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  5. パパッとわかる脂肪酸
 2月 15, 2015  PawPawClub, PawPawお勉強室  手作り食と食材・栄養のこと,  * 栄養素のこと

 
  スマホでは横にして見て頂くと読みやすいです 
 

chuchu-from-kakomie.jpgオイルの分類・どんなものがあるの?

 

今月のお勉強室のテーマは「パパッとわかる脂肪酸」です。
手作り食でいったいどんなオイルを加えてあげればいいのかな?
みなさん1度は悩まれたことのある問題ではないでしょうか?

生食の考え方では、基本、わんこのエネルギー源は動物性脂肪なのですが、
現在は、「あれもいいよ!これもいいよ!」の情報がいっぱい溢れている分、
混乱しちゃうことも多いですよね。

なので、パッと見てわかると取り入れる時に楽チンかな~?と思いましたので
みんなが使われているオイルなども一覧表にしてわかりやすくしてみました。
パパッと見て活用していただけたら嬉しいです。

まずは食事で摂るオイル類を「脂肪酸」という分け方で見てみましょう。
脂肪酸とは、脂質が分解された結果、生じるもので、
オイルを使用する際に「どんな脂肪酸を含んだ脂質なのか?」が大切です。
 
以下は脂肪酸の分類です。

 

 脂肪酸の種類と性質

不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸

 魚・植物の脂肪

 主に動物性脂肪

 常温では固まらず液体

 常温で固まる

 犬と猫に必要な必須脂肪酸

 体内で合成できる

 体内で合成できる

 多価不飽和脂肪酸

 単価不飽和脂肪酸

 

 オメガ3系脂肪酸

 オメガ6系脂肪酸

 オメガ9系脂肪酸

 

 αリノレン酸

 リノール酸・アラキドン酸

 オレイン酸

 

体内でαリノレン酸(ALA)→EPA→DHAに変化
 
* 犬は体内で上記のように分解できる酵素を充分に持っていないという見解もあります。

肝臓でリノール酸(LA)→γリノレン酸(GLA)→アラキドン酸(AA)に変化
 
* 猫の場合はγリノレン酸をアラキドン酸に変化させる酵素を持たないので食事にアラキドン酸を加える必要がありますが、犬の場合はその必要はありません。
   
青み魚(フィッシュオイル)
クリルオイル
フラックスシード
(亜麻仁油)
シソ油
ヘンプシードオイル
チアシードオイル
ボリジオイル
緑黄色野菜
豆類
コーン油
ごま油
サフラワーオイル
月見草オイル
グレープシードオイル
パンプキンシードオイル
鶏肉・豚肉・卵
(動物性でもリノール酸を含む
魚・鶏肉・卵にはアラキドン酸が多い)
オリーブオイル
キャノーラオイル
バター
牛脂
ラード
(長鎖脂肪酸)
 
ココナツオイル
(中鎖脂肪酸)
 
  • 免疫機能を高める
  • 血液サラサラ効果
  • 炎症を抑える
  • 中性脂肪を下げる
  • ガンの成長を抑制する
 
  • 悪玉コレステロールを下げる
  • 皮膚とコートの健康に必須
 
  • 悪玉コレステロールを下げる
 
 
  • αリノレン酸の形だと犬にとって不活性なオメガ3脂肪酸
 
  • 免疫機能を弱める
  • 炎症を促進する
  • 発がん性を高める
 
 
  • 悪玉コレステロールを高める
  • 発がん性を高める

 酸化しやすい

 酸化しやすい

 酸化しにくい

 酸化しにくい

 

 

 簡単な分類表

 

 

 省略形

 犬に必須

 猫に必須

 含まれる食品

 働き

 オメガ3必須脂肪酸

ガン・心疾患・炎症性疾患・眼の発達

 

αリノレン酸

 

ALA

 

 

フラックスシード
パンプキンシード
大豆
 

エイコサペンタエン酸

 

