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 11月 12, 2020  PawPawClub, PawPawお勉強室   * 病気と家庭でできること * 元気に過ごすヒント * ハッピーシニアになろう

 

 え?!うそ!!なにこれ~っ!!!

 
・・・これは11/02の夜、私がCoCoっちの首(顎の下あたり)に
「一部が黒色をしたしこり」を発見した時の最初に出た言葉です。
見たとたんにパニックになって、この言葉を繰り返していました。
 
一部の表面が黒いことから、私の脳が「悪性黒色腫・メラノーマ」と
瞬時に結びつけたことで、パニック状態になりました。
 
いつから?なぜ?どうして?嘘でしょ?
なぜ今まで気が付かなかったの?やだやだやだ!!
・・・そんな言葉しか出てきません・・・完全パニック!・・・
 
翌日すぐに、ホームドクターに連絡。
「3週間先まで予約はいっぱいです」の返答に
「1日遅れたら転移するかも!リンパ管の近くだし!!」と泣く思いでした。
 
「悪性黒色腫かもしれません。首なのですぐにアポを!!」と必死で訴え、
メールで写真を送って、なんとか3日後の朝一番にアポをもらうことができました。
 
受診日までの日々、胸はドキドキ、怖くてその部分を触ることもできません。
下手に触って拡がったら怖い、刺激にならないようにブラッシングもその場所を避けて
そぉ~っと、そぉ~~っと。まさに腫れ物に触れるという感覚。
 
いつもどおりに元気で遊ぶCoCoっちを見ても胸がはちきれそうで
「こんなに元気なのに・・・」と涙が出てくるし、
なにがいけなかったのだろう?と頭の中はぐるぐるするし、
落ち着かない中、万が一抗ガン治療とかになったらと
腫瘍外科医を調べたり・・・とにかく悪夢のような2日を過ごしました。
 
受診日、コロナ禍のためにナースが車まで迎えに、ママは一緒に中に入れません。
まずは針生検で確認するとのこと。
 
「悪性ならもちろん、良性であっても今後どんな変化をするかわからない可能性が
たとえ1%でもあるのなら、完全に取り去ってほしい」と希望を伝えました。
なにしろリンパ管のすぐ近く、もしも悪性ならリンパの流れに乗って転移も早い場所。
どんなリスクも残したくありません。
 
そして、口腔内などにもできていないか
唇の黒いぶよぶよした部分は素人ではわからないので
そのあたりも含めて全身をチェックして欲しいとお願いしました。
 
不安な気持ちのまま、車の中で待機・・・
大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・
この言葉をいったいどれだけ自分に言い聞かせたことか。
 
ナースが見積もりと説明にやってきて
「局所麻酔でできるので、必要な場合は取ってしまいます」とのこと。
心臓病があるので、もしも興奮したり、過度に怖がったりする場合は
心臓保護のために安定剤を使うけど、
あくまで局所麻酔で簡単にできる・・・と、いうことを説明されました。
 
まさかその日に切除できるなんて思っていなかったのでビックリ!
取ってもらうことを再度お願いしました。
 
血液検査も今年はやっていなかったので、同時にお願いしました。
万が一、悪性だった場合、血液像に炎症反応が出ると思ったのと
心臓のお薬が増えたことによる腎機能が心配だったからです。
 
不安な中、「どうかどうか悪性ではありませんように!!」
頭も心もその思いだけで他の事は一切考えられません。
 
しばらくしてドクターが説明に出てきて、開口一番
「メラノーマじゃないよ!念のためにラボには出すけど僕はそう思わない。」
 
この言葉を聞いた瞬間に倒れそうになるほど全身の力が抜けてゆきました。
全身緊張感で溢れていた分、倒れそうになりました。
 
そして口腔内も前歯にちょっと歯石が付きかかっている以外は全く問題なし。
全身問題ないと思うよ、と。
先端の黒い部分は血の固まったもののようだとのこと。
 
もう、泣きそうになりました。
良かった!良かった!良かった!!
神様、ありがとうございます!!
 
