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 9月 15, 2002  PawPawClub, PawPawお勉強室  病気のケア,  * 病気と家庭でできること

chuchu-from-kakomie.jpg かゆいかゆいとアレルギー

 

今回は、「痒い、痒いはどうして起きるの?」です。
梅雨から夏の間の高温多湿で、皮膚病が悪化した、せっかく治っていたブツブツがまた出てきた
そして、その理由のトップには必ず、最近とても多く耳にする「アレルギー」。
本当に最近の傾向としてアレルギーと言われるわんこの多いこと!
なぜ?どうして?何が昔と何が変わったの?本当にそうなの?疑問点は山ほどあります。

このお勉強室が始まったばかりの頃にアレルギーってなに?その原因は?ということに
簡単に触れさせていただきましたが、ここではもう少し詳しく考えてみます。
最近はフードでもシャンプーでもなにかと言えば「アレルギーに効く」とうたっていますね。
でもなんでそんなに多いの?みんなどうしちゃったの?というのが素朴な質問なんです。

今と昔と変わったのは「本来持っている自然治癒力が弱い」「免疫力の低下」が目立ちます。
環境の変化によるストレスなども原因として挙げられます。
だけど一言で言えば「やわなわんこ」と「神経質になりすぎる飼い主さん」が増えたのも事実です。
いろんな情報が蔓延しすぎて迷う。そして何が正しいのかわからなくなってしまう。
考えれば考えるほどがんじがらめになってしまう、、、そんな飼い主さんが意外に多いんです。

原因不明の湿疹が出来た、毛が抜けた・・・特別な診断名が付かなければ「アレルギー」
で、アレルゲンのテストをすると33種類以上のものにヒットする。
その結果、何を与えればいいのかわからなくなる、フードの内容物に対して神経質になる、
そしてその飼い主さんの神経質になってしまう気持ちがわんこに伝染する・・・
考えてみればみるほど悪循環ではないでしょうか?

そんなやりきれない思いで、今回は、少しですが痒い痒いの原因に対して
ベーシックなことを取り上げてみました。
アレルギーで悩んでいるわんこたちに早く原因を克服してもらって痒い痒いとさよならして欲しい。
「なんでも食べられる強いわんこ」になってほしいです。
なんでもバクバク食べられることは何にも勝る健康維持法だと信じていますので・・・。

秋になって食欲も体力も回復するこの時期にしっかり治してしまおうね。
コートやお肌の状態を整えて気持ちのいい季節を思い切りエンジョイしよう~!

 

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book01.gif  痒い痒いの原因って何? やっぱり?トップはアレルギー

 

 
「痒がっているんです、よく身体を掻いているんです」こう言って受診すると
一番多い診断名が「アレルギー」ですね。
でもその前に「カビ」や「寄生虫感染」「細菌感染」も疑われる原因となります。
しかしながら診断名の最も多いのが「アレルギー」どうして??
 
アレルギーとは、通常は身体にとって無害なものに対する過剰反応のことを言い、
皮膚、甲状腺、すい臓などへの症状から免疫疾患として扱われています。
身体に入った異物(ダニの死骸やノミ、花粉やハウスダスト、草木や花、食べ物、食器、
化学物質、、、ありとあらゆるものがアレルゲンとなります)に対して、
身体が過敏な反応を起こすことがアレルギーです。
 
アレルゲンに対して身体は、それに対抗するために
抗体(IgE=免疫グロブリン)を作り免疫反応を起こします。
抗原に対して抗体を作ることは本来、身体の自己防衛から起こり
身体にとっていい事であるはずなのですが、IgEの過剰生産によって
逆に身体にとって有害な症状を発生させてしまうのがアレルギーです。
 
アレルゲンに触れる(吸い込んだり、食べたり、接触したり)ことによって
体内でアレルギー反応が起こります。それが炎症物質を発生させて皮膚炎の症状となるんです。
また、わんこの身体はアレルゲンが侵入したとき、細胞から放出されるかゆみの原因となる物質の中で
ヒスタミンの役割が低い為に通常の痒み止め(抗ヒスタミン薬)が効きにくいという特徴があります。
 

わんこのアレルゲンと症状

 

アトピー性皮膚炎
 
ハウスダストやダニによるものです。ダニの死骸の一部などでも吸い込むと耳や眼の周り、指の間、内股、脇の下などに痒みを伴う皮膚症状が出ます。外耳炎を伴うことが多く(両側)、私たちのようにくしゃみや鼻炎がなくただただ痒いのが特徴です。約75%が1-3歳の間に発症するといわれます。

 

