにも使われます。お鼻などのやわらかくて濡れていてセンシティブな部分の傷にはティツリーオイルを1日に2回塗布しますが、それでも改善が見られない場合はコンフリーの軟膏を塗布します。エチネシアは煮出してティーにし、湿布に使う事により傷の改善を促します。
  • その他のドライハーブも緊急用としては、いろいろな用途があります。例えば乾燥させたカイエンペッパーやヤローは止血剤の効果があります。またブラックベリーのパウダーは下痢の改善などを促します。スリップリーエルムバークパウダーは腸の炎症を抑え、下痢を改善する役目があり、常備する価値のあるハーブです。

 

チンキ類
  • アルニカのチンキは打撲傷や脊髄部分や筋肉の痛みを緩和します。
  • ヤローのチンキやパウダーはカイエンペッパーと同様、止血剤の役目を果たします。
  • バレリアンのチンキはストレスを感じているわんこをリラックスさせてくれる効果があります。
  • カレンヂュラのチンキは原液を火傷に、また水で薄めたものを耳の洗浄や傷の洗浄に使用します。
  • エチネシアのチンキは感染予防効果があるとともに蛇などにかまれた場合にも非常に効果があります。
  • プロポリスチンキは自然の抗生物質とも呼ばれ、内服による感染予防効果とともに外用としては虫刺されやカイセン、ダニ、白癬菌類をはじめさまざまな傷や感染に効果が認められています。
  • 現在さまざまなハーブチンキがホリスティック獣医学で使用されていますが、これらは消毒の意味でアルコールベースとなっており、そのアルコールにはウォッカ、ラム、ブランディなどの使用も推奨されているんですよ。

 

虫除け
  • ハーブな虫除けとしては上記に記載したものなど参考に自然なものを常備されるといいですね。

 

クレイ
  • クレイとは直訳では粘土のことで、ここではパック剤としてとらえています。コンフリーやウィートグラス、プランテインなどのパック剤は骨折の際の緊急手当てとして骨折部を覆うようにラップし、その上を包帯固定します。

 

 

その他、わんこ救急箱備品など

 

 ガーゼ包帯

 コットン

 テープ

 綿棒

 毛抜き

 ハサミ

 タオル

 保温用毛布

 体温計

 塩、食塩水

 アイウォッシュ

 シミ取り・臭い消し

 精製水

 プラスチックボトル

 石鹸

 副木

 単行本・雑誌

     

 

 体温計はプラスチックで先が柔らかく曲がる赤ちゃん用のデジタルのものをうちでは使用しています。

 

  • ここで「何故?」と思うのは、まず「塩・食塩水」ですね。これは緊急時に「とにかく傷を洗うとき」に使用します。濃度の目安は私たちの涙のしょっぱさです。
  • プラスチックボトルは緊急時に氷と水を入れればアイスパック、お湯を入れてタオルで巻けばホットパックの代用になるために用意しておきます。
  • また骨折などの場合は小さなわんこの場合はアイスクリームの棒、大きなわんこの場合は小さな板などを、その子の腕や足の骨を固定できる大きさのものを副木用に用意します。それをあてがい包帯で固定して、その周りを単行本や雑誌を丸めたもので覆って固定します。

 

 

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 いろいろとあげてみましたが、「備えあれば憂いなし」
救急箱は、使わないけれど万が一のための「お守り」みたいなものと思ってくださいね。
 
ではでは、みなさん楽しい夏休みを~~!!

  

Jul.2002

 

 

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