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痒み止めで楽になった!続けていいの?
「アポキル(アポクエル)で痒みが止まっています!」
そんなご報告が去年からうんと増えた気がします。
このアポキルというお薬、痒みの経路を遮断する
JAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)で
4-24時間で痒みが止まる即効性のあるお薬です。
実際に毎日の痒みで悩むわんこたちには
痒みで眠れない日々から解放されますし、
掻くことによって引き起こされる皮膚感染の予防にもなりますので
とても助けになるお薬でもあります。
痒みに悩む子にとっては夢のようなお薬で、
「即効性、有効性、安全性に優れたイヌのアレルギー性皮膚炎治療薬」
・・・と、広く紹介されています。
ただ、その裏に隠された弊害についてもきちんと知っておいてください。
どんなものであってもお薬はお薬です。
その危険性も理解したうえで
「1日も早くお薬のいらない身体になる」ことへの
1歩になってもらえたらいいなと思います。
痒み止め?免疫抑制剤?その仕組み
アレルギーは免疫の過剰反応で起こりますので
その免疫反応を抑えるお薬が使われます。
アレルギーと診断されると、よく処方される
ステロイド剤(プレドニン・プレドニゾロン)は
この過剰な免疫反応を抑えるために使わてきました。
免疫系を働かせなくすることでアレルギー反応を抑えるのです。
その後、ステロイド剤が効かなくなってきたら
アトピカ(シクロスポリン)が使われます。
アトピカはもともとヒトにおける臓器移植において
臓器移植拒否反応を抑え込むために使われていたお薬ですから
それだけ強い免疫抑制剤であるのです。
シクロスポリンはマイコトキシンのことです。
マイコトキシンは真菌によって生産される有害物で、
他のウィルス、バクテリア、他の真菌類に対して競合的に働き
それらを死滅させる作用があります。
マイコトキシンはヒトにおいてもわんにゃんにおいても
その免疫系を強力に抑制します。
・・・と聞いてもあまりピンときませんよね。
しかし、自然界において見られるマイコトキシンの例として
この地球上でもっとも強力な発がん物質である
アフロトキシンとオクラトキシンがそうであると聞いたらどうでしょう?
このどちらもアスペルギルス菌によって産生されます。
(アスペルギルス菌はアスペルギルス属の真菌です)
Wikipediaでは、
「マイコトキシンはカビの二次代謝産物として産生される毒の総称である。
ヒトや家畜などに対して急性もしくは慢性の
生理的もしくは病理的な変化を与える物質」と述べられています。
FDAはアトピカ(シクロスポリン)の経口投与による副作用として
頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、手足の腫れ、痒み、歯茎の出血、ガン、
腎不全、子血圧、アザになりやすい、聴覚障害、皮膚や目の黄疸、
意識消失、視力への影響、腫れ、免疫抑制とめまいなど
有害な副作用を報告しています。
しかし、これらは副作用ではなく、
マイコトキシン中毒によって引き起こされる中毒症状なのです。
また、この薬を服用している間は免疫系が抑制されていますので
このことは感染のリスクが高まるということを意味します。
こういった症状が引き起こされるアトピカの後で
アポキルというお薬が出たときはまさに「素晴らしい」の一言でした。
痒みは本当によく止まり、アトピカのような深刻な副作用も報告されず、
多くの犬たちが救われました。
ただ、「アポキルは痒み止めであって治療薬ではありません。」
治さないわけですから、対症的に「使い続けなくてはならない」のです。
アポキルの働く仕組み・JAKとJAK阻害剤について
アポキルはJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤です。
JAK阻害剤は神経系に影響を与えて痒みを止めます。
身体の神経がお互いに通信するためのシグナル伝達化合物である
キナーゼに影響を与えて、その伝達をブロックするのです。
