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りんご酢は過去のお勉強室の記事の中でもあちらこちらに登場するのですが
今回、その万能さをまとめておこうと思いました。
うちのCocoっちの食事にもずっとパピーの頃から加えているものですが
食材としての効能に加え、皮膚への効能もありますし、
重曹と混ぜればお粗相の後始末にも使えます。
(リンゴ酢をお掃除に使うのはもったいないのでお掃除用は安い「酢」がお勧め)
どんな使い方でどんな効果がある?といったことを
パパっとまとめていますのでぜひご参考になさって下さいね。
これから暖かくなって皮膚症状の出やすい子にも朗報あり!ですよ!
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りんご酢は消化吸収の問題を整えたり、痒い痒いを和らげたり
オールマイティに使える万能選手です。
ただ、どんなりんご酢でも良いというわけではありませんので
まずは「選ぶポイント」に触れておきます。
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「効果のある」りんご酢を選ぶためのポイントとして「生」であること。
低温殺菌されていない「生」のリンゴ酢には「酵素」が生きています。
殺菌されろ過されたものはリンゴ酢の死骸と言っても過言ではありません。
では、どうやって「生で低温殺菌されていないもの」を見分けるか?
それは「澱(オリ)」です。
澱が沈殿していて、瓶を振ると濁るものが「生」です。
底に溜まったリンゴのカスのような澱(オリ)は
酢として発酵させるために有益な「生きたバクテリアと酵素」です。
こちらではそれらをリンゴ酢の「Mother」と呼ばれて瓶にも表記されています。
この澱(オリ)がなく透き通ったものは「ろ過」されてしまっているのと
低温殺菌されたものの可能性が高いです。
「有益なリンゴ酢は澱が底に溜まっていて
振れば濁るもの」と覚えておいてください。
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リンゴは害虫などを防ぐために、その農薬散布量がとても多いフルーツです。
なので、過度な農薬や有毒化学物質を避けるために
有機栽培(オーガニック)のものを選ぶようにしてください。
簡単に言えば「有機栽培のマークがあって濁っているもの!」を選んでください。
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リンゴ酢を食事に加えてあげることで以下のような健康上の効果が期待できます。
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リンゴ酢に含まれる酢酸は脂質レベルを下げ、高血圧のリスクを軽減します。
このことは、心血管系の保護に有益と言えます。
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リンゴ酢を8-12週間摂取した研究結果では、血糖値が低下する傾向が報告されています。
含まれる酢酸には、血糖値を下げて満腹感を高める効果があることが分かっています。
(糖質の吸収を抑えてくれるので、結果として血糖値は下がります。)
このことはリンゴ酢を摂取することは糖尿病予防効果があると言えます。
また、すでに糖尿病の場合でも、インシュリン消費量の減少が報告されています。
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リンゴ酢には殺菌効果があり、尿路感染症の炎症を抑え込む働きがあります。
こちらでは犬の膀胱炎の場合にリンゴ酢をお水に入れて飲ませる事を勧める文献も多くあります。
リンゴ酢を少量、直接フードにかけるか、または飲み水に加えますが、
もしも匂いを嫌がるようでしたら、カプセルに包んで直接与えてください。
与える目安は体重4.5キロ当たり小さじ1杯を1日1回です。
これはすべての腎臓疾患(結石を含む)に効果があるそうです。
尿路感染症については「わんこと結石」も読んでみてね。
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リンゴ酢には殺菌効果があり、特に、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの有毒な細菌や
カンジダなどの酵母の増殖を抑え込むのに役立ちます。
このことは尿路感染症だけでなく、幅広い意味での感染症対策に役立つという事です。
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肥満のひとつの原因として、脂質の過剰摂取があります。
過剰摂取された脂肪はエネルギーとして利用されずに内臓脂肪となって体内に貯蔵されます。
リンゴ酢に含まれる酢酸には脂質の利用・分解を促進する作用があるので、
肥満を予防する効果があると考えられます。
また肥満はフリーラジカルのバランスの崩れを引き起こし
それが肥満による合併症の原因となると言われています。
リンゴ酢にはこの肥満によって引き起こされる酸化ストレスを軽減する作用があり
このことは、肥満による合併症の予防に繋がります。
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最近の研究では(ヒトにおいて)フェノール化合物を含む食品に
アルツハイマー病のリスクを下げる働きがあると報告されています。
このことはわんこに対しても同じで、シニア犬の認知障害(CCD)の予防に役立ちます。
(ccdとはCognitive Communication Disordersの略で直訳だと認知コミュニケーション障害)
リンゴ酢にはガリック酸(没食子酸。芳香族カルボン酸。別名3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸。)
カテキン・コーヒー酸・エピカテキン・クロロゲン酸・P-クマル酸などの
フェノール化合物を含みます。
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腸内環境はわんこの免疫システムの90%を司る非常に重要なポイントです。
プロバイオティクスは、犬の腸の健康をサポートする善玉菌です。
そして、プレバイオティクスは、それらの善玉菌に栄養を与えて、善玉菌の機能を高めます。
生のリンゴ酢が持つ発酵機能は有用なプレバイオテックスとしての働きになり
腸内の善玉菌を活性化させ、消化を助け、きれいで健康な腸内環境を保つサポーターとなります。
消化と吸収の大切さとプロバイオティクスとプレパイオテックスについては
「とっても大事!消化と吸収」や「プロバイオテックス」も併せてチェックしてね!