年齢から今後万が一でも悪いものに変化してもいけないので
その心配を残さないように根こそぎ取ったよ!とのこと。
 
直径7ミリ、盛り上がりが5ミリくらいのもの、
CoCoっちは安定剤も使わずに、局所麻酔で乗り切ったのでした。
 
ちょっとした毛玉でも悲鳴をあげるほど痛みに弱い子なのに
ママがいないところでは案外強いのかも・・・。
 
数針縫いましたが、抗生物質も出さないホリスティック獣医さんなので
自然治癒ですが、処置から1週間、昨日無事に抜糸も終了しました。
今日はもう赤みも引いて完治。
CoCoっちの回復力のすごさに感謝です。
 
CoCoっちは生まれてこの方、抗生物質って飲んだことがないのです。
心臓のお薬が始まるまでは、フィラリア予防薬以外のお薬を飲んだことがありません。
自分で治す力、自然治癒力は11歳半になっても衰えていません。
 
今回のお勉強室はお勉強というよりも
「とにかく全身くまなく触ってチェックが大事」
この一言に尽きるのですが、気が付いたちょっとしたことと
受診までに不安に負けそうになる中、悶々と調べたことを一緒に載せておきますね。
 
 
 
 
 まずはCoCoっちのできもの経過
 
11/02/20 夜、顎の下に先っぽが黒いしこりを発見!え?黒い腫瘍?!え?メラノーマ?!・・・凍り付きました。 11/03/20 すぐに獣医さんに写真を送ってアポ取り。見れば見るほど恐怖と不安でいっぱいになりました。 11/06/20 局所麻酔で切除。良性だとの診断だけど、念のため細胞はラボに送って検査。
11/07/20 傷跡の経過を獣医さんに報告。赤みがやや引いている。

11/08/20 腫れも赤みもなし。獣医さんから連日フォローアップメールが来るので、写真を送って経過報告。

血液検査の報告あり。ALTが正常値よりも16程度高いけど心配する値ではないとのこと。念のためにミルクシッスルを開始。

*CoCoっちの血液検査結果

11/14/20 抜糸後1日。やや赤みがあるだけで傷の痕跡なし。ラボからのレポートはまだなし。
 
 
 そしてマガジン発行翌日!
 

11/15/20 傷痕ももう消えてしまうほど回復!午後に獣医さんからラボの結果メールが届いた。結果は良性の皮脂腺腫(Sebaceous adenoma)!一安心!

*CoCoっちのラボの結果

11/15/20 獣医さんに送る傷の経過の写真を撮っていたら、傷口の上、顎の下に小さなプッチン(2mmx2mm)を発見。脂肪の塊みたいなので心配ないと思うけどメールで報告。身体を触りまくり他にないか確認。ここだけみたいでホッ。 11/15/20 ママの心配をよそに元気いっぱいのCoCoっち。昨日はお勉強室作りやマガジン発行でバタバタしてて遊んであげられなかったので今日はいっぱい遊んであげました。良い結果が嬉しくていっぱいハグハグ!

 
 
 
 
  盲点があるよ!本当に全身くまなく触ってね!
 
今回のことで気が付いたのは「ブラッシングの盲点」です。
CoCoっちはロン毛なので毎日のブラッシングでは
全身くまなくブラッシングした後、更に全身をコーミングします。
 
その時に細かい毛玉や腫れがあればコームに伝わります。
首からシッポまで抱っこした状態でブラッシングとコーミングをした後
へそ天にひっくり返して首からお腹、手足の付け根、脇などを
くまなくチェックしながらブラッシングとコーミングをします。
 
その後、お顔のチェックとお耳のチェック、
トップノットのブラッシングとコーミング後、ラッピングペーパーの交換。
その後、へそ天のまま、歯磨きをします。
歯の表面はデンタトリートを付けたブラシで磨いて、
イヤイヤをする内側はガーゼにデンタトリートを付けて磨いています。
 
なので、全身くまなくチェックできていると信じていたのです。
なのに、なのに、なのに!!
顎の下(首の上の部分)、盲点でした!!
 
