

6月も半ば、日本はそろそろ全国的に梅雨入りの季節ですね。
マイアミももうすっかり雨季に入り、蒸し暑い季節になりました。
今回はこれからの蒸し暑い季節に向かって
食欲を落とさない工夫や、胃腸を休める方法、
身体を冷やすたんぱく質と温めるたんぱく質の違いなど
食の観点からこれからの暑い季節を元気に過ごす方法を考察します。


暑い季節は私たちもわんこたちも食欲が落ちがちですね。
夏はどうしても野原を思い切り駆け回ったり、どこまでお散歩できるといった
活発に動く代わりに、クーラーの効いたお部屋でお昼寝の時間の方が長くなりがち。
食欲が落ちるのは代謝や消費カロリーが減るのも一つの理由です。
そういった意味から、活動的に動ける季節よりもご飯の量を
少しだけ減らしてあげる方法はお勧めです。
また、日中の温度がかなり上がると予想される日は
朝ごはんをいつもよりも少なくするか、半日絶食にしてみます。
気温がやや下がる夕方には身体も楽になり消化機能も高まるので
普段の量をしっかり食べることで、栄養素がしっかり身に付きます。
成犬の場合、1日絶食をたまに入れることは胃腸を休める最善の方法です。
1日絶食でもお水はたっぷりあげて下さい。
シニアさんは半日絶食でも様子を見ながら。無理はしないでね。
成長期のパピーにはお腹を壊したなどの特別な理由がない限り
(脱水などを起こしやすいので)絶食は推奨されません。


漢方では食材を身体を温まる食材・体を冷やす食材といった
身体へのエネルギー効果でも分類します。
鶏肉・ターキー・ラム肉・鹿肉・マス・サーモンは
「身体を温めるたんぱく質」です。
ショウガ・シナモン・バジル・ローズマリー・サツマイモも
「身体を温める食材」です。
逆に熱を取ったり「身体を冷やすたんぱく質」としては
ビーフ・豚ロース肉・タラやヒラメなど白身魚全般・
ウサギ肉・ダックながあります。
葉物野菜全般とベリー類、夏野菜であるスイカやキュウリも
身体の熱を取ってくれて体液のバランスを保つ食材たちです。
夕方になっても気温が下がらない暑い日のお散歩で
身体の熱がなかなか抜けない時は熱を取る食材を、
逆にクーラーでちょっと冷えすぎちゃったときは
(一時的に)身体を温める食材を選んであげてみてくださいね。
蒸し暑い季節の食材は「薬膳の視点」でも取り上げています。
(食材などは以下の記事の方が多く取り上げています)
今回の記事とセットでご参考になさってくださいね。


身体に過度なカロリーは体温を上昇させ、暑い季節には負担になりますので
食事の脂肪分は冬の約半分程度が望ましいと言われます。
豚肉は気・血・津液を補い、ビタミンB群を豊富に含みますので
暑い季節の疲労回復に良い食材ですが、選ぶ場合は肩肉やバラ肉は避けて
ロースを選び、脂身は与えないなど、暑い季節は余分な脂肪を避けましょう。
ビーフを選ぶときも夏場は脂身の多い部分ではなく赤身を選んであげてください。
オメガ3脂肪酸をサーモンオイルなどであげている場合は
暑い季節にはフラックスシードオイルやチアシードオイルの方が
より消化に負担がかからず、お勧めです。


わんこたちは動いているときにお水をより多く飲む子が多いです。
夏のお散歩では特に、お水がいつでも飲めるようにしてあげて下さい。
お部屋のお水の入れ物は暑くなる場所ではなく涼しい場所に置いてね。
プラスチックの容器は熱で化学物質が溶け出しやすいので
陶器(鉛を含まないもの)またはステンレスがお勧めです。
お出かけ用にと、割れないプラスチックの容器を常に車に積んでいる方も
きっといらっしゃると思います。(私も大昔はそうしてました)
が!夏の駐車している車内の温度は駐車時間にもよりますが
45℃から80℃(ダッシュボード辺り)まで上がります。
そんな車内にプラスチックの容器など置いていたら
当然、プラスチックに含まれるBPAは簡単に溶け出します。
これはペットボトルのお水を車内に放置しても同じことが起こります。
ちょっとしたことではありますが、とても危険なことです。
身体にどんな影響が出るの?は、以下のお勉強室でも取り上げていますので
ご参考になさってください。
現在はお勉強室で取り上げた頃よりはBPAフリーの商品は増えましたが
ペットボトルもプラスチック容器も表示を確認するに越したことはありません。