EPA
    海の魚(フィッシュオイル)・クエルオイル
アトピー・関節炎・自己免疫疾患・レチノイド治療・脂漏症・高コレステロール血症

 ドコサヘキサエン酸

 DHA

    海の魚(フィッシュオイル)・クエルオイル
アトピー・レチノイド治療

 オメガ6必須脂肪酸

 

 リノール酸

 LA

 ○

 ○

サンフラワーオイル
サフラワーオイル
大豆
コーンオイル
月見草オイル
肝臓肌・コートの痛み・脂漏性皮膚炎

 アラキドン酸

 AA

 

 ○

 
なし(炎症を悪化させます)
γリノレン酸

GLA

   
月見草オイル
ボレジオイル
ブラックカラントシードオイル
アトピー・自己免疫疾患・脂漏症

 ジホモγリノレン酸

 DGLA

       

  

 

 必須脂肪酸って何?

 

体内で合成できないために
食事で必ず摂取しなくてはいけない脂肪酸を
「必須脂肪酸」と呼びます。

 

 

 わんこに必要な必須脂肪酸の比率は?

  

犬と猫にとって必要とされるのは多価不飽和脂肪酸の
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸ですが、
市販のドッグフードを食べている場合は
オメガ6脂肪酸が過剰になる傾向が高いと言われます。
それを証明するのが、以下のAAFCOの栄養基準表です。
 
AAFCOの基準では
(Linoleic +Arachidonic):(alphaLinolenic
+Eicosapentaenoic +Docosahexaenoic)
acid Ratio = 3:1 と出ています。
オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸 = 3:1
 
これはあくまで「ドライフードにおける栄養基準」であり、
これはつまり、加工されたドッグフードの場合、
オメガ6脂肪酸を多く含んでいるという事実がここにあります。
 
生食の文献などでは、その割合はヒトにおける割合と同様
オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸 = 4:1という意見もあります。

リサーチすると本当に多くの意見がある中、一般的には
オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸 = 5:1から10:1と意見が多いようです。
 
この幅は「疾患によってはより多くのオメガ3脂肪酸を必要とする」
・・・ということのようです。
 
うちのCoCoっちの場合は生食で、
脂質はチキンの脂質とサーディンの脂質から摂取しています。
チキンの脂質はオメガ6脂肪酸の割合が多いので、
バランスを取るためにオメガ3脂肪酸として
EPAの豊富なサーディンを加えています。
(サーディンなどの青み魚を加えていない生食の場合は
フィッシュオイルが勧められます。)
 

 

 必須脂肪酸が不足している兆候
  
  • コートが脱毛し、薄くなる
  • 皮膚が乾燥し、フケが出る
  • コートが脂ぎった感じになる
  • 皮膚に湿疹が出来やすくなる
  • 傷の治りが遅くなる
  • 外耳炎など、真菌症にかかりやすくなる
  • 体重が減ってくる
  • 痒みや湿疹などアレルギー症状が出やすくなる
  • ホルモンバランスが崩れる
   

  

 オメガ6脂肪酸は必須!でも過剰摂取はとっても危険!

 

上の表でも簡単に触れていますが、
オメガ6脂肪酸には炎症を促進させたり、
ガンの成長を促進させると言われています。
 
じゃあどうして「必須」なの?の理由は
オメガ6脂肪酸には皮膚を健康に保ち、
コートをツヤツヤに保つ働きがあるからです。
オメガ6脂肪酸が不足すると、
皮膚はカサカサになり、コートは艶を失い、
脱毛をしやすくなります。
 
また、自然な(過剰ではない)炎症反応は
抗原抗体反応に必要なものです。

 

 

 オメガ3脂肪酸!シニア組さんは特に必須!

