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消化と吸収って全ての基本
蒸し暑い季節になると、わんこたちも私たちと同じように食欲が落ちてきたり、 ウンチくんが元気でなくなったりと、胃腸の調子にまず影響してくる子が多いですね。 ちょうど胃腸が弱ったり食欲がなくなったりする時期ですので、今月は「消化について」考えてみますね。 消化吸収機能がしっかりできないと、腸には老廃物が溜まり、それが悪玉菌の餌になって醗酵し、 有害物質となって再吸収されて血中に取り込まれることで(血液が汚れる状態)肝臓に運ばれ 肝臓での解毒が追い付かない状態になると、それが血中に残ってしまい、 この毒素が痒い痒いや涙やけやただれや脱毛や免疫低下などのいろいろな症状を起こします。 気温や湿度が上がってくると、皮膚症状も悪化する子が増えますが、 それも「消化&吸収」に深く関係しているのです。 テーマとしては、あまりにもベーシックですが、こうして見直してみると改めて気づくことも多いです。 暑い季節に向かう準備として、今からしっかり消化系を強化して免疫力アップ!! 「食欲モリモリ、ウンチも健康!夏バテしないわんこになるぞ!」 を目指しましょうね。
お口から入った食べ物は唾液と混じって食道を通り、まず胃に運ばれます。 胃で分解された食べ物は十二指腸を通って小腸に運ばれ、小腸で栄養分を吸収されます。 栄養分を吸収された残りのものは大腸に運ばれてウンチっちになります。
「ウンチくん元気かな?」でも消化について触れていますので、併せて読んでね。
以下に、消化器系臓器の働きをわかりやすくまとめてみました。
消化器官
消化に関わる酵素と働き
口 - 食べ物を噛み砕きながら唾液と混ぜ、アミラーゼ(炭水化物分解酵素)の働きで炭水化物(でんぷん)をブドウ糖に分解します。
- 炭水化物はたくさんのブドウ糖が仲良く手をつないだ状態のもの、それを2個ずつ手をつないだ状態のマルトース(麦芽糖=二糖類)の状態まで分解します。
- 犬の場合は唾液腺にアミラーゼ活性がないことが論文で発表されています。このことはつまり、犬の唾液には炭水化物を消化するためのアミラーゼがほとんど含まれないということです。
胃 - 胃液に含まれるペプシンはタンパク質を小さな分子のポリペプチドやアミノ酸に分解します。(タンパク質は、20種類のアミノ酸がペプチド結合と呼ばれる結合で手をつないでいる状態です。ポリペプチドに分解されてからさらにアミノ酸に分解されます)
- リパーゼ は脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解します。
- さらに胃酸(塩酸)で、それらをどろどろに溶かします。
肝臓 - 脂肪を乳化させてリパーゼと反応させやすくする役目の胆汁酸を含む胆汁を生産して胆嚢に貯めておきます。
- 小腸で吸収されて血液中に取り込まれた栄養素は肝臓に運ばれ、そこで毒素を解毒します。肝臓が元気であれば、肝臓を通った段階で血液は浄化されてから体中に回ります。
胆嚢 - 肝臓で作られた胆汁を貯めておいて食物が十二指腸を通る時に排泄し、消化を助けます。
- 胆汁に含まれる胆汁酸は脂肪を乳化し細かい分子にして、脂肪分解酵素のリパーゼと反応させやすくする界面活性剤のような役割をします。
膵臓 - 膵液は三大栄養素の全てを分解することができます。
- アミラーゼ(炭水化物分解酵素)の働きで炭水化物(でんぷん)をブドウ糖に分解します。
- 犬の場合、唾液にアミラーゼ活性がない分、炭水化物の消化は膵臓から出るアミラーゼに頼る状態ですので、炭水化物中心の食事だと消化酵素が足りない分だけ消化器官に負担がかかります。それを補うために、炭水化物を与えるときはアミラーゼを含む消化酵素を一緒にあげることをすすめる文献もあります。
- タンパク質分解酵素のトリプシン・キモトリプシン・エラスターゼで、タンパク質を小さな分子のポリペプチドやアミノ酸に、カルボキシペプチターゼの働きでポリペプチドをアミノ酸にまで分解します。
- マルターゼで麦芽糖を吸収される形のグルコース(ブドウ糖=単糖類)にまで分解します。
- ヌクレアーゼで核酸をヌクレオチドに分解します。
- 胆汁で乳化された脂肪をリパーゼ(ステアプシン)でグリセリンと脂肪酸に分解します。
