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 9月 14, 2021  PawPawClub, PawPawお勉強室  * 食材について・選び方  * 食事の基礎知識 * 栄養素のこと

 完全栄養食品!卵のパワーとあげるポイント
 
暑かった夏が終わり秋に向かうこの時期、
みんな元気に過ごしていますか?
 
秋と言えば食欲の秋!!ですね~。
夏に弱った胃腸もゆっくりと元気を回復してくる季節。
そんな回復期に消化に優しく栄養満点な「卵」のお話です。
 
卵は手軽なタンパク源でアミノ酸スコア100点満点の「完全栄養食品」です。
卵の中には卵の状態からヒヨコになるために
「成長に必要なすべての栄養素が凝縮されています」
殻も良質なカルシウム源ですので「卵は丸ごとあげよう!!」
 
今回は、卵に含まれる豊富な栄養素を壊さず無駄なく摂れるあげ方と、
サルモネラ菌やビオチン問題などを含む考察です。
殻のあげ方や卵の選び方、最強の食べ合わせもご紹介!
 
シニアさんや病気で食欲の落ちている子にも
しっかり栄養素を摂って元気になるヒントになれますように!
 
 
 
 
  卵の素晴らしい栄養素たち
 
卵はタンパク質の構成要素である「アミノ酸」の完璧な供給源です。
 
食品に含まれるタンパク質の栄養価は
必須アミノ酸と呼ばれる9種類のアミノ酸の含有量によって決まります。
 
この含有量を摂取するために必要な量として比較して算出した値が
「アミノ酸スコア」で、不足しているアミノ酸があるとスコアが下がります。
卵のアミノ酸スコアは100点満点です。(これはお肉や牛乳と同じ)
 
アミノ酸スコアのことやわんにゃんの必須アミノ酸については
以下の「タンパク質とアミノ酸」をチェックしてね!
 
 
卵に含まれる栄養素は「ビタミンCと食物繊維以外の全て」で、
まさに理想的な「完全栄養食品」の王様です。
そして炭水化物の含有量がとても低いのも嬉しいです。
 
以下は卵に含まれる栄養素の含有量です。
卵1個50g(卵白30g、卵黄20g)を目安としています。
 
 
 タンパク質 : 卵白1個分(約30g)に3.0g、
卵黄1個分(約20g)に3.3g含まれます。
筋肉犬になるためにも卵は優秀食材と言えます。
 
また、卵に含まれるメチオニン、シスチン、グリシン、
グルタミンなどのアミノ酸には、肝機能を押し上げる作用があります。
 
 
 脂質 : 脂質は主に卵黄に含まれ、1個当たり約5.1gで、
そのほとんどが卵黄に含まれます。
 
卵黄に含まれるリン脂質の一種「コリン」は
細胞膜の主要細胞膜の主要な構成成分で必須栄養素の一つ
細胞膜や神経組織を構成するレシチンの材料です。
 
血管を拡張させて血圧を下げる神経伝達物質である
アセチルコリンとして機能したり、記憶力を高める効果、
肝機能を高めたり動脈硬化予防効果などがあるとされています。
 
卵は全食品の中で最もコリンの含有率が高く
食品の中でもっとも脳内に吸収されやすいと言われています。
 
卵黄のコリンをビタミンB12と組み合わせて摂取した実験結果では
認知症の改善に効果があったことが報告されています。
シニアさんには特にお勧めの食材と言えます。
 
 
 ビタミン : 卵黄には脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンE、
ビタミンD、ビタミンKや水溶性ビタミンのビタミンB1、
卵白にはビタミンB2が多く含まれます。
 
ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートしてくれますので
殻を一緒にあげた場合でも吸収率が良いということになります。
 
 
 ミネラル : 卵黄には鉄と亜鉛が多く含まれます。
鉄分は卵黄1個に約1.0mg含まれていて
貧血にも良い食材とも言えます。
 
* 卵などに含まれるヘム鉄は動物性食品に含まれている鉄分で
食べたそのままの形で吸収されるので
植物性食品に含まれる非ヘム鉄よりも吸収率が高いのです。
なので単体で鉄分を補給するなら「動物性食品」の方がお勧めです。
 
亜鉛はタンパク質の再合成やDNAの合成に必要な栄養素です。
また卵黄にはカルシウムも28mg含まれます。
 
卵白には細胞の浸透圧を調整してくれるカリウムが約42mg含まれますので
血圧の高い子や心臓病の子にも良い食材です。
 
 
 酵素 : 卵白にはリゾチームという殺菌効果の強い酵素が含まれます。
リゾチームは有害なウィルスを溶かす作用があり、
身体を守ってくれるので、風邪薬にも利用されています。
 
ただ、リゾチームは酵素なので、熱に弱い特性があるため
加熱した卵は殺菌作用が失われることから生卵よりも保存期間が短くなります。
  
 
 
 
  生卵とゆで卵・栄養価は変わるの?!
 