ノミアレルギー
 
ノミの唾液に対して強い痒みを伴う皮膚症状が出ます。ノミに噛まれやすい背中から腰にかけて症状が出るのが一般的です。

 

接触性アレルギー
 
食物・食器・首輪・おもちゃなど、接触した場所に皮膚症状が出ます。食器は陶器やステンレス製のものをお勧めします。
花粉アレルギー
 
ある一定の植物の花粉が原因となります。それが木であったり草であったり、季節ごとにアレルゲンは違います。アレルゲンとなる花粉を吸い込むとくしゃみや鼻水、眼が赤くなるなどの症状が出ます。
フードアレルギー
 
食事に含まれるタンパク質や炭水化物がアレルゲンとなります。アトピー性皮膚炎と症状が似ているのが特徴です。
その他
 
化学物質・ワクチンなどに対してもアレルギー症状は出ます。人間でも人によってはピリン系に反応したりするのと同じですね。最近はワクチンに過敏反応を示す子も増えていますのでワクチン摂取後の観察は極めて重要です。摂取後30分は診察が終わっても病院の待合室で様子をみましょう

こんな症状が出たら要注意

 
背中からお尻にかけて掻く、前足をよく舐める、足の毛を噛む、顔を床にこすり付けるなどが一般的な症状として表れます。わんこはネコなどと比べて身体にかなりひどい痒みを感じるのが一般的と言われます。

接触性アレルギーは、その原因となるものとの接触を絶つ

 
花粉アレルギーの場合は、花粉の飛ばない時間帯を選んでお散歩したり草地に行かないなどで回避できます。また、花粉アレルギーやアトピーに対しては減感作療法も有効です。(私たちと同じですね)

減感作療法とは・・・

 
まず皮膚反応を見るパッチテストで陽性の出たものをピックアップし、その中で環境やその症状と一致するものを選んで、その低濃度液を注射します。この濃度を少し上げて身体の中で少しずつ抗体を付けていく方法です。

 

 
 全てをアレルギーと言い切ってしまうことは逆に原因がわからず
八方ふさがりになってしまう事に繋がります。
なので、諦めないで原因をよく追究することが大事です。
では、「痒い、痒い」の皮膚病を引き起こすその原因は・・・
 

わんこの「痒い、痒い」を引き起こすダニ

 
ダニに感染したわんことの接触、
お散歩のときに草むらなどでダニを拾ってくることで感染します。
秋は春の終わりと同様、特に幼虫ダニが活性化する季節なので気をつけてあげましょう。
(ダニは一般的に春に活発化して夏は成虫になり、
秋にはその卵が孵って幼虫が多くなります)
普通は冬になると冬眠するのですが、種類によっては
(日本ではキチマダニやシュルツェマダニ)、
また寄生してしまったものはぬくぬくと冬場も寄生主の身体についたまま
室内のじゅうたんやたたみの上で卵を産みながら活発に過ごしているものもいます。
 
ダニは血液を吸ったり、皮膚にトンネルを作ったり、
そしてその唾液をわんこの身体に吐き出したりします。
それが皮膚炎や貧血、アレルギーの原因となります。
ダニは噛まれる事によって、またハウスダストとして吸入することによっても
アレルギー反応が起こります。

ダニの種類と症状

 

イヌセンコウヒゼンダニ
 
  • このダニは犬疥癬をひき起こすダニの一種です。このダニは感染している犬の首輪やブラシなどから感染します。お散歩の草むらに感染したわんこが落としていったものを拾ってくる場合もあります。
  • 卵、幼ダニ、若ダニ、成ダニの各発育期をもち、それぞれのダニはわんこの皮膚を穿孔し、トンネルを作って生活をします。皮膚の中にいるダニの穿孔、分泌物のためにわんこは強いかゆみを感じます。
  • 耳のふちや顔、ひじ、ひざ、かかと、足先から発症しやすく、そのうち全身に広がって湿疹様の皮膚炎を起こし、発赤、水疱、小結節、かさぶた形成、皮膚の肥厚、脱毛、落屑や細菌の二次感染などが起こってきます。
  • おそろしく痒いのでパピーでは、その痒さのための食欲減退、発育遅延で死亡することもあります。
  • 接触によって他の犬に感染するので、症状が改善されるまでは、他の犬との接触を避けてください。また、ママたちにも感染する事があり腕や腹部、大腿などに湿疹ができます。
  • ダニを殺す作用のあるシャンプーを使ったり、その子の寝ているベッドなどの消毒、一緒にベッドで寝ている場合はベッドも殺虫剤などで消毒してくださいね。ダニが完全に死滅すれば完治します。

 