暑い季節に食欲がちょっと落ち込んでも健康な子であれば
体重の増減は5%以下の場合がほとんどです。
それ以上の体重の減少がある場合は獣医さんにかかってください。
特に成長期のパピーが2回以上食事を食べない場合は
脱水や電解質バランスの崩れなどの危険性があるので
栄養のあるスープなどをあげて、それでも拒否する場合は受診してください。
成犬の場合でも3回以上のお食事を拒否する場合は受診をお勧めします。
その場合、以下の状態の有無に注意してください。
目に見えて活気がない、吐く、下痢、安静時に息切れをしている
脱水を示す症状(唾液が粘りっこい、目が陥没気味、口が乾燥しているなど)の有無
転倒、足に力が入らないなど。
これらの症状がある場合は、すぐに受診してください。
膵炎や心臓病、代謝に問題のある子の場合は
カロリー制限や脂肪の制限をする前に獣医さんに相談してください。
夏は心臓と小腸に特にエネルギーが集まる季節です。
心臓病のある子、腸に問題を抱える子には、特に注意して
少しでも変化がに気づいたらすぐに受診するようにしてください。
夏の間に心臓や小腸の問題を放置すると、季節の変わり目には胃や脾臓に
そして秋には、秋にエネルギーが集まる肺や大腸に影響が出ると言われます。
特にシニアさんたちや持病のある子たちは、小さな変化も見逃さないように
注意してあげてくださいね。
季節ごとのエネルギーの推移による関係性については以下のお勉強室の
「5エレメント(五行相生節)」の表で簡単に述べています。


過去の記事でもお食事以外にもこれから来る蒸し暑い季節を
元気に乗り切るヒントを書かせて頂いています。
併せてご参考になさってくださいね。


最近、暑い夏の持続期間が長くなっているように感じます。
私たち人間でもバテそうな猛暑・・・
「わんこたちはヒトよりも熱中症にかかりやすい」ということを
覚えておいてください。
お散歩は必ず「アスファルトが冷えてからの時間がお約束」
肉球が火傷するだけなく、アスファルトにこもった熱が危険レベルという理由からです。
夏の日中のアスファルトの温度は60℃近くに上がる場合もあり
熱を蓄えやすいので温度がなかなか下がりにくいという性質を持ちます。
「大丈夫かな?」と思ったら必ず手でアスファルトを触れてみてくださいね。
あと、夏の時期にサマーカットにする子も多いと思いますが
地肌がピンクの子は皮膚がとてもデリケートなので
コートはある程度の長さを残して、紫外線が直接肌に当たらないように。
シングルコートの子は紫外線の影響を受けやすいので特に注意してね。

マイアミは今、真っ赤なポインシーナのお花が満開で
蒸し暑い夏の訪れとともに雨季に入ったことを知らせます。
この時期はお花で真っ赤に染まったお散歩道を
Coっちゃんと一緒に歩いた幸せな思い出が溢れます。


雨季のマイアミは雨が降らないと息苦しくなるほどの蒸し暑さ!
それでも今年は6月に入ったとたんに雨が多く
雨で洗われた緑が美しく、朝夕には小鳥たちが囀り、
Coっちゃんのお散歩道は今も穏やかな空気に満ちています。


ほんの数日前、早朝にクックーホウクックーホウって鳴き声・・・
そっとブラインドを開けたらバルコニーの手すりにシラコバトが留まって
しばらく可愛い鳴き声を楽しませてくれました。
6月に入ってからCoっちゃんの命日に向かって心が波打つ日々の中
もしかしたら「ママ、大丈夫だよ」って言いに来てくれたのかな・・・
日本もマイアミも蒸し暑い季節はまだ始まったばかり。
今から体調をしっかり整えて、みんな元気で長い夏を乗り切ろうね!
今日もみんなが元気でハッピーでありますように・・・
Jun.2025

© Paw Paw Club Inc. All rights reserved.