卵を生で食べる場合はその栄養価を余すことなく摂取できます。
つい取ってしまう「カラザ(殻座)」にはシアル酸、カルシウム、
リン、鉄といった栄養素が含まれます。
 
シアル酸って聞きなれない言葉ですが、酸性の糖の一種で
細胞間の情報伝達を行う働き、ウイルスや細菌感染の予防や
免疫力を高める効果があると言われています。
 
生卵の白身に含まれる糖タンパクのアビジンは
ビオチンを壊すからNGだという意見もありますが
生の白身「のみ」を「長期にわたって多量に」摂取しない限り
少々壊れても黄身にも充分なくらいのビオチンが含まれていますし、
白身と黄身を一緒に食べる分には全く問題ないというのが最近の意見です。
 
 
ゆで卵の場合は熱に弱いレシチンやビタミンB群などが減少します。
(レシチンとはリン脂質の一種で
逆にビオチン阻害因子のアビジンが加熱によって働かなくなるので
ビオチン量はごく微量ですが、増加します。)
 
また、卵はLサイズでお水から入れて9分でお湯から上げると
白身が半熟で黄身が溶け出す感じに仕上がります。
(卵の大きさによって湯で時間は調節してください)
口当たりも味もわんこにはたまらない美味しさです。(CoCoっち談)
 
ちなみにレバーにもビオチンは多く含まれていますので
うちではゆるゆる卵と一緒に時々は生のレバーもあげます。
 
 
 
 
  生卵のサルモネラ菌のリスク
 
卵を生で食べる場合、サルモネラ菌を心配する人がいます。
 
しかし、犬の消化液は非常に強力なため
生の食品に含まれるサルモネラ菌やその他の細菌を
その強力な消化液で死滅させることが可能です。
 
詳しくは「生食の検討」でも触れていますのでご参考になさってください。
(生肉の安全性の中の「生肉のバクテリア」の部分で触れています)
 
 
ただ、卵を選ぶときにはできるだけ安全性の高い卵を選んでください。
できれば有機の卵が理想です。
 
 
 
 
  卵の殻の色で栄養価は変わるの?
 
卵にはブラウン(赤玉)のものと白いもの(白玉)がありますね。
なんだか赤玉の方が栄養価が高そうなイメージがないですか?
こちらでもブラウンエッグはなんとなく栄養価が高そうなイメージです。
 
しかし、卵の「殻の色」は単に「羽の色の違い」で
栄養価に全く差はないと言われます。
 
茶色の羽のお母さん鶏から産まれた卵は茶色い卵(赤玉)
白い羽のお母さん鶏から産まれた卵は白い卵(白玉)になります。
理由としては、茶色のお母さん鶏は褐色の色素である
プロトポロフィリンを分泌するので、卵も褐色になるというわけです。
 
最近は「ケージフリー(放し飼い)」と書いてある卵がありますが、
これも放し飼いイコール外でのびのび育っているというイメージを持ちますが、
実際は暗い部屋の中に(ケージには入っていないけど)
閉じ込められているというのが現状です。
(養鶏農家に視察研修に行った友人談)
 
光の差す環境の中で産み落とされた卵で
その殻の色が褐色(赤玉)であった場合は、
光を浴びた量が殻の色の濃さに反映するそうです。
たくさん光を浴びたお母さん鶏からは薄い殻色の卵、
暗い場所にいたお母さん鶏からは暗い殻色の卵が産まれます。
 
また褐色のお母さん鶏が若い時は卵の殻の色も濃くツヤがあり、
褐色のお母さん鶏が歳をとってくると卵の殻の色は薄くなってゆくそうです。
 
しかし!白玉も赤玉も殻の色が薄いのも色が濃いのも
特殊な卵ではない一般の卵であれば
「栄養価には全く変わりない」そうです。(卵農家さんのお話)
 
それよりも最近はオーガニックエッグ(有機卵)や
オメガ3強化卵など、栄養価の高い卵が販売されていますので
選ぶならこういったものを選んであげてください。
 
ちなみに我が家では、
CoCoっち用の卵はオーガニックのオメガ3強化卵(赤玉)
ママ用は普通の卵(白玉)です。
(こういった栄養強化卵はほとんど赤玉なので
そんなところからも赤玉は栄養価が高そうなイメージが付きますね)
 
栄養価の違いは「黄身の色」に出ている「感じ」がしますが、
黄身の色の違いは、餌の「色」の違いであって、
必ずしも栄養価の違いではないそうです。
(赤ピーマンなどカロチノイドを混ぜた餌だと黄身が赤くなります)
 
 
 