十二指腸 - 胃からの食物が通る時に胆汁を排泄して消化を助けます。
- 胆汁に含まれる胆汁酸は脂肪を乳化し細かい分子にして、脂肪分解酵素のリパーゼと反応させやすくする界面活性剤の役割をします。
小腸 - 小腸の空腸で分泌されるアルカリ性の液を腸液と呼びます。これは三大栄養素の全ての分解機能を持ち、吸収できる形にするための消化の最終チェックをする液です。
- 栄養素を細かい分子にまで分解して絨毛から吸収します。
- タンパク質分解酵素のアミノペプチターゼの働きでタンパク質が分解された形のポリペプチドをアミノ酸にまで分解します。
- 麦芽糖をマルターゼによってグルコース(ブドウ糖=単糖類)にまで分解します。
- ラクトース(乳糖)をラクターゼによってガラクトースとグルコースにまで分解します。
- 蔗糖をスクラーゼによってブドウ糖と果糖にまで分解します。
- エレプシンでタンパク質を最終的にアミノ酸にまで分解します。
大腸 - 小腸で栄養分を吸収されたあとの食べ物の廃棄物から水分と電解質を吸収する働きがあります。
- 腸内細菌の働きで食物繊維に毒素や悪玉菌などを吸収させてウンチとして体外に運び出します。
3大栄養素の分解過程 上の表を栄養素ごとにまとめるとこんな感じです。(最終的に小腸で吸収される過程まで) この色の字は消化酵素です。
タンパク質 - タンパク質 + ペプシン(胃液) → ペプトン(やや小さな分子) + トリプシン・キモトリプシン・エラスターゼ(膵液) → ポリペプチドやアミノ酸
- ポリペプチド + カルボキシペプチターゼ(膵液) → アミノ酸
- ポリペプチド + アミノペプチターゼ(腸液) → アミノ酸
炭水化物 - デンプン+アミラーゼ(唾液・膵液) → マルトース(麦芽糖) + マルターゼ(腸液) → グルコース(ブドウ糖)
- ラクトース(乳糖) + ラクターゼ(腸液) → グルコースとガラクトース
脂肪 - 脂肪 + リパーゼ(胃液・膵液) → グリセリンと脂肪酸
これらの過程がうまくいかないと・・・ タンパク質の過剰摂取や消化酵素の不足で消化管の機能が追い付かない場合、 本来ならアミノ酸まで分解されて小腸から吸収されるべきポリペプチドが、 ポリペプチドのままで残ってしまい、そのまま小腸に運ばれることがあります。 小腸の働きが活発であればそこで分解されて吸収されますが、 そうでない場合はポリペプチドのまま吸収されないで残ってしまい、体内を循環し、 余分な脂肪と一緒に皮脂腺から外に排泄されます。 これがかゆみの原因となるのです。 また、未消化のまま大腸に運ばれたタンパク質は悪玉菌の餌となり、 トロソアミンなどの発がん性物質やインドールやアンモニアなどの有害物質が 作りだされる原因となります。 脂肪が過剰になると、腸内でコレステロールや胆汁酸の濃度が高まり、 腸内の悪玉菌によって二次胆汁酸やコレステロール代謝物が生成されます。 これらの物質も発ガン促進作用があると言われます。
消化がいい?悪い?消化率って何? 以下は [Dog Health & Nutrition for Dummies] の記載です。 消化性90%以上の広告を出すドッグフードには注意してください。 最も高いクオリティのドッグフードでもその消化率は82-86%です。 スーパーマーケットなどで入手できるクオリティの低いドッグフードでも消化率は約75%です。 ドッグフードの消化性に対するパーセンテージはラベルには記載されていませんが、 ほとんどのドッグフードカンパニーは要求に応じて、その情報を提供してくれます。
消化率とは 食べたご飯の量からウンチっちの量を引いた量を食べたご飯の量で割ったものです。 数式にすると ・・・ 消化率 = (食べたご飯の量からウンチっちの量を引いた量)/食べたご飯の量 となります。 ご飯の量が200gとして、100gくらいのウンチっちの量とした場合は 200-100/200となりますので消化率は50%となります。 すでに加工されたコマーシャルフードの場合は別として、 手作り食の場合は食物繊維の含有量やお食事の内容、水分量によって 変わってきますので一概には言えません。 食物繊維が多い食事をすればウンチの量は増えます。 ウンチの量が増えれば、上記の「消化率」は下がります。