 

上の表でも簡単に触れていますが、
オメガ3脂肪酸には血液をサラサラにしてくれる働きがあります。
これはつまり、血流をスムーズにすることで循環が良くなり、
心臓や腎臓への血流がスムーズに行われるということ。
カーディオヘルス、キドニーブースターに
EPAやDHAが含まれるのもこうした理由があるんです。
 
また、DHAは脳細胞の脂質の約10%を占める物質で、
神経伝達をつかざどる細胞突起のニューロンの先端部にあって
情報処理の役目を任されているシナプスに直接入り込む性質があります。
このことから脳の発達維持に効果があり、
記憶力の工場や脳の老化防止作用が報告されています。
(アルツハイマー型痴呆症の人の脳には
DHAが正常の人の半分しかないというデータさえあります)
こうしたことから「ボケないシニア」には必須な脂肪酸とも言えます。
 
DHAは眼の網膜にも多く含まれる物質です。
DHAを補給することは網膜を活性化させて眼の機能を高めます。

  

  

 アレルギーの子にもオメガ3脂肪酸!

 

DHAにはアレルギーの原因と言われる体内血小板化因子の
過剰生産を抑える働きもあります。

  

 

 だからビーフは赤身をあげてます!

 

うちのCoCoっちの生食、
脂質の摂取は動物性はチキンファットとサーディン、
植物性脂肪はココナツオイルとチアシード(時々)です。
牛脂はあげません。

ビーフをあげるときは必ず「赤身」
その理由は飽和脂肪酸は常温で固まるから。
もちろん体温の方が高いのでしっかり固まりはしませんが
血液をドロリとさせてしまう脂だからです。

 

 

 わんこごはん手作り食のママさんたちが使ってるいろんなオイル、その特徴と注意点

 

免疫力を高める・身体のコンディションを整える・
抗酸化力が非常に強い・加熱に適している・代謝に良い・・・など
「必須脂肪酸でなくても有益なオイル」という部分で
使われているオイルも取り上げています。

 

 オイルの種類

 効用と注意点

 

フィッシュオイル

 

 

(オメガ3脂肪酸)
 
  • DHA、EPA、オメガ3脂肪酸の宝庫です。
  • フィッシュオイルは健康な免疫システムをサポートし、炎症を軽減し、皮膚やコート、認知機能にも役立つ必須脂肪酸であるEPAやDHAを多く含みますし、心臓病にも効果があることが実証されています。
  • フィッシュオイルは、アメリカ獣医学のタフツ大学の研究によると心臓病に苦しむわんこの心臓筋肉に働き、その働きを助けることが報告されています。 タフツ大学の研究ではフィッシュオイルを与えた心臓病のわんこは与えなかったわんこよりも寿命が伸びたと報告されています。
  • 悪液質と呼ばれる状態や心筋の虚弱などに対し、免疫の機能に直接働きかけ、機能を正常に戻します。
  • フィッシュオイルにはEPA(エンコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれていて、これらは血圧を下げ、心臓や腎臓への負担を軽減します。