ニキビダニ
 
  • 皮膚の皮脂腺に寄生し、毛包虫症という脱毛や皮膚炎をひき起こす病気になります。アカラスとも言われます
  • ニキビダニは多くのわんこに多少は寄生していると言われますが、健康なわんこの場合は抵抗力があるため大量に増殖せず、症状は現れません。免疫力や抵抗力が低下すると、症状が現れやすくなります。抵抗力の弱いパピーやシニアに多いので、初期症状の脱毛にいち早く気づいてダニ駆除とあわせて治療してください。眼の周りや口の周りに脱毛が起きる症例が多いです。

 

ツメダニ
 
  • ツメダニはたたみ、じゅうたん、ふとん、ぬいぐるみ、その他の布製品と藁製品に生息します。6月-9月の高温多湿の時期に多く発生し、寒い冬でも死滅することなく、暖房によって繁殖します。お家の中で生息するダニで最も多いものです。(このダニは埃の中のコナダニ、ヒョウヒダニなどを食べて生息します。ヒョウヒダニはアトピー性皮膚炎や喘息の原因になるダニです)新築後2-3年の家屋に多いため、カラオケ屋さんや電車などで拾って来て飼い主さんが媒介する場合も多いのです。
  • 非常に痒いものです。皮膚が赤くなってかさぶたのようなぶ厚いフケが重なったような状態になり、そのフケをめくると小さなツメダニがたくさん寄生しています。毛の先端にツメダニが付着している場合は白い粉がふいているように見えます。毛も抜けやすくなります。
  • ダニを殺す作用のあるシャンプーを使ったりして分厚いフケを完全に洗い流してください。ダニ駆除も行います。丸刈りにすると完治も早い場合があります。

 

マダニ
 
  • 世界中には約800種類のマダニがいます。季節的なものや湿度などによって突然大量発生する事がありわんこだけでなく他の動物にも突然大量寄生することがあります。
  • ダニは草むらの葉っぱの先に上ってわんこの身体にジャンプする機会を待つんですよ。それからわんこの身体の吸血しやすい場所を探して移動します。やわらかくて噛みやすい毛の少ない所で、お耳の内側や眼の周り、おしりの周り、内股、手足の先などを噛まれるケースが多いようです。(一番発見度の多いのがお耳の端っこなど顔の周りです)
  • 噛まれると強い刺激とかゆみが生じ、多量の吸血が栄養障害や貧血までも引き起こします。マダニが吸血するとその身体の大きさは100倍以上もになることがあります。マダニは、血液中の栄養素をその身体の中で濃縮したあとで、大量の水分を唾液として宿主の身体の中に吐き戻します。これが周囲の細胞の溶解と壊死を起こしながら原虫、細菌、ウイルス、スピロヘータ、リケッチア(動物に寄生して生きるのが特徴の細菌です)など多くの病原体を媒介します。噛まれたところが炎症を起こすと炎症性肉芽腫にまで悪化する場合もあります。
  • バベシア症を引き起こすスポロゾイトは、マダニの吸血が刺激となり、36時間から48時間以内に成熟して感染力を持つようになります。血液を介して病気の原因となる原虫が媒介され、この原虫は血中の赤血球を破壊します。ママわんこがこの原虫に感染するとお腹の中のパピーにまで血液を通して感染します。貧血、発熱、食欲不振などを起こし、急性例では死亡する事もあります
  • ライム病の原因であるボレリアスピロヘータは人間にも感染するので問題になった病気です。こちらでは鳩に寄生したマダニが媒介しました。これは72時間以降に発熱、全身性の痙攣、起立不能、歩行異常や神経過敏な関節炎、および遊走性皮膚紅斑、良性リンパ球腫、慢性萎縮性肢端皮膚炎、髄膜炎、心筋炎など重篤な症状が出ます。(これはわんこよりも人間が感染してこちらでは深刻な問題になっています)
  • ヘバトゾーン症は、この病原体をもったダニに噛まれることによって感染しますが、ママわんこからの感染の可能性も指摘されています。症状は発熱、衰弱、貧血、下痢、食欲不振、歩行異常や腰痛を伴う筋肉の知覚過敏、目やに、鼻汁などで免疫低下状態のわんこが罹りやすいと言われます。
  • 1匹のマダニが産み落とす卵は、一生で2000~3000個にもなり、1ヶ月ほどで成虫に育ちます。メスは血を吸ったあとで産卵を開始しますので、見つけたら絶対に潰さずにカンシなどで丁寧に捕り、熱湯で殺すか、トイレに流してください。吸血前のマダニは2-3ミリなので見つけることは困難ですが、グルーミングショップにいた頃、大豆くらいの大きさに膨らんだマダニをよくカンシで捕って潰さないようにトイレに流した事があります。そして1匹見つけたらその卵、さなぎ、幼虫が身体にいる可能性がきわめて高いことを考え徹底的な駆除を行います。駆除後はとにかく予防!これに尽きます。
  • しっかりブラッシングと虫除けを行ってダニを付けない、付いても必ず駆除するという習慣をつけましょう。