わんこたちは私たちと同じように(?)食べ過ぎでおなかを壊したり吐いたりします。 胸やけで吐きたいときは草を食べて積極的に吐こうとします。
わんこたちは良く噛まないで食べ物を丸飲みしちゃう子も多いのですが、胃はけっこう大き目なので「放っておくといくらでも食べちゃう」ということができるのです。 で!キャパ超えました~~!で吐くことも多いわけです。
この場合は吐いた後は「すっきりした~!」とケロッとしていますので、食べ過ぎ注意報でおさまりますが、 吐いた物は必ずじっと観察して血液などが混じっていないか確認してくださいね。 ウンチの観察と同じで身体から出るものは全てチェックチェックです。 食べ過ぎ注意報ではなく、1日に何度も繰り返して吐く場合は、 急性胃炎や慢性胃炎の可能性もありますので要注意です。
毒物や腐った食べ物を食べてしまった場合・コインや小さなグッズなどを誤飲してしまった場合や、お薬で胃の粘膜がただれたりした場合、胃の粘膜に炎症を起こし、何度も繰り返し吐きます。 この場合は異物や毒物を身体の外に出そうと、お水を飲んでは何度も繰り返して吐くうちに お水を飲むだけでも刺激になって吐き続ける場合もあり、脱水になる場合もあります。 炎症の程度によりますが、吐いた物に血が混じる場合もあります。 毒物や毒物となる植物を食べた場合は急を要しますので、獣医さんに走ってください。 胃炎以外ではもっと重篤な胃潰瘍や胃拡張、胃の捻転や腸閉塞など、 感染症や寄生虫、尿毒症や子宮蓄膿症でも嘔吐がおこります。 繰り返す場合は、まず絶食し、嘔吐の症状、吐いた物の内容、 どんな状況で吐くかなど獣医さんに細かく報告して診断を仰いでくださいね。 チュ~ちゃんはまだ1歳半位のパピーだった頃に、 激しく吐いて下痢をして緊急病院に走ったことがあります。 結局は「拾い食い」だったのですが、腐敗物や毒物などでなくてよかった。 みんなも気をつけてね!食いしん坊の子はお散歩中も気が抜けませんよ。
小腸と大腸には腸内細菌が常に住んでいます。 これらの菌がお花畑のようにグループで集まった状態が腸内フローラと呼ばれる腸内環境のことです。 腸内細菌は善玉菌と悪玉菌があり、バランスが崩れて悪玉菌が優勢になることで免疫力が低下します。 善玉菌
悪玉菌
- ビフィズス菌やアシドフィルス菌、ブルガリア菌などの乳酸菌(Lactobacillus)・腸球菌(Enterococcus)・ユウバクテリウム(Eubacterium spp.)など。
- 外からの有害な菌や腸内悪玉菌を抑え込んでくれて、免疫力を高めてくれます。
- 善玉菌が元気で活発だと、腸内は酸性です。(善玉菌の餌となる乳酸菌やビフィズス菌・アシドフィルス菌を摂取すると、乳酸や酢酸が産生されて、腸内のpHが低下することで腸内が酸性に保たれて悪玉菌が住みにくい環境を保てるのです)
- 連鎖球菌(Streptococcus)・プロテウス菌(Proteus vulgaris)・大腸菌(e.coli)・クロストリジウム属のディフィシレ (C. difficile)・ウェルシュ菌(C. perfringens)など。
- タンパク質を腐敗させ、それを栄養分として有毒ガスを発生させたり、ニトロソアミンなどの発がん性物質やインドールやアンモニアなどの有害物質を作り出します。
- 胆汁酸を発ガン促進物質に変える働きをしたり、腸の蠕動運動を抑制します。
- 悪玉菌は腸内をアルカリ性にして住みやすくすることで力を奮います。(病原菌は酸に弱いものが多いのです)
* この2種類以外にその時々で優勢な方に付くバクテロイデス属(genus Bacteroides)のような 「日和見菌」と呼ばれてる菌もいます。(環境によってどっちにもなりえる菌というわけです) 日和見菌・・・なんて、ネーミングがおもしろいですね。
アーユルヴェーダなどの考え方では、日々の食事や生活からドーシャバランスが崩れ、 身体に未消化物が蓄積した結果としてアトピーなどの皮膚症状が起こると考えられています。 腸の中には乳酸菌と呼ばれる善玉菌と、悪玉菌の2つがいて 善玉菌たちが元気いっぱいだと腸が元気でウンチも元気、 栄養素の吸収や分解もきちんと行われて、余分なものはきっちり体外に出してくれます。