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まず注意点として「原液は絶対にあげないで下さい」
飲み水に加えるかお食事に混ぜる形で以下の量を目安にあげてくださいね。
体重ごとのリンゴ酢の量 |
|
体重6.8キロの子まで |
小さじ1 |
6.8キロから15.8キロの子まで |
小さじ2 |
15.8キロから38キロの子まで |
大さじ1 |
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リンゴ酢にはカリウムが含まれています。
腎臓病でカリウム制限をしている子にはこのカリウムの量に気を付ける必要があります。
リンゴ酢100mlに含まれるカリウムの量は59mgですから
小さじ1杯(5ml)であれば含まれるカリウムの量は2.95mg
毎日少量ずつという正しい取り方をしていれば過剰摂取にはなりません。
リンゴ酢には食物繊維のペクチンも含まれていますので
お腹をこわしやすい子には様子を見ながら少しずつから始めてみて
下痢を引き起こすようであれば中止してください。
胃腸障害のある子にも同様です。
胃潰瘍や逆流性食道炎を悪化させてしまう場合もあります。
どんな場合も過剰摂取はNGです。
なにかに混ぜて少量ずつを毎日続けるのがベストです。
他の特記事項としては歯のエナメル質を溶かしてしまったり、
処方薬の効き目を増幅させてしまうといった副作用の可能性もあるようです。
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リンゴ酢にはアルコールと同じように成分を溶かしだす作用がありますので、
ハーブなどの植物成分を溶かしだし、医療部門でも多く活用されています。
尿路感染、尿路結石に効果のあるハーブをリンゴ酢に数週間漬け込んで、
有効成分を充分に溶かし出して一緒にあげると相乗効果があります。
また、卵の殻(炭酸カルシウム)を炭酸とカルシウムに分けてくれるので
卵の殻から消化しやすいピュアなカルシウムを分離するのにも使えます。
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リンゴ酢はイースト菌やポイズンアイビーによる痒みや湿疹を和らげる効果があります。
お水とリンゴ酢を半々に混ぜたものを痒い所に直接スプレーしてみてください。
この時に充分に注意しなくてはいけないことは
「開放性の傷がないこと」
搔き傷などがあるとリンゴ酢はすごくしみますので注意!
開放性の傷があったり塗布できない状態でイースト菌の感染がある場合は
痒みに直接ではなく、飲み水に混ぜて経口的に摂取します。
イースト菌は酸性環境では活力を失いますので
小さじ1/4-1/2のリンゴ酢を1日2回与えることが推奨されています。
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上記のお水とリンゴ酢を半々に混ぜたものはノミ避けに使ったり
お耳掃除に使ったりもできます。
・・・が、私は酢の匂いが食べ物以外の場所で匂うのはあまり好きではないので
我が家で試したことはありません。
うちではやっぱりハーブのいい香りが好き。
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リンゴ酢とお水を半々に混ぜる方法以外に
リンゴ酢とお茶のボディリンスもお勧めです。
このボディリンスは皮膚のpHバランスを修復し、痒みを和らげ、
Feb.2023
発疹や腫れを鎮めるのに役立ちます。
また、ハエ、蚋(ぶよ)、ノミ除けにも効果があるそうです。
・・・リンゴ酢と緑茶のボディリンスの割合・・・
リンゴ酢1/2カップ・緑茶(冷やしたもの)1/2カップ・蒸留水 1カップ
ガラス瓶に入れて冷蔵庫で保存し、1-2週間は保存できます。
使用する時は常温に戻し、シャンプーの後で皮膚に塗ってマッサージし
よくすすいでから乾かします。
この方法だと「よくすすぐ」のでお酢の香りが残ることはないと思います。
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暦の上では立春が過ぎたとはいえ、まだまだ寒い日が続いていますね。
それでもたまにぽかぽかと暖かい日があったりして
ゆっくりと春に向かっていることをほんわりと感じる季節でしょうか。
寒い北風が吹いても土の下ではたくさんの新しい命が
少しずつ膨らんで春を待っています。
お散歩道で小さな春の息吹を感じてた子もいるかな?
マイアミも急に寒くなる日があったり、
暖かいと思ってお散歩に出ると意外に風が冷たかったり。
それでも日中はもうすっかり初夏の日差しだったりします。
寒かったり暖かかったりしながら少しずつ春に向かうこの季節、
気温の変化でちょっと落ち着かない季節ですが、
みんな体調を整えて、元気元気に過ごしていてね。
可愛いお花たちが咲き乱れるぽかぽかな春はもうすぐそこ!
わくわくしながら毎日ハッピーに待ちましょうね~!
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