 

ミミヒゼンダニ
 
  • ヒゼンダニはツメダニのように刺すのではなく、皮膚に寄生して身体に害を与えます。一般に「耳ダニ」と言われるのはこのミミヒゼンダニのことです。わんこの外耳道内に寄生し、寄生虫性外耳炎を起こします。耳垢は黒く痒みが激しいのでしきりに耳を掻いたり首を振ったりする時は要チェックです。このダニの生活サイクルは3週間なので、その間しっかり治療しないと根治できません。

ノミアレルギー

 
  • ノミの卵・幼虫・さなぎ、特にさなぎは、羽化直前の状態で成長を止め、たたみやじゅうたん、たんすの下などで待ち、わんこの振動や体温、二酸化炭素に反応して羽化して飛び移り寄生します。 本当にとことんイヤな生物です。
  • ノミが血を吸う際にノミの唾液がわんこの皮膚に入るり、ノミの唾液に含まれる「パプテン」というたんぱく質に対してアレルギー反応が起こり、皮膚炎になります
  • ノミに刺されやすいやわらかい場所に起こります。足の付け根や後ろ足、お腹などに赤い発疹が出来て腫れていたら要注意。滅茶苦茶痒いのが特徴なので、掻きむしって二次感染を起こしたり、その部分が脱毛したりします。
  • とにかくノミを徹底的に退治しましょう。ノミが経口的に身体の中に入ると瓜実条虫への感染にもなりますので、とにかく徹底的な予防に心がけてくださいね。
  • ノミは見つけたら絶対に絶対に手で潰さないで下さいね。お腹の中の卵が飛び散り、膨大な数の卵を撒き散らすことになります。見つけたら洗剤を入れたお水の中で殺してからトイレなどに捨てましょう。
  • ノミを捕ったノミとリコームはきちんと消毒を!そこにノミの身体に付いていた瓜実条虫の幼虫などがいる可能性もあります。これはママにもうつりますよ。しっかり消毒し、その後よく手を洗ってくださいね。
  • ノミ取りコームに黒い小さな粒があったらウェットティッシュで拭いてみてくださいね。水分で赤茶色に変化したらそれは大事な我が子の血を吸ったにっくきノミの糞です。

ダニやノミの予防法

食事で防ぐ
 
ダニやノミの付きにくい身体にする食事にはニンニク、りんご酢、イーストなどがあげられます。また、ビタミンB12&Cで肝臓機能を高めることもアレルギー反応を起こしにくい身体にする事に役立ちます。

 

ブラッシングで防ぐ
 
何ごとも早期発見早期対処に勝るものはありません。毎日のブラッシングでノミやダニの早期発見を!ダニは血を吸った状態であれば容易に見つけることが出来ます。どちらも見つけたらくれぐれも潰さないように!また、ダニは頭の部分を皮膚に食い込ませているので頭の部分が皮膚の中に残らないようにカンシなどを使い、注意深く取ることが重要です。
お掃除で防ぐ

カーペットやマットのお洗濯にはバケツ一杯につき1/3カップのベーキングパウダーで洗います。またお天気のいい日にはお布団を日光消毒してくださいね。
ダニはお布団が大好きです。お天気のいい日はお部屋に日を入れてじゅうたんからお布団、ベッドマットまでよく日光消毒を!掃除機でマメにお部屋のお掃除もしてね。ゴミパックも換えましょう。お布団にも掃除機をかけてダニまで吸い取ってしまいましょう。カーテンにもダニは生息しています。定期的に洗ってね。
わんこベッドもカバーを外して洗濯してね。中のクッションやスポンジは天日干しします。お気に入りのおもちゃも時々は熱湯消毒を!