 注意点・ポイント

 
  • たぶん多くの方が「え?!注意が必要なの?!」って思われると思います。・・・というのもフィッシュオイルの効能は今まで多く取り上げられてきましたし、昔からサプリメントとして人気がありましたし、今も推奨する獣医さんが多いのも事実です。このお勉強室を書いたときは「あげてはいけないシーフード」に分類していたのですが、未だ推奨する獣医さんも多いことと、心臓専門医もフィッシュオイルを推奨しているので「注意が必要」の分類に訂正しました。
  • フィッシュオイルは非常に有効なオイルにも関わらず「非常に酸化しやすく、酸化によるダメージが大きいオイル」であることが問題となります。オメガ3脂肪粒子が空気にさらされると、MDA(マロンジアルデヒド)のような小さな化合物に分解され、フリーラジカルと呼ばれる酸素含有分子が生成されます。MDAおよびフリーラジカルの両方は、タンパク質、DNAおよび他の細胞構造を損傷します。これは酸化的ストレスと呼ばれ、体内の炎症を引き起こし、遺伝子突然変異や癌などの慢性的な健康上の問題を引き起こす可能性があると同時に老化を促進させます。
  • フィッシュオイルは大きな魚から採ったものなので、ヒ素、水銀、カドミウム、鉛などの重金属も含まれているため、神経系に損傷を与えたり、特定の癌や肝臓や腎臓の損傷を引き起こす可能性があります。PCBやダイオキシンのような他の汚染物質も発見されていますので、神経系や免疫系の問題、内分泌や繁殖障害、皮膚の問題、さらにはいくつかの種類の癌を含む一連の障害を引き起こす可能性があります。これはフィッシュオイルでもサーモンオイルでも同じです。養殖のGMOの大型の魚から採取したものだと更に状況は深刻です。
  • それでも獣医さんの勧めなどで購入される場合はできる限り酸化しにくいカプセルになっているものか(カプセルに香料のついているものもあるので注意)、蓋がきっちり閉まるダークなガラス瓶に入っているもの(こちらも飲みやすくするために香料付きのものがあるので注意)を選び冷蔵保存してできるだけ早く使い切ってください。
  • サプリメントで摂る場合は血液をサラサラにする効果がありますので、ワーファリンやヘパリンなど血液凝固阻止剤とは併用してはいけません。
  • うちではフィッシュオイルは使っていませんが、代わりにサーディンの水煮(塩分なし)で摂取していますが、とにかく「臭い」です。CoCoっちご飯もこの水煮サーディンを入れているのでとにかく臭い。それが最大の難点ですが、有効性の為にひたすら我慢です。もちろん食後はお口周りを拭くのがお約束です。
  • フィッシュオイルはオメガ3脂肪酸。オメガ3脂肪酸だけをあげるのには理由があります。牛肉、豚肉、鶏肉など、わんこの主食となるタンパク源に含まれる脂肪分はオメガ6脂肪酸ですので、オメガ6脂肪酸過剰にならないようにオメガ3脂肪酸でバランスを取るという意味で、我が家ではオメガ3脂肪酸のみを足してあげています。

 

フラックスシードオイル
(亜麻仁油)

 

 

(オメガ3脂肪酸60%・オメガ6脂肪酸20%)
 
  • オメガ3脂肪酸:フラックスシードにはアルファリノレリックアシッドが多量に含まれてて、その一つがオメガ3脂肪酸で、これは脳、心臓、肝臓と免疫、代謝機能を健康に保つ上で非常に重要なもので、これがないと細胞が正しく機能しなくなり動物たちは生き延びられないっていうくらい大事なものなんです。
  • オメガ3の宝庫フラックスシードはいろいろな病気の予防になるけどシニアやアダルトの子は代謝できない子もいるらしい。代謝できない子には代わりにクリルオイルがお勧めです。
  • 必須脂肪酸は空気に触れたり、光にあたったり加熱されたりすることでトランスファットに変化しやすいのです。変化した物はフリーラジカルを産生したりして有害なのでできるだけ酸化を防ぐために食べる食前にかけます。

 注意点・ポイント

 
  • よく「代謝できない」といういう意見を耳にするので、調べてみました。フラックスシードオイルやヘンプシードオイルはオメガ3脂肪酸がALA(αリノレン酸)の形で含まれます。αリノレン酸は体内でEPAに変わって働きますが、その変換には酵素が必要で肉食動物の犬にはその酵素がないという意見があります。これはつまり、αリノレン酸の形は犬にとって不活性なオメガ3脂肪酸だということです。肉食動物である犬がフラックシードオイルやヘンプシードオイルを代謝できないというのはこういった理由から来ているようです。CoCoっちがパピーの頃は、オーガニックのフラックスシードの会社から「犬用」も出ていましたし(成分が人間用よりも低かったと記憶しています)若いから代謝できるだろうとあげていましたが(抗酸化物質で抗ガン作用のあるリグナンも含まれていたので)、ホリスティックドクターにフィッシュオイルを勧められてからは食事にサーディンを加えることで、代謝できる脂肪酸の形、DHAとEPAの形であげています。
  • 非常に酸化しやすいオイルです。

 

オリーブオイル

 

 

(オメガ9脂肪酸)
 
