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 2月 15, 2003  PawPawClub, PawPawお勉強室  毎日のケア・元気に過ごすヒント,  * 元気に過ごすヒント

chuchu-from-kakomie.jpg 筋肉犬のすすめ

 

寒い冬で運動不足になってるわんこも多いと思いますので、
運動の大切さを取り上げてみました。思い切り走り回ってるわんこは別として
「なんだかね~、お散歩も興味ないのよね~~」と、いうわんこには「耳が痛いお話」かも。

運動不足は、充分なエネルギーの消費がされないので肥満の原因ともなり、
肥満は更に成人病のひきがねにもなり、そして成人病は合併症まで引き起こします。
そういったことから、適度な運動の必要性を筋肉や細胞の仕組みからお勉強してみましょう。

運動不足だからお散歩を滅茶苦茶に頑張ろうというわけではないんですよ。
あくまで、その子に合った運動量で、お家の中で出来るボール投げなどの遊びも運動に入ります。
(ちょっとホッとしたかな~)一緒に楽しく遊びながら健康になれればいいですね。  

無理なダイエットよりもエネルギーの消費をしながら身体を強くする、これ、理想的です。
ただ、老犬や病気の子はそうもいかない部分も多いので適度なダイエットも必要ですが、
あくまで年齢や体調に合った最低限の運動はさせてあげてくださいね。

ここしばらくサプリの商品ページ作りで、細胞と酸素活性のしくみなどを勉強していて、
そんな中で「なぜ?へぇ?ふぅん、なるほど」と思うことがいっぱいあり、
いろんなしくみがわかると適度な運動によって筋肉を動かすことが
何故大切なのか理解できて、とても興味を覚えました。
筋肉って、免疫力との関係まであるんですよ。
みなさんも一緒に「へぇ?な~るほど、そうなのかぁ~!」を共感してくださいね。

 

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  なぜ、適度な運動が必要なの?

  

運動不足だと身体の代謝活動が低下し、筋力が低下したりすることで肥満傾向になり、
その結果として内臓に負担がかかり、いろんな病気になりやすくなります。
身体が肥満傾向に傾くとますます運動したくなくなるので、悪循環となります。

脊椎のずれを起こす椎間板ヘルニアは、肥満や日ごろの運動不足が原因の一つだったり
膝蓋骨脱臼も成長期の運動不足などによる場合もあると言われます。

適度な運動をしないでいると、本来の筋力は低下します
それによって筋肉は柔軟性を失ってゆきます。
筋肉が柔軟性を失うと、筋肉が硬くなりちょっとした事でも疲れやすくなります。
疲れやすくなると、ますます身体を動かしたくなくなる、これも悪循環ですね。
 
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  運動不足によって筋力が低下するとどんな問題があるの?

 

疲れやすくなることで体力が低下?!

  • 運動不足によって筋力が低下すると、疲労物質である乳酸が筋肉内に溜まりやすくなります。(筋肉を動かすとき、筋肉中のグリコーゲンを分解してエネルギーにしているのですが、この時にグリコーゲンの燃えカスとして残る物質が乳酸であり、疲労物質になるんです。)
  • この時に充分な運動などで筋肉内の細胞が酸素を効率よく充分に使うことが出来れば、グリコーゲンが水と炭酸ガスにまで分解されてしまうので、この疲労物質である乳酸が筋肉内に残る割合が減るんです。
  • 運動による効率的な酸素利用=疲れにくい元気な身体を作る=基礎体力の増強ということですね。

血行への影響

  • 身体の中で血行は、心臓筋のポンプの力で動脈を通って全身へ送られています。そして足の先や手の先(しっぽの先からも?)などからは静脈を通ってその血液が心臓に戻りますね。
  • この時に静脈のポンプの役目をしているのが抹消の筋肉なんです。静脈には静脈弁という弁があって血液の逆流を防いでいますが、この弁は周りの筋肉の収縮によって開き血液が心臓に戻るのを助けています
  • しかしながら、このポンプの原動力となっている筋肉の収縮力が弱まると静脈の弁の開きがいっぱいまで開かず狭い状態で開くために1回にそこを通る血流量も少なくなり、心臓に送り返される血液量が低下し、その結果として全身の血液循環が悪くなります。
  • 筋肉の毛細血管は、筋肉の中に溜まった乳酸を血液が運び出す働きをしますが、血液循環がうまくいかず血行が悪くなると、運び出される乳酸の量が減少し、その分残った乳酸が筋肉内にとどまる形になります。
  • このとき残った乳酸が溜まり続けて一定の量に達すると、「ヒスタミン」という痛みを発生させる物質に変わります。このことで、筋肉を動かすとその部分に痛みが起こり、その結果としてその部分をかばって動かさなくなり、ますます血液循環の悪化をもたらす原因となってしまいます。

骨への影響

  • 骨の中には、骨を作る骨芽細胞と、骨を壊してゆく破骨細胞があり、骨の組織は毎日新しく入れ替わっています。骨も新陳代謝するんですよ。
  • この骨を作る役目の骨芽細胞は、骨が受ける刺激によって密度を高めて骨を活性化させますが、血流が悪くて筋力の低下が起こると骨芽細胞の受ける刺激が減ることによってその働きが鈍くなり、新しい骨の組織を上手に生産できなくなります。しかしその反面、破骨細胞は一緒に働き続けているわけですから生産が追いつかなくなった骨は、密度の低いもろく弱い骨になってしまい、その結果として骨折などを起こしやすくなります。