 

室内環境で防ぐ
 
エアコンのフィルターの交換をまめにてダストを予防したり、ダニの好む湿度を下げるような空調調整をして下さいね

 

ハーブで防ぐ
 
ティツリー、ローズマリー、ラベンダー、シトロネラ、ユーカリ、レモングラスオイルなどのスプレーでダニやノミを寄せ付けないようにします。
またお掃除にティツリーオイルを使うと除菌、殺菌作用があるのでダニの駆除にも役立ちます。掃除機のゴミパックにもティッシュに数滴落として吸わせておくといいですね。

 

シャンプーで駆除
 
付いて増えてしまった場合のノミやダニを完全に駆除するには専用のシャンプーやディップを使います。いずれも強いケミカルを使用しているものが多いので、グルーミングショップなどではこれらを使った後は必ずメディカルシャンプーで皮膚の保護を行うようにしていました。また、眼に入ると危険ですので必ず眼の保護剤を使い、シャンプー後にはよくお目眼を洗うことも大切です。そして何よりもしっかりとすすぐこと、シャンプー液のすすぎ残しは逆に皮膚病を誘発します。
ノミアレルギーの子にはシャンプーのあと、ティツリーオイルの15%希釈液をティスプーンに2杯ほどを最後のすすぎ液としてかけてあげてください。

 

おんもわんこの場合
 
犬舎の掃除、毛布などの洗濯をまめにしてください。1週間に1回は犬舎の中を日光消毒してくださいね。熱湯で洗ってダニやノミを排除するのも1つの手です。ハーブスプレーなどを犬舎の周りにまいたり、セージなどの虫の嫌うハーブが手に入る場合は周りに植えてもいいですね。(セージは、ママわんこは食べないように注意してね)犬舎は風通しのいいところに置くことでもダニを予防できます。

 

お散歩足洗いわんこ
 
室内のわんこはお散歩の後の足洗いはお約束という子も多いはず。濡れた足はタオルで充分に拭いていつまでも蒸れていないようにしましょう。ダニは暖かくて適度に湿度があるところが大好きということを忘れないで!

フードアレルギー

 
  • フードアレルギーは最初、皮膚のかゆみに現われます。他には、肛門のかゆみ、頭を振る、耳の炎症、前足をなめる、顔をカーペットにこすりつける、時には嘔吐、下痢、腹部膨満、くしゃみ、喘息様の症状、行動の変化もしくは発作等の症状があります。
  • その子、その子によってフードにアレルギーを起こすものもあります。アレルゲンをしっかり把握してフード選びをしてください。その際にアレルゲンはその子の体調によって変化するということを忘れないで下さいね。
  • アレルギーは身体の中で異物(アレルゲン)と認識したものに対して起こるものです。これはつまり、今までその子が食べたり(食べ物)、吸入したり(花粉やハウスダストなど)、接触した事のあるもの(化学繊維や植物)に対して起こります。食事の成分に対してアレルギーを起こしてる子には、今まで食べたものに対して起こしている訳ですから今まで食べたことのことがないものを与えれば防ぐことができると言われます。
  • アレルギーは主にタンパク質に対して起こりますが、その子の持つアレルゲンが何であるかよく調べて徹底して排除することから始めてくださいね。ドッグフードなどに「低アレルギー食」と書いてあるものもありますが、その中の原料にアレルギーを起こす原料が1つでも含まれていたら全く意味がありません。完全に排除するということが一番大事なので、減らすということでは意味を成しません。
  • 小麦粉などに含まれるグルテンという成分もアレルゲンとなります。グルテンのアレルギー症状としてはお腹がゆるくなったり下痢を起こす子が多くいます。
グルテンって何:小麦粉は水を加えてこねると弾力を持ちますね。その膜状のタンパク質がグルテンです。パンなどに使う強力粉はグルテンの濃度が強いので、弾力が強いですね。おうどんなどに使う中力粉はその次、わんこのクッキーなどに使われている薄力粉はグルテンが一番少ないんです。ということはパンなどをあげて大丈夫であればグルテンには反応しないという事になりますね。
 
まずアレルゲンを含まない食べ物をあげて、一つずつ疑われるものを追加してゆく、
または症状の出た食事から内容物を一つ一つ減らしてゆく、
根気の要ることですが愛する我が子のため、
少しでもたくさんの食べ物を食べられるようになるように頑張りましょう。

 

 

以下は The Encyclopedia of Natural Pet Care からの抜粋です

 
栄養バランス、ナチュラル食を食べているペットには、ないであろうといっても過言ではありません。
コマーシャルフードを食べ続けているペットにアレルギーは起こりやすいといわれます。
 
その原因となるものにはビーフ、ビーフ加工製品、ミルク、イースト、コーン、コーンオイル、ポーク、ターキー、エッグ、フィッシュオイル、麦、麦製品一般などがあげられます。
そしてまた、多くのペットがケミカルな添加物や環境、汚染された飲み水に対してアレルギー反応を起こします。
 
Dr.Plechnerによると、犬やネコの慢性的な下痢や皮膚病、ネコにおける尿路系の疾病はフードアレルギーに起因することが最も多いと言われます。
いままであげているフードの内容物の分析をし、アレルゲンを含まないクオリティの高いフードに変更するとともに常に新鮮な飲み水(フィルターを通したもの、ボトル詰めされたもの、蒸留水など)をあげるようにしてください。
 