  • オリーブオイルの大きな特長といえば、70%以上もの豊富に含まれるオレイン酸。このオレイン酸が、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールは増やすというバランス調整の役目を果たしています。
  • さらに、植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸には酸化しやすいという欠点がありますが、オレイン酸は不飽和脂肪酸の一種であるにもかかわらず、きわめて酸化されにくいのが特長です。
  • 食前にオリーブ油を摂取すると胃潰瘍の予防になると言われています。
  • オリーブオイル特有のポリフェノールにも、酸化を防いで血行をうながす働きがあります。したがって、悪玉コレステロールの酸化を防いで動脈にこびりつきにくくするので、動脈硬化のリスクが減るといわれています。(血中の過剰のコレステロール量を減少させ、これにより脂質と結合し、さらに胆汁分泌を刺激し、脂肪をサポニン化した網細血管を閉塞させる脂肪沈殿物を溶解することで、脂肪を分解する役割を果たすと言われています。 )
  • 血中のコレステロール値を下げる作用のほか、腸の働きを助け便秘を解消したり、血管を強くすることから、血液の供給も活発になり、心臓病、脳卒中などの成人病の予防、肌の炎症を抑え老化を防ぐ等の効能があることも昔から知られています。
  • オリーブオイルはその段階によって4つに分かれますが、オレイン酸の含有率が極めて高い良質な1番絞りがエキストラヴァージンオイルと呼ばれています。
  • ビタミンA(カロチノイド)と葉緑素、 スクワレン、ステロール類、フェノール類なども微量成分として含んでいます。 含まれるビタミン活性の高いビタミンE(トコフェロール)は、発ガン予防の働きがあると言われています。また、神経や脳細胞にも作用し老化防止に効果的です。さらにカルシウム喪失を抑制し、骨粗しょう症にも効果があると言われています。
  • アトピーなどアレルギー性疾患を予防する働きもあると言われています。
  • 分子構造が簡単であ るため、体内で脂肪分解されやすく、体脂肪として残りにくい健康食品です。ダイエットには効果的な食品と言えますね。
  • 加熱処理に向いているオイルです。

 注意点・ポイント

 
  • チュ~ちゃんは加熱食で動物性脂肪が少ない食事をしていたのでごはんにかけたり、ニンジンのすりおろしと一緒に加熱したりしていました。CoCoっちは生食でチキン背中の脂肪分、サーディンの脂肪分といった動物性脂肪を摂っているので、オリーブオイルを加えることはほとんどありません。(オレイン酸は豚肉の脂など、動物性の脂にも多いものなのです。チュ~ちゃんご飯はチキンのささみ部分で動物性の脂を全く含んでいませんでしたので足してあげていました)
  • 必ずエクストラヴァージンオイルを選んでくださいね。

 

ココナッツオイル

 

 

(中鎖飽和脂肪酸)
 
  • ココナッツオイルは90%以上の飽和脂肪酸から成ります。 ココナッツオイルの中の大部分の飽和脂肪は、中鎖・トリグリセリド(MCTs=中鎖飽和脂肪酸)です。MCTsの主成分としては、その40%以上がラウリン酸で、次に多いのがカプリン酸、次いでカプリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸が含まれます。 また、2%のリノール酸(高度不飽和脂肪酸)とおよそ6%のオレイン酸(単不飽和脂肪酸)も含みます。
  • ココナッツオイルの利点のほとんどはMCTsに由来するものです。ラウリン酸は抗ウィルス、抗菌、抗真菌作用があります。カプリン酸とカプリル酸にも抗真菌作用があります。
  • さらにMCTsにはアスレチックパフォーマンスをアップさせる作用、新陳代謝を促進させてエネルギー効率を高め、減量を助ける効果も期待できます。
  • またMCTsにはタイロイド(甲状腺)のバランスを取るので、体重オーバーの子には減量を、そしてパワー不足の子にエネルギッシュな感じを与えます。体内への吸収は普通のオイルの4倍、代謝は10倍の早さで、速攻エネルギーに変わります。
  • Dr. Bruce Fife(栄養学と自然療法のドクター)によるとココナッツオイルは優しく代謝を押上げ、エネルギーとバイタリティを高め、病気から身を守り、治癒を促進すると述べています。そしてさらに(ボーナスとして)犬の皮膚とコートに有効であり、消化を促進し、アレルギーのリアクションを抑える効果があるとも述べています。
  • 定期的に与えることで数多くのベネフィットがあると述べられています。 (この部分は「毎日ではない」と理解しています)
  • 最近ブームのココナツオイルは、飽和脂肪酸ですが中鎖飽和脂肪酸なので、身体に蓄積せず肝臓でエネルギーに分解されます。
  • 母乳の主成分である「ラウリン酸」を50%も含むので、免疫力を上げる力と抗菌力があります。
  • 酸化しにくいオイルです。20℃以下で固まり、それ以上で溶けますが、溶けたり固まったりしても2年くらいは酸化しないので便利。加熱処理にも向いています。