逆に悪玉菌が増えて善玉菌が元気をなくすとタンパク質の分解がちゃんとできないために 腸の中に未消化のものが溜まって腐敗してゆきます。
また、悪玉菌は小腸が分解できない焦げた肉や焦げた魚のタンパク質さえも分解して自分の餌にして増殖します。 悪玉菌がこうした異種タンパク質を分解することで有毒ガスが発生し、 大腸の粘膜を傷つけます。 異種タンパク質はその傷の部分から粘膜に侵入しようとするので、 それを防ぐために大腸の周りのTh2細胞が活性化されます。 Th2細胞が活性化されるとIgE抗体が作られ、全身の液性免疫が過敏になり、 アレルギー症状などが悪化します。 また、この有毒ガスは大腸の毛細血管を通じて血液中に溶け込み 皮膚に形を変えて出てきてしまいます。 これも痒い痒いの原因にもなっているのです。
タンパク質の過剰摂取・脂質の過剰摂取・食物繊維の不足などは 善玉菌を弱らせ、悪玉菌を増やしてしまう食事と言われますが 食生活だけではなくストレスも腸の善玉菌に影響を与えます。 善玉菌くんたちってけっこうセンシティブなのです。 ストレスを受けると自律神経系のうちの交感神経が優位に働き、 アドレナリンの分泌量が増加することによって 消化液の分泌や蠕動運動が抑制されます。 こうなると消化がちゃんと行われないので、未消化物が増加し、 それらの腸の中での滞留時間が長くなります。 これは悪玉菌たちが大好きな環境作りなのです。 悪玉菌たちは未消化物をどんどん腐敗させ、バクバク食べて増殖し、 有毒ガスを発生させながら有毒物質を産生してゆきます。 免疫システムを司るリンパ球は副交感神経が優位な時に放出される 神経伝達物質のアセチルコリンに反応して活性化します。 逆に交感神経が優位な状態下では、リンパ球は活性が低下し、 その数も減ってしまい、その結果として免疫力が低下します。
また、腸壁では粘膜を保護する粘液(ムチン)の分泌が行われていてその粘液中にはIgA抗体というものが含まれ、悪玉菌の繁殖を抑制しています。 しかしストレスが続くことで、この粘液分泌も減ってしまい、 悪玉菌増殖バリアが築けない状態となります。
抗生物質は「抗菌剤」ですので、菌を退治するお薬ですので カビや細菌などの微「菌」を退治するお薬です。 抗生物質は、悪玉菌だけでなく、善玉菌も退治してしまうのです。 抗生物質で腸内環境バランスが崩れ、悪玉菌が勢力を増してきます。 (他の菌が死滅するので抗生物質に耐えられる耐性菌だけが異常に繁殖します) 抗生物質を継続的に使っているうちに下痢が起こったりするのは 腸内細菌のバランスが大きく崩れている結果です。
うちのチュ~ちゃんは抗生物質を使うことがほとんどなかったのですが、それでも抜歯した後などは抗生物質が出されました。 抗生物質は通常2週間分出されるのですが、 最低量しか使用せず(だいたい炎症が治まるまでの3日間くらいですが お眼目の下まぶたにプッチンができた時は1日で治ったので1日だけ使用 普段からお薬を使わないことによって身体の反応も速かったのです) 善玉菌を増やすヨーグルトや納豆、消化酵素と一緒にあげていました。 また、腸内細菌はビタミンB1やB2の合成や吸収にも携わっていますので 抗生物質で善玉菌が少なくなってしまうとビタミンB1やB2が不足しますが、 おやつにポークレバーをあげていたので、これは問題解決でした。
炎症などで抗生物質をどうしても使用しなくてはいけない場合は 善玉菌を増やす食品をたくさん一緒に摂ってね。
乳酸菌などの善玉菌は腸管に入り込んでマクロファージに取り込まれ 免疫システムを司るリンパ球(免疫細胞)は、70%が腸内で作られます。 アレルギーの子を持つママさんたちはきっとお聞きになったことがあると思いますが リンパ球の中にはTh1細胞とTh2細胞という2つのヘルパーT細胞というものがあり、 お互いに片方だけが優勢にならないようにバランスを保っています。
このバランスは免疫に対する応答システムのようなもので、「バランスを保っている」ということが非常に大事なのです。 Th1細胞とTh2細胞は、サイトカインという命令を伝える伝達物質を放出し、 各所へ炎症反応や抗炎症反応などさまざまな指令の伝達を行います。