え?毎日「う~ちゃんしてね」って首を伸ばしてチェックしていたのに
なぜ?なぜ?まさか1日で出現した???と疑ったくらいの
まさに青天の霹靂!!
見つけたとたんに凍り付きました。
 
どんなに触っても触りすぎることはありません。
いっぱい「くまなく」触ってチェックしてください。
 
ブラッシングやコーミングというのは本当に盲点があります。
実際、片手でブラッシングしながら片手で触っているつもりでも
指先で皮膚の表面を「しっかり触って確かめる」ということが抜けやすい。
 
皮膚を直接触っているつもりでもコートの上から触っている状態になりやすいのです。
 
とにかく「皮膚を直接触る」
このポイント、頭でしっかりわかっていても、
毎日のルーテイン的にブラッシングしていると意外に盲点だったりします。
 
とにかく「皮膚をしっかり触って確かめる」これに尽きます。
早期発見、早期治療!全ての基本です。
 
 
 
 
  シニアさんになるとイボってできやすくなるよね
 
シニアになると人間でもそうですが、代謝が変化するにしたがって
いろいろなものが体表にできやすくなります。
たとえ小さなものであってもきちんと診断してもらって
将来的に悪いものに移行しないかを確認してください。
 
以下は受診を待っていた2日間で調べた「いろいろなしこり」です。
 
(ここでは「皮膚」にできるものを取り上げましたので、
乳腺などにできる乳腺腫瘍は含みません)
 
 * しこりとは、は「イボ」や「できもの」のことで、「腫瘍」のことです。
 
 
 
 
  イボ (Papilloma) 
 
乳頭腫 (Papilloma) と言われるもので
パピロウィルスによる感染が原因と言われます。
ウィルスが原因でないものは
扁平上皮乳頭腫(Squamous papilloma)と呼ばれます。
 
良性の腫瘍でシニアさんの皮膚表面にできやすいもので、
最も発見しやすいものです。
痛みはなく、皮膚表面に盛り上がったようにできる「イボ」です。
 
皮膚や粘膜が盛り上がって発生する上皮性の良性腫瘍で
皮膚表面だけでなく、口腔粘膜や消化管にもできます。
 
口腔内粘膜にできるものは悪性化する可能性が皆無ではないので
定期的なチェックが必要と言われます。
 
 
 
 
  皮脂嚢胞 (Sebaceous Cyst) 
 
シニアさんにできやすい良性のできものです。
皮下に嚢胞と呼ばれる袋状のものができて
その中にに皮脂や角質などが溜まったもので、
時間とともに大きくなってゆきます。
 
以前、チュ~ちゃんに小さなしこりができたときに
獣医さんで針生検をしてもらったのですが、
針を刺すと中からそれらの老廃物が出てきました。
(針を刺さなくてもしぼっただけで老廃物が出てくる場合もあります)
 
チュ~ちゃんの場合は中身を吸い取って完治しましたが、
嚢胞全体を取り切らないと再発するケースも多いようです。
 
 
 
 
   脂肪腫 (Lipoma)
 
脂肪腫は皮下にできる良性の腫瘍の中で最もよく見られるもので、
いわゆる「脂肪の塊」で、脂肪の多い部分にできやすいといわれます。
これもシニアさんに多いできものです。
 
浅いところ(皮下組織)にできるものと、
筋膜下、筋肉内、筋肉間などの深い組織にできるものがあります。
通常はゆっくりと大きくなってゆき、健康状態に影響はないのですが、
筋肉間にできると、場所によっては歩行障害などが起こったりします。
 
脂肪腫と脂肪肉腫とは違います。
脂肪腫(Lipoma)は良性腫瘍、脂肪肉腫(Liposercoma)は悪性腫瘍です。
 
 
 
 
 腺腫 (Adenoma)
 
腺腫とは腺上皮細胞が腫瘍化した良性腫瘍です。
 
皮脂腺にでき、カリフラワーのような皮脂腺腫瘍は良性ですが、
まれに皮脂腺癌という悪性腫瘍もあります。
 
シニアさんのまぶたにできるマイボーム腺腫(Mybomime adenoma)は、
良性腫瘍ですが、お目目を刺激するので
涙や目ヤニが多いなという時はチェックしてくださいね。
 