 注意点・ポイント

 
  • ココナツオイルはメンバー様からお問い合わせを頂いて知ったオイルなのですが、調べると犬に対して良いという意見が多くありました。「飽和脂肪酸」で過剰摂取は問題になると思いますので数週間に1回とかたまに定期的にというあげ方が良いと思います。我が家ではたまに(2-3週間に1回くらい)1/8ティスプーンをあげています。ただ、ココナツオイルの飽和脂肪酸は直接肝臓で代謝されてエネルギーに変化する中鎖脂肪酸なので、身体に貯まることがない為、長鎖脂肪酸のように身体への蓄積(飽和脂肪酸だからNGという部分がまさにここ!)を気にかけることはないという意見も多くあります。うちでは石橋を叩いて渡る(絶対的な確信がないことに対してはかなり注意深く)主義なので、あげ過ぎにならないようにしています。
  • オーガニックで精製されていない(unrefined)コールドプレス(低音抽出法)のヴァージンココナツオイルを選ぶことが大切です。

 

ヘンプシードオイル

 

 

(オメガ6脂肪酸56%・オメガ3脂肪酸20%)
 
  • ヘンプシードとは「麻の実」のことで、3大抗酸化ビタミンであるビタミンA・C・Eや食物繊維が豊富に含まれていて、血圧を下げる・心臓病予防に効果がある・ガンのリスクを減らすなどの効用があります。
  • 特に優れている点として9種の必須アミノ酸が吸収しやすい形で全て含まれていることが挙げられます。
  • リノール酸(オメガ6)とαリノレン酸(オメガ3)の割合が、3:1で、これは「ヒトにとって」WHOが推奨する理想的な割合だそうです。
  • 健康な皮膚を保ち、アトピーなどに効果のあるγリノレン酸を含みます。

 注意点・ポイント

 
  • よく「代謝できない」といういう意見を耳にするので、調べてみました。フラックスシードオイルやヘンプシードオイルはオメガ3脂肪酸がALA(αリノレン酸)の形で含まれます。αリノレン酸は体内でEPAに変わって働きますが、その変換には酵素が必要で肉食動物の犬にはその酵素がないという意見があります。これはつまり、αリノレン酸の形は犬にとって不活性なオメガ3脂肪酸だということです。肉食動物である犬がフラックシードオイルやヘンプシードオイルを代謝できないというのはこういった理由から来ているようです。
  • 加熱処理は厳禁なオイルです。40℃以上の熱で含まれる不飽和脂肪酸が変質してしまいます。

 

グレープシードオイル

 

 

(オメガ6不飽和脂肪酸65%・オメガ9脂肪酸18%)
 
  • ポリフェノールの含有率が高い(抗酸化力が高い)のでコレステロールを下げる力が強いオイルです。
  • ビタミンEの含有率が高く、その含有率はオリーブオイルの2倍です。このことはつまり酸化しにくいオイルということです。
  • 加熱処理に適していて、焦げにくい油です。

 注意点・ポイント

 
  • 65%がリノール酸なので摂り過ぎに注意すべきです。

 

チアシードオイル

 

 

(オメガ3不飽和脂肪酸・αリノレン酸60%以上)
 
  • チアは、植物ベースのオメガ3不飽和脂肪酸が非常に多く含まれ、更に酸化防止剤の源でもあります。
  • グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン酸・バリン・ロイシンなどの必須アミノ酸も含みます。
  • ダイエット中でなくてもスーパーフードとしてご飯に混ぜてあげるといいかも。
  • チアシードにココナツオイルを混ぜ合わせるとスーパーな栄養バランススナックになります。