JAKは犬の抗体産生細胞であるB細胞とポリシング細胞(T細胞)が
適切に機能して免疫を維持し、炎症反応を調節します。
JAK阻害剤は、痒みを止めると同時に、この反応もブロックします。
つまり 「正常な免疫を働かないようにさせる」 ということです。
JAKとは身体の防御、免疫に関与するとても大事な生命維持アイテムです。
JAKがないと犬の免疫システムは他のシステムと一緒に働くことができません。
これらは体内修復システムである幹細胞を活性化するのに必須なのです。
例えばJAK1は犬の身体の中で腫瘍が形成される前に、
癌化した異常な細胞をいち早く見つけて破壊するために常に監視しています。
また、JAK1は侵入した寄生虫や、真菌、細菌、ウィルスなどを破壊するために
必要不可欠な見張り番であり、伝達因子です。
JAK2は骨髄幹細胞の産生の中心で、
骨髄幹細胞は赤血球と白血球と血小板になります。
JAK3は抗体システムであるB細胞とそのキラー細胞システムであるT細胞が
一緒にうまく働くための必須アイテムです。
これらのJAKたちは互いに連絡しあい、相談し、
身体を健康に保つための情報を常に共有しています。
なので、このJAKシステムを阻害するということは、
免疫系に壊滅的なダメージを与えるという事になるのです。
つまり、アポキルの服用は「身体のJAKたちの働きを抑えこむこと
イコール身体の自然な免疫機能を破壊するということ」なのです。
また、JAL2は骨髄幹細胞の産生の中心ですから
JAK2を阻害することはつまり、
赤血球、白血球、血小板の減少につながるということです。
事実、赤血球と白血球を減少させて、
特定のリンパ節、リンパ組織、骨髄に影響を与えることが報告されています。
影響とは、将来的な疾患(腫瘍や細胞の異形成)を意味します。
このことは機能を喪失したJAKたちの変異が
癌やその他の細胞の変異を引き起こすきっかけとなり得るということです。
しかしながら、アポキルのこのシステムで痒みがブロックされるため
痒みが止まるイコール依存性が生まれてしまうのです。
使用をやめるとひどい痒みがまた復活する。
だからやめられない・・・という悪循環が
「自然な免疫系を壊しながら」続いてゆきます。
同じく痒み止めとして2021年頃からよく聞かれるようになったサイトポイントについても
以下のお勉強室で安全性を検証しています。あわせてご参考になさって下さい。
では、どうしたら離脱できるでしょうか
アレルギーにはいろいろな因子が考えられます。
痒みに対して、環境や食事・病気によるアレルギーの原因は
以下のリンク「痒いかゆいとアレルギー」をご参考になさってくださいね。
お食事にアレルギーがあると考えられる場合は
上記の記事に書いているローテーションダイエットを試してみてください。
今まで食べたことのない「タンパク源」をあげてみてくださいね。
ウサギ・バッファロー・ダック・ターキー・カンガルー・鱒など
現在はチョイスも多いと思われますので、ぜひトライしてみてください。
空気清浄機はアレルギーの子のお家には必須かも。
アレルギーの子は花粉やハウスダストにも反応する子がいます。
できるだけアレルゲンを避けるという意味では空気洗浄機も
必須アイテムかもしれません。
ビタミンD3レベルをテストしてみてください。
市販のコマーシャルフードを食べている子の75%が
ビタミンD3欠乏症と言われています。
ビタミンDは骨やカルシウムの代謝に欠かせないもので、
カルシウム剤はビタミンD3と一緒になっているものが多いですね。
ビタミンDには、骨を強化する働きだけでなく、
細菌やウィルスをやっつけるカテリジンやβディフェンシンという
抗菌ペプチド(タンパク質の一種)を産生させるのに関与し、
身体のディフェンス機能を高める働きもしています。
そういったことからビタミンDレベルは
アレルギーと非常に密接に関係があると言われています。
ビタミンDの効用については以下もご参考になさってくださいね。
だって痒いんだもん!我慢できない痒みを抑えるヒント
それでも痒くて眠れない姿を見ていると
「とにかく痒みを止めてあげたい!!」ですよね。
体質改善には時間がかかる。だから続かない。
今の痒みを止めることがまず第一!!