シニアさんにできやすい肛門周囲腺腫(Perianal adenoma)は
肛門の周りにある分泌腺の腫瘍です。
肛門の周りだけでなく下半身全体どこにでもできます。
 
肛門周囲腺腫は良性ですが、
悪性の肛門周囲腺癌(Perianal adenocarcinoma)や
肛門嚢アポクリン腺癌もあります。
 
 
 
 
 組織腺腫 (Histoma)
 
比較的若い子にできやすい組織腺腫は良性の腫瘍です。
 
顔、耳、頭、足などにできて急に大きくなりますが
自然消失する良性腫瘍です。
 
 
 
 
 基底細胞腫瘍 (Basal Cell Tumor)
 
表皮の下、基底部に出来る腫瘍で、これにシニアさんに多い腫瘍です。
頭や顔、首に好発する腫瘍で、その多くは良性ですが、
まれに悪性のものもあります。
 
顔、耳、頭、足などにできて急に大きくなりますが
自然消失する良性腫瘍です。
 
 
 
 
 肥満細胞腫 (Mast Cell Tumor)
 
肥満細胞腫は肥満細胞という細胞が悪性化して増殖する病気で
身体のどこにでもできる悪性腫瘍です。
 
肥満細胞は身体に異物が入ったときにヒスタミンという物質を放出します。
このヒスタミンが周囲に炎症を引き起こしたり、
全身に回って消化器潰瘍を引き起こしたりします。
(ヒスタミンはアレルギーのかゆいかゆいを引き起こす物質でもあります)
 
 
 
 
 悪性黒色腫 メラノーマ (Malignant Melanoma)
 
口腔内、唇、眼瞼、指などにできやすい悪性度の高い癌です。
口腔内にできるものが多いのですが、身体の皮膚にもできます。
悪性度が高く、血液やリンパ管を通して全身に転移しやすい癌です。
 
CoCoっちにできたできものは先端が黒かったので、
まずこのメラノーマを疑い、ママは凍り付いたのでした。
 
ただ、口腔内や肉球など毛が生えていない場所にできるものは悪性、
毛の生えている部位にできるメラノーマは良性のものも多いと言われます。
 
 
 
 
  早期発見!早期対処!それが全てです。
 
とにかくこれに尽きます!
早期発見、早期対処!
見つけたら1日でも早く受診してください。
 
CoCoっちの場合は「念のために取ろう」と、局所麻酔で取りました。
このように、「小さなものであれば局所麻酔で取れます」ので
心臓病など、他の病気があっても
「小さなもののうちであれば」大丈夫!!
 
とにかく小さなものにうちに!
様子を見ましょう!ではなく、早いうちに生検をしてもらって
(または取り去ってもらって)安心してください。
 
 
 
 
 
秋深し隣はなにをする人ぞ・・・
11月ももう半分過ぎて、今年もあと残り1月半。
みんな元気に過ごしていますか?
 
この季節になるとリゾート地のマイアミでも秋の気配が漂います。
公園には松林もあるので、松ぼっくりが落ちていたり、
松の落ち葉がいっぱいコートに絡みつく季節。
少しずつ空気も乾燥してくる季節です。
 
もうすぐサンクスギビングが来て、
それが終われば街はクリスマス一色になります。 
コロナで自粛しているうちに季節は移り替わったんだなって感じです。
 
街がクリスマスのイルミネーションでキラキラと輝きだすこの季節。
心がほんわりと暖かくなる灯りにしみじみと幸せを感じる季節ですね。
 
CoCoっちの毎日のお散歩道の街路樹(パームツリーですが)にも
キラキラのライトが巻かれ、幸せな気持ちにさせてくれます。
そんな中、「幸せだね~!」って見上げるCoCoっちと一緒にニコニコ歩きます。
もうすぐクリスマスツリーも飾られ、幸せ感はもっと高まってゆきます。
 
みんなにとって今年はどんな年でしたか?
 
新型コロナで生活が一変してしまった2020年ですが、
そんな中でもみんなが元気で幸せでありますように・・・
今年もそう願いながらCoCoっちと一緒に教会のお庭で祈りを捧げます。
 
Nov.2020
 
 
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