 注意点・ポイント

 
  • 南米原産なのでオイルではなくシードをあげる場合はカビ毒のアフラトキシンなどが含まれない良質なものを選んでください。
  • αリノレン酸は熱に弱いので加熱はNGです。

 

 

 病気と必須脂肪酸の関係

 

EPA・DHA・GLAなどの必須脂肪酸は、以下の症状の軽減に役立ちます。

 

 疾患・症状

 脂肪酸の与える影響

 

アレルギー・自己免疫疾患
 
  • アレルギー・自己免疫疾患は免疫系の過剰反応によって起こるため、オメガ3脂肪酸は、これらの過剰反応を減少させることができます。

 

アトピー
 
  • 一部の研究で、花粉症などのアトピーに対して脂肪酸の補給が有効であるという結果が出ています。

 

関節炎
  • オメガ3脂肪酸(特にEPA)が関節炎を伴う炎症を減らすのに有効であることが研究によって証明されています。

 

炎症性疾患
 
  • 潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患と慢性関節リウマチのような炎症を伴う病気は、オメガ3脂肪酸の抗炎症効果によく反応するかもしれません。

 

乾燥肌・ドライコート
 
  • 乾燥気味で切れやすく抜けやすいコートの問題は、オメガ6必須脂肪酸のリノール酸補給で改善が見られます。
  • 脂漏症の場合は、皮膜の中にリノール酸が不足していることが証明されています。 これらの場合、リノール酸の補給が役に立ちます。
  • このような肌の状態の場合、損傷した細胞からアラキドン酸の欠落を助けるという点で、EPAとGLA(ガンマリノレン酸)の補給も有益です。

 

イースト感染
 
  • 必須脂肪酸の補給はマラセチアの異常繁殖を阻害することができるという研究結果が出ています。このことは、犬やや猫の外耳炎や皮膚病などのイースト感染症に対して必須脂肪酸の補給が有効であるということを意味します。

 

眼の発育
 
  • 発育過程においてオメガ3脂肪酸は免疫系の強化とともに網膜と視覚皮質の正常な発育に不可欠です。

 

心臓疾患
 
  • オメガ-3脂肪酸は心疾患の進行を阻止することができます。犬の心室不整脈の改善、高血圧の改善が研究結果から証明されています。
  • 血栓塞栓症に対しても脂肪酸の血小板反凝固作用が効果的です。

 

ガン
 
  • オメガ-3脂肪酸は、特定のガンの発達と転移を遅らせることが証明されています。
  • 逆にオメガ-6脂肪酸は、腫瘍発生を促進することが証明されています。

 

中性脂肪とコレステロール
 
  • フィッシュオイルは、血中でトリグリセリドとコレステロールの濃度を低下させることが証明されています。
  • 皮膚疾患でレチノイド治療(合成ビタミンA誘導体)を受けている場合は、高脂血症になる可能性があります。こういった場合もフィッシュオイルはその改善に役立ちます。

 

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オイルのこと、あれやこれやと調べていたら
ココナツオイルは肌にも髪の毛にもいいと知り、
試しに肌に塗ってみようと思い立ち、腕や足に塗り塗り・・・
寒い季節なのにまるでコパトーンの匂いになっちゃいました。
気分はビーチ・・・になるにはちょっと涼しいマイアミです。
 
 
おんもはまだまだ寒くても少しずつ少しずつ春に向かって
たくさんの小さな命の息吹が準備を始めるこの季節。
土の下では新しい命が春に向かってお顔を出す準備を始めています。
日も少しずつ少しずつ長くなってきて、可愛い芽吹きが待ち遠しい季節です。
みんな春はもうすぐだよ~!

これからは暖かい日があったり寒い日があったりと
気候的にはちょっと落ち着かない季節ですが、
みんなしっかりメインテナンスで元気元気に過ごしていてね。
早くおんもを思い切り駆け回れる暖かい季節になあれ。

 

 Feb.2015

 

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