そういう気持ちになって当然だと思います。
痒みに関してのアプローチは以下にまとめています。
ご参考になさってくださいね。
サプリメントのグレープシードにも痒みを抑える効果があります。
グレープシードに含まれるプロアントシアニジンは、
身体の中で痒みの原因となるヒスタミンと、
その発生に関与する酵素の働きを抑制する働きをします。
ヒスタミンがリリースされた後、
アレルギーの攻撃徴候を単に閉鎖する抗ヒスタミン剤と異なり、
プロアントシアニジンは、ヒスタミン・リリースに影響する
重要な酵素を禁じることができます。
(マスト細胞からのヒスタミンのリリースを防ぎます。)
わんこの身体ではヒスタミンの痒みに関与する役割は人間よりも低いと言われ
そのために抗ヒスタミン剤が効きにくいと言います。
若干でも原因となるものは完全に排除したいですね。
また、このヒスタミン・リリースの規制作用は、
副作用のない生理学上自然な働きです。
ハーバルバスには皮膚症状を整えるハーブ類
ハーバルスプラッシュには痒みを抑えるハーブが配合されています。
このコンビで痒みが抑えられている子も多いんですよ。
シャンプーとハーバルスプラッシュだけで良くなる子も多いのですが、
それでも皮膚がアルカリ性に傾く夏場に痒い痒いがひどくなるという子に対して
うちのお客様で痒い痒いによく使われて効果が大きかったブレンドは
ハーバルスプラッシュ50mlにティツリー10滴、ラベンダー10滴を加えたもので、
これはチャ~くんブレンドと呼ばれています。
(PawPawClubの原点でもあるチャ~くんの看病中に効果があったブレンドです)
痒みや症状の程度によって、加える滴数は増やしたり減らしたりして
その時の症状に合わせたブレンドにして使われる子が多いです。
各商品ページのご感想にはアレルギーの子のご感想も多く載っています。
どんな風に痒みを克服したの?どんなご飯を食べているの?など、
みんなの経過や笑顔のご感想がご希望になっていただけますように・・・
暑い夏が終わってほっとできる季節。
暑い時期はわんこの皮膚はアルカリ性に傾きやすくなるので
皮膚症状も悪化しやすくなります。
この時期、気温が下がってきて皮膚症状や痒みもちょっと落ち着いてきて、
ホッとしている子も多いのではないでしょうか?
痒みが落ち着いてきた時期こそ「お薬からの離脱のチャンス」と思い、
今回この記事を書かせていただきました。
一生お薬を飲む生活から早く一歩前に進めると良いですね。
みんな頑張れ!!
マイアミも朝夕はとても過ごしやすくなりました。
夕暮れにはマイアミでも秋の虫の声が聞こえ、
CoCoっちと一緒に「秋だね~!」ってニコニコ歩きます。
少しずつ少しづつ夕暮れの時間が早くなっていますが
気温が少し下がり、とっても気持ちの良い季節。
空が高くなり、空気がおいしくて、
深呼吸しながらどこまでも元気に歩けそうな季節です。
夏に落ちた消化機能もしっかり戻り、体調が整って、
ご飯もうんと美味しく感じる季節ですね。
おいしくご飯を食べるにはしっかりおなかを空かせること!
元気ウンチをちゃんと出して、適度な運動でエネルギー発散して
食べてもちゃんと筋肉になるようにしましょうね!
特に代謝の落ちやすいシニアさんは頑張って!
食欲は生命力です!元気なシニア目指して頑張りましょう!
我が家ではずっと「パワーウォーク」をしているのですが
CoCoっち、周りの人に驚かれるほど歩くのが早いのです。
お家に早く帰りたくて、帰り道は特に早い早い!
今ではすっかりマッチョな筋肉マルチーズです。
お散歩後はママのヨガや筋トレに付き合ってボール投げ。
今日も元気だ!ご飯がおいしい!幸せです。
みんなも元気で食欲旺盛な筋肉犬になってね!
これからの気持ちの良い季節の中、
みんな元気にやんちゃにいっぱい駆け回り
お腹をいっぱい空かせて、おいしいものをしっかり食べて
食欲の秋を満喫しましょうね!
Oct.2019
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