人間と同じようにケミカル化合物は、全てのペットが同様にアレルギー反応を起こします
硝酸ナトリウム(Sodium nitrate)、安息香酸(benzoic acid)、赤色40号(red dye number 40)、青色2号(blue dye number 2)、BHA、BHT、MSG、重亜硫酸ナトリウム(sodium metabisulfite)などは、あたりまえのようにペットフードの科学添加物として、味を整えたり、糖分として、エチレングリコール(plopylene glycol)やホルマリン、ethoxyquinなどまで使われています。そしてこれらは全てFDA(U.S. Food and Drug Administration=日本の厚生省にあたるもの)に認証されています。というのも、今まで人間にもペットにも健康を害する症例が証明されていないという理由からです。
 
しかしながら、同時に A growing body of reserch は、動物実験の結果から、人口着色料が癌の原因になったり、肝臓および腎臓病、先天的欠損症、同化作用のストレス、行動の問題、アレルギー反応、脱毛、脳欠陥、てんかんおよび先天的欠損症などを引き起こす事を、また人口風味料はペットに対して神経過敏、アレルギー反応および問題行動などを引き起こす事などを指摘しています。
 
単純な血液検査や皮膚のテストがペットの食物感受性を知る必要のあるすべてを明らかにするのであればそれはとても有意義といえます。
しかしながら多くの獣医師や研究者の意見ではパッチテストと同様にRASTとELISAの技術を使用する血液検査も有用なガイダンスを提供するのに決定的でないか不正確すぎるものとしてとらえられているのが現状です。
 
あなたのペットをテストする最も高価でなく最も正確である方法は家庭で出来るのです。
食物アレルギーをあなた自身が分析するために同じタイプのルーティンを組んだ食事を使用します。
アレルギーをテストするための「試験的食事」については、最上且つナチュラルな栄養素の摂取の部分で多くの討論がされてきました。このプロジェクトのポイントはあなたのペットの消化器官にそれが過去に食べていたものすべてからの完全な休息を与えることです。
 
したがって、最良のコンビネーションはそれがめったに食べた事のない、または今までに1度も食べたことのない蛋白質食品(ラム肉や鹿肉、サーモンなど)を、生または軽く料理した状態で、生または軽く料理された野菜類(ニンジン、カブ、ポテトなど)とともに与えます
獣医さんの中には白米を勧める方もいます。白米はペットの消化器官にやさしいというのが第一の理由です。また、食事の与え方としては1日2回、朝に炭水化物を与え、夜に肉を与えるのがよいと提唱しています。
 
初めは食事の変更にストレスを感じるかも知れません。
激しいアレルギーを抱えたペットが調理済みの食物、缶詰めの食物あるいはベイクした食べ物やパッケージに入った形の食物を今まで食べていたのであれば、生食よりも最初は軽く調理したものから始めるのが良いでしょう。
生でも調理された形でもそれはさほど重要ではなく、上記の食事はやや栄養的にはアンバランスと感じるかも知れませんが短期間で身体の中で夕食として摂った残留物をすべて除去する機会を与える食事として、診断のプロセスでは重要な役割を果たします。
この試験期間は低アレルギー食と新鮮な水だけを与え、この間はおやつもスナックも噛むおもちゃもビタミン類もフィラリアの薬さえも一時的に中止して様子を見ます
 
食物アレルギーのほとんどの場合では、変化が迅速で、明白で、ドラマチックです。身体を掻いていたペットは掻かなくなるでしょう。つやを失っていたコートは輝きを取り戻します。疲れていた犬はエネルギッシュな子犬のようになります。神経質な猫は、静かで親愛になります。また、消化不良などの兆候も眼に見えて消えてゆきます。
 
上記の食事を2-3週間続けたあとは少しずつバラエティを増やしてゆきます。それからゆっくりと生食への変更を始めるのですが、特に注意したいのは材料となる食材がクオリティが高く新鮮なものであることです。この段階では「トライアル」を経て「チャレンジ」の段階に進んでいきますがそれには2通りの方法が提唱されています。
 
1つの方法は、新しい食材を毎週加えていくこと、そして同じ食材を1週間続けて様子をみること。
食品が問題を引き起こさない場合、それが犬によって上手に許容されていると仮定することができます。
 