免疫力の低下

  • 筋力が低下することによって免疫力も低下する!ちょっとビックリかもしれませんが、これは造血能力の低下によって起こることなんです。
  • 骨の中にある骨髄で作られる幹細胞は、血液になる赤血球や白血球に変化します。このうちの白血球は身体に入っってきた異物である有害な細菌やウィルスと闘ってくれる大切な存在です。すなわち病気や怪我をした時に身体を守ってくれる存在なんですね。
  • しかし、筋肉の弾力が低下すると、それに伴い骨への刺激が低下して、この血液の基となる幹細胞が減少することにより、白血球の生産も減少してしまうのです。
  • 白血球の生産が減少することで、病気や怪我の細菌やウィルスと闘ってくれる抗戦力が弱まる事により、病気や怪我の回復が遅くなります。

 

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  適度な運動の大切さ

 

メンバー様掲示板に「お散歩させすぎると良くないのですか?」
・・・というご質問を頂ました。
「そんなに歩かせたら関節を悪くするよ。ちょっとで充分よー」
なんて言われてしまったそうです。
 
「たくさん歩かせたら関節を悪くする」と、いうことはありません。
室内犬は特に普段から筋肉や靭帯を使わないと衰えてしまい
そんな子が急に運動したりすると、その弱いところに症状が出るということですね。
車に乗っていて急ブレーキで足を踏ん張って脱臼してしまった子、
ソファからフローティングの床にジャンプして脱臼や骨折をしてしまう子、
普段から筋肉や骨が弱くなっている子がとても多いです。
 
でもね、ちょっと考えてみてください。
私たちだって普段運動していないで、
急に運動して筋を痛めたって事はありますよね。
いきなり走ってアキレス腱を切ったとか、、、。
もっと身近では、急に根を詰めすぎて肩こりがひどくなったとか、、。
日ごろの運動不足がたたって腰が痛いとか、、、ね。
わんこだけが特別じゃないのだということを考えれば
いろいろなことが「そっか~!」となります。
 
普段から筋力を付けてしなやかな身体を作っていればとっさの時も
ちゃんと踏ん張れたり、急に力がかかっても筋肉の弾力で吸収できますよね。
 
小型犬の膝蓋骨脱臼は先天的な要因も多いのですが、
遊びを通して少しずつでも鍛えてあげられるといいですね。

 

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 運動の仕方を特に注意する年齢ってあるの?

 

生後6ヶ月までは、骨や筋肉の発達が追いつかないために
ジャンプや飛び降りなどで、骨折などをしやすくなりますので注意してあげてくださいね

この時期には、充分な骨の発達のために特にカルシウムの補給が必要なのと同時に
適度な運動によって骨の周りに充分な筋肉を付けることが大切です。
 

噛むことも運動のうち?

  • わんこにとって噛むということがとても大事ですが、パピーの時にきちんと乳歯が抜けて正しく永久歯が生えないと噛みあわせに異常をきたします。
  • このことは、咀嚼筋の左右差のバランスが崩れ、少しずつ身体にゆがみを生じ、それが全身の運動障害にまで結びつきます。
  • しっかり噛むこと、これも大事な運動のひとつんです。

どのくらいが目安なの?

  • 室内犬の小型犬はだいたい1日15分程度のお散歩で充分といわれています。日光浴とストレス解消のために1日1回は外の空気を思い切り吸いましょう。
  • 中型犬の場合は、1日20-30分程度で歩く以外にも走ることが必要な犬種もいます。走る、ジャンプする、フリスビーやボール投げなど、思い切り遊ばせてあげる必要がある犬種が多いですね。
  • 大型犬の場合は、1日1時間くらい屋外で、歩くことが大事ですよ。犬種によっては走ることも大事ですが、大型犬の場合のんびりと歩くことの方が必要な犬種が多いですね。
  • ただ、その子に合ったお散歩の量というのがありますのでここに書いたのはあくまで目安であって、全ての子に合っているというわけではありません。自分の子の一番ストレス発散になるお散歩の量はママが一番良くわかりますよね。
  • これらはあくまで目安です。この所要時間は年齢やその子の状態によって調整してあげてくださいね。いっぱいお散歩が日課!の子は、普段からそれなりの筋肉がついています。そしてその子のルーツを考えれば発達すべき筋肉が発達しないのは、逆におかしいと感じ始めます。小型犬でもテリア系は狩猟犬だったし、ダックスだって狐狩り犬なので、それなりの運動量が必要ですよね。あ、わんこのルーツを狼までさかのぼらないで下さいね~。あくまで「狩猟犬」だったとか、「羊飼いの犬だった」とかということですね。私たちだってサルまでさかのぼられると、、、ねぇ、、、。

 

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お勉強しながら、一番の運動不足は自分かも、、、と、反省です。
車社会に慣れると、数ブロック歩くのがもう辛い。
お散歩でダッシュなんてされるとママの方が先にハァハァしちゃってます。
「チュ~ちゃん、君は何故にそんなに元気なの~?
ちょっ、ちょっと待って~~!ぜぃぜぃ、、、」状態です。
 
これはいかん!チュ~ちゃんに負けない基礎体力作りを!と、
ちょっとヨガなどをやってみましたが(これも運動のうちなのか?)
次の日は身体が痛い、余計に疲れが増した、、、やんなきゃよかった。やれやれ、、、。
普段からコンスタントにやることが大事なんだと実感しました。
やり方間違っていたのかも、、、???
 
みなさん、わんこに負けないで頑張って下さいね~~!
私は素直に負けてますぅぅ~。とほほ。

 

Feb.2003

 

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