 
  卵の殻は良質なカルシウム源です
 
卵の殻が良質なカルシウム源であるだけでなく、
殻膜にはコラーゲン、コンドロイチン、グルコサミン、
ヒアルロン酸が含まれます。
 
2016年に行われた研究では卵殻膜が
関節炎を持つ犬の症状改善に効果があったと報告されています。
 
ただ、一般にスーパーに並んでいる卵には
光沢を出すための化学薬品がスプレーされている場合があるため、
(これはアメリカだけかな?日本では大丈夫かな?)
卵の殻をあげる場合は信頼できる農家のものや
有機で安全なものであることを確認してください。
 
我が家の卵の殻ふりかけの作り方は
以下の「写真で見るCoCoっちご飯」の05/07/2010に載せています。
 
 
 
これは蛇足ですが・・・
 
殻膜にはコラーゲンやヒアルロン酸が含まれているので
我が家では、卵料理やお菓子に使った「生」の卵の殻膜は
水で洗い流しながら優しく剥がしてキッチンペーパーに乗せて乾かし
それをハーバルミストに漬け込んで使っています。
(漬け込んだものは「冷蔵庫保存」です)
 
voice5_MHM.gif
 
 
 
 
  卵の殻のあげ方
 
卵の殻はそのままでは吸収が悪いので
ちょっと「分解して吸収しやすくしてから」あげます。
 
卵の殻はそのままでは水に溶けない「炭酸カルシウム」です。
炭酸カルシウムをリンゴ酢などの「酢酸」と反応させると
水に溶ける形の「酢酸カルシウム」と「二酸化炭素」と「水」に分解されます。
 
化学式はこんな感じ↓
 
    CaCO3    +      2CH₃COOH  →  (CH₃COO)₂Ca  +  CO₂  +  H₂O
卵の殻(炭酸カルシウム)   酢酸(食酢の成分)   酢酸カルシウム    二酸化炭素   水 
(水に溶けない)                      (水に溶ける)                
 
 
 
 
 卵の殻のぶくぶく分解方法動画です
 
 
 
  大きく見たい方は ↓ をクリックしてね!
 
 
我が家ではこんな感じで卵ご飯を作っています。
お野菜や果物などの付け合わせ(?)もその時その時で違い、
内臓肉やサーディンなども加えます。
 
卵の栄養価は「ビタミンCと食物繊維以外は全て含まれる」ので
ビタミンCと食物繊維を加えてあげることで
「100%完璧な完全栄養食」になります。
 
 
=== 今日のCoCoっちのゆるゆる卵ご飯 ===
 
ゆるゆる半熟卵(殻は細かく刻んで)・リンゴ酢・ポークレバー(生)・
チキンの心臓(生)・ビーフの心臓(生)・セロリの葉っぱ・トマト・
お野菜と果物のピューレ(ケール・ビーツ・リンゴ・ニンジン・ダンディライオン・
ブルーベリー・イタリアンパセリ・カラードグリーン)
ローズマリー・ガーリックの蜂蜜漬け・
ターメリック(ココナツオイルと黒コショウを加えたもの)・
サプリメントと心臓のお薬とクリルオイルとブラックシードオイル
 
みんなも美味しい卵ちゃんご飯で元気モリモリに過ごしてね~!
 
line-03.gif
 
 
 
PawPawClubとしての動画はまだ少ないですが、
わんこと一緒に暮らす楽しさ、手作り食の作り方、
毎日のごはんなどなど、少しずつ動画を増やしてゆく予定です。
 
 
 
 
暑かった夏が終わってホッと一息。
これからは気温が下がるにつれて空気が澄み、
空が高くなって秋の雲に変わってゆく季節ですね。
 
マイアミはまだまだ暑いのですが、
先日すっかり日が落ちた夕暮れにCoCoっちとお散歩していたら
優しい虫の鳴き声が・・・
常夏のマイアミで、ふと秋を感じる時間でした。
 
みんなのお散歩道でも秋の虫たちは鳴き始めていますか?
日本ではお散歩道にもうすぐコスモスが咲く季節ですね。
みんな元気いっぱいに、食欲や行楽の秋をうんと楽しんでね!
 
5エレメントでは09/22から「秋」に入ります。
09/23は日本の暦の上では秋分の日ですが、
時差の関係でアメリカでは09/22からが秋の始まり、
カレンダーにはAutumn Beginsと書かれています。
(ちなみに日本の春分の日はこちらでは春の始まりの日です)
 
5エレメントの秋は、09/22-12/07で、
この間は肺と大腸にエネルギーが集まります。
 
現在の09/15から09/21は季節の変わり目で
胃と脾臓にエネルギーが集まります。
この時期に胃と脾臓をしっかりケアしてあげることで
肺と大腸に良いエネルギーを送ってあげることができます。
 
今回は卵ご飯を取り上げましたが、
ゆるゆる卵ご飯も胃に優しいごはんです。
この時期は消化の悪いものを避けたり、おやつをちょっと控えたりして
胃をちゃんと休めてあげてくださいね。
 
これから向かう食欲の秋に向かって、
今から体調を整えて楽しく秋を迎えましょうね!
 
Sep.2021
 
 
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