もう1つの方法となるローテーションダイエットは少しややこしいのですが、いっぺんにいろいろなフードを試すやり方です。
数種類の食材を毎日変えながら与え、1つのローテーションが終わったあと、また繰り返す前に4日間は違う食材を与えるのが基本です。
例えば、月曜日はビーフ、火曜日はチキン、水曜日はラム肉、木曜日はサーモン、金曜日はヤギ乳とヤギのチーズ、土曜日は新鮮なマグロや魚類、そして日曜日は何も与えないという方法です。
同時にサイドディッシュとしての野菜も毎日変えます。月曜日はボイルしたポテト、火曜日はライス、水曜日はスイートポテト、木曜日はカブ、などなど。
そして同じように同じ食材を繰り返すまでに4日間は違うものを与えます
 
この基本を守りながら毎週少しずついろいろな食材を加えてゆきます。
いろいろな種類の肉類、穀物、野菜、フルーツ、サプリメント、このときにカテゴリーごとにきちんと把握してローテーションを組んでください。同じ日に決して尾根時グループから2つ以上のものを与えないことが基本です。(同時にチキンとビーフをあげたり、2種類以上の穀物を同じ日に与えないという意味です)
この基本さえ守れば、1日に与える食事の回数は問題ではありません。(パピーからシニアまで、その年齢にあわせた食事回数でトライできます。)
 
この方法で覚えておいて頂きたいのは、「食物グループ」で考えることです。したがってチキンと鶏卵は次の日ではなく、同じ日に与えます。(チキンと鶏卵は同じ食物グループとしてとらえます)
野菜に関しても同様です。ポテトはナス、ピーマン、トマトと同じグループに属します。なので、同じ日に与えます。〔野菜の場合は何々科の植物、、、というのでわかりますね?)どんな食材であれ、同じグループのものは同じ日に、そしてそれらを再度ローテーションで与えるまでには最低4日間を空けてください
 
食物アレルギーの徴候は必ずしも明白でなく即時ではありません。しかし犬やネコには即座でありその症状はたちまちにして現れます。突然の激しい痒みに対する掻き掻き、嘔吐、自分の場所への引きこもり、下痢、足を引きずる動作、ぜいぜいとした呼吸、震え、ヨダレを垂らす、疲労感などの症状が食後即座に現れる場合と、1日経ってから現れる場合がほとんどです。こういったサインを見逃さないことも重要です。
 
食物アレルギーの改善には根気を要します。例えば鶏卵を食べた翌日、犬が身体を掻いて毛が落ちていたらそれも一つの重要なサインなのです。こういったサインを注意深く一つ一つ見つけて原因を探ることが重要です。鶏卵でこういった症状が出た場合、数週間の間、鶏卵をローテーショングループから外します。その症状がひどいときはそれがアレルゲンだと断定できますのでその後は与えないように注意します。
個々の食糧をテストするという利点は特定のアレルゲンを決定することです。
ほとんどのペットフード(ハイクオリティフードでさえも)が非常に多くの成分を含むので、その個々の成分の副作用までを辿ることは不可能です。
 
一旦、アレルギー食と取り組めば、今後のあなたのペットにとっての最良の長期食餌プラン、自分のスケジュールにあった食事への取り組み方、ペットの嗜好まで考え合わせた方法が見つかってゆくでしょう。その一方で、あなたは商品ラベルの熱心な読者、博識の消費者、栄養学者およびあなたのペットに対して責任のあるよく訓練された観察者になっているでしょう。

 

 

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book01.gif  アレルギーとは違うけど、こんな事も痒い痒いの原因になります

 

カビ・真菌・細菌

 

カビ・真菌・細菌
 
  • これらは空気中にもお部屋にもお散歩道にもいます。健康な身体では普通に防御システムが出来ていて感染することもないのですが、体力の低下、免疫力の低下などがきっかけで感染したり、皮膚の上で増殖したりします。
  • 皮膚真菌症は糸状菌というカビが原因で起きる皮膚病です。糸状菌が皮膚につくと、毛根の中に菌糸を伸ばして行き、菌糸が入った毛はもろくなり切れて脱毛します。この皮膚真菌症は痒みは伴いませんが俗に言う「円形脱毛症」の原因として多い病気です。
  • 黄色ブドウ球菌、連鎖球菌などの細菌によっても皮膚炎が起こります。これらの細菌は普段から皮膚の表面にいるのですが、体力の低下や栄養バランスの偏りによる免疫力の低下、ホルモンの分泌異常などが起こると皮膚の上で一気に増殖します。特に体力を失う夏に発症しやすいのが特徴です。丸く赤い発疹の中央が黒ずんだ状態が特徴で「膿皮症」の原因です。
  • 意外かも知れませんが、洗濯機の洗濯槽の裏側に付くカビもアレルギーの原因になります。定期的にしっかり消毒して下さいね。

内分泌障害から来る皮膚病

 

脂漏症
 
  • わんこの身体の中のホルモンバランスが崩れるといろいろな皮膚病の引き金になります。これは皮脂腺の分泌異常による病気で、内分泌系の異常、栄養不足、寄生虫感染なども原因となります。
  • 皮脂腺の分泌異常過多と分泌不足の両方があり、多すぎると皮膚やコートのべたつき、そこに細菌などの感染を起こした結果の悪臭、逆に少なすぎると皮膚の乾燥が進みフケ症となります。過多の場合はよくシャンプーすることによって改善しますが、皮膚乾燥の場合は保湿効果のあるコーミング剤やシャンプーの使用とともにビタミンAの補給、バランスのいい栄養補給が必要です。

 

ホルモン代謝異常
 
  • 甲状腺機能低下や副腎皮質機能亢進などホルモンの代謝異常によっても皮膚病は起こります。痒みを伴わないものが多いのですが、知らない間に左右対称に脱毛が起こることがあります。日ごろの皮膚やコートの観察でいち早く病気に気づいてあげることが大切です。皮膚症状以外でも、例えば甲状腺機能低下では太ってきて、気温の変化にも弱くなります。副腎皮質機能亢進では、水をやたらと飲む、食欲旺盛になるなどの症状が出ます。

栄養バランスやストレス

 

栄養バランス
 
  • ビタミンやミネラルのバランスや過不足によっても皮膚病は起こります。亜鉛、ビタミンA,B,Hなどは欠乏症で皮膚炎を起こします。日ごろからバランスの取れた食事を心がけてあげてください。
  • 亜鉛の欠乏や吸収障害による皮膚炎は大型犬のパピーに多いと言われています。身体の発育に亜鉛の供給や吸収が追いつかないことが原因で、眼や口の周り、耳の内側のコートが乾燥して皮膚が角質化してきます。(亜鉛の投与で緩和します)
  • 青み魚に含まれるエイコサペンタエン酸やオメガ3&6脂肪酸などのγリノレン酸は適量摂取することでかゆみの原因となるプロスタグランジンやロイコトリエンの産生を抑制する作用があり、皮膚の炎症を抑える効果があります。

 

ストレス
 
  • ストレスによっても皮膚病になる子がいます。強いストレスは内分泌系にも異常を与えるとともに異常行動の原因にもなります。
  • お散歩に行く以外はかまってもらえなかったり、騒音がひどい環境にいたり、いつもと違う落ち着かない環境に長くいたり、そんなことからストレスが溜まると身体の同じ部位を舐め続けたり噛んだりするようになり、その部分が脱毛したり皮膚のただれから2次感染を起こしたりします。(舐性皮膚炎)

 

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book01.gif  痒い痒いが悪化する条件って何?
 

 

身体の温度が高くなる:痒みは私たち人間にとっても身体が温まるとひどくなりますね。

 

皮膚の乾燥:これも私たちの場合と同じです。ドライスキンになると痒くなりますよね。

 

空気の乾燥:冬に空気が乾燥すると皮膚の痒みは増しますね。

 

ではどうしたらいいの?というのも実は私たちのことを考えれば解決します。
 
身体の温度が高くなるのは気温や室温のせいですね。
快適な室温調整で適温に保ってあげてくださいね。
 
では皮膚の乾燥はどうでしょう?私たちは何をしますか?
まず石鹸をドライスキン用のものに変えますね。それからローションを塗ったり
キャリアオイルを塗ったりして皮膚を乾燥から守ります。
わんこも同じです。刺激の少ないシャンプーで清潔にし、
キャリアオイルでもティツリーオイルでもいいので、
10倍くらいに希釈してスプレーしてあげてくださいね。
ついでにマッサージもしてあげると皮膚の血行も良くなり、なおいいですね。
痒い肌は過度に乾燥させないこと、これ原則です。
(脂漏症湿疹の場合は例外です)
 
 空気の乾燥は加湿器などで防げますね。
私たちの皮膚も同様ですので、わんこもママも一緒に
トラブルのないしっとり健康お肌になってください。

 

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アレルギーですね・・・と言われてそのまま「アレルギーだから・・・」と納得するのではなく
その原因をきちんと把握しましょう。アレルギーだから治らないと諦める前に
原因となるものの徹底した排除、食事や栄養バランス、そんな家庭で出来ることで
少しでも症状を軽減できるように頑張りましょう。
 
そして少しでも「???」と思ったら獣医さんに行き、
その他の皮膚病がないか、感染症がないか調べてもらいましょう。
そして「アレルゲンを排除」「基礎的な体力と抵抗力をつける」「痒みを和らげる工夫」
これらを愛と根気で徹底してくださいね。

 

Sep.2002

 

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