Th1細胞はIFN一γなどのサイトカインを分泌して感染を防御しながらマクロファージを活性化する作用があるのに対して Th2細胞はIL-4やIL-5のサイトカインを分泌して B細胞からIgE抗体(アレルギー抗体)を作らせます。 Th1細胞とTh2細胞のバランスが崩れてTh2細胞の働きが強くなってくると このIgE抗体が作られることで、かゆみや炎症などのアレルギー症状が悪化します。 (逆にTh1細胞が過剰になると自己免疫疾患発症の引き金になると言われています) 腸内細菌のラクトバチルス菌やビフィズス菌などの善玉菌は、Th1細胞を増やす働きがあります。 増えすぎたTh2細胞に対してTh1細胞が増えれば、またバランスが戻り、 Th2細胞の働きが抑えられることによって、アトピーの症状が緩和されるという原理です。 免疫強化のためには、腸内の善玉菌が元気で活発に働いてくれなくてはならないのです。 善玉菌を増やす食事のすすめ 腸内の善玉菌を元気にしてTh1細胞とTh2細胞のバランスを保ち、 免疫系を強化するためには善玉菌たちの助っ人として、 アシドフィルス菌など「生きて腸までしっかり届き、善玉菌の餌になる菌」や 善玉菌の餌になる食品、活性化させる食品をあげることで、 全ての要となる腸の元気を応援できます。 「生きて腸まで届く」というのも、 乳酸菌たちはそのほとんどが胃酸などで死んでしまうのです。 そんな中、生き残った乳酸菌たちを活性化させ、腸内で増殖させる為にも 元気な善玉菌たちが腸に多く存在して腸内を酸性に保ち、 弱った菌がそこで活性を取り戻すために 善玉菌にとっての良い環境を作り上げておく必要があるのです。 シニアになったら消化管機能も低下してくるだけでなく 腸内の善玉菌であるビフィズス菌が減少してきます。 できるだけ消化の良い食べ物をあげるとともに 腸内の善玉菌を増やすような食事をあげてくださいね。 善玉菌の餌になる食品・腸内環境を整える食品
- ゴボウやニンジンなどの根菜類やライ麦や雑穀に含まれるオリゴ糖はビフィズス菌の働きを高めてくれる多糖類です。
- ヨーグルトや納豆などの発酵食品は善玉菌を活性化させる働きがあります。
- ビフィズス菌は炭水化物を分解して餌にし、乳酸や酢酸を作って腸内を酸性にします。(ただ、ビフィズス菌のある種は、アトピー治療に重要なビオチンというビタミンを食べてしまうという説がありますので、できればアシドフィルス菌やカゼイ菌、プルガリクス菌、ブレビス菌などのプロバイオテックスを推奨します)
- リンゴに含まれるペクチンは善玉菌の餌になるとともに、腸内を酸性に保ちます。
- 海草類に含まれる多糖類、キノコ類に含まれる多糖類(グルカン)も善玉菌の餌になります。
- ビタミンB1・B2・B6は善玉菌を増やすビタミンたちです。これらはビフィズス菌によって腸内でも合成されますが、さらに摂取することで腸内で合成されたビタミンたちが血液に取り込まれやすくなります。
* プロバイオテックスとは、腸内の善玉菌を増やす役割をする微生物の総称です。
前回のお勉強室では肝臓の機能として「浄化」について考えましたが、 腸で作られたものが肝臓に運ばれるわけですから まず腸が元気でしっかりと「取り込むもの」と「排泄するもの」を 事前に分けてくれる必要があるのです。 また悪玉菌を増やさないことで体内の有害物質の発生を防げるので 腸の元気は「肝臓に負担をかけない」ということにもつながります。
負担が軽ければ肝臓も元気!肝臓が元気だと胆汁酸もしっかり作られ消化を促し、 血液もしっかり作られて全身に栄養と酸素を運び、 栄養と酸素が十分に補給されれば細胞が元気になる。 こうしてみんなつながっているのです。 しっかり食べてしっかりり出す! 消化と吸収がきちんと行われていることが全ての要になっているのです。 免疫力を低下させないためには交感神経の緊張を和らげ、 副交感神経が活発に働く環境にすること、 それには、リラックスとハッピー。
自然の風に吹かれたり、気持ちのよい景色を見たり、へそ天でお昼寝したり、環境音楽を聴いたり、良く寝ることもとっても大事。 そしていつもハッピーな気分でご飯を食べること、 規則正しくウンチがしっかり気持ちよく出ることです。
楽しくハッピーな気持ちで過ごしていると副交感神経が刺激されて消化液の分泌も良くなり、消化器官の働きも活発になります。
腸が元気に働くためには、各消化の過程で消化酵素たちがしっかり働き、消化がきちんとされた食べ物が腸に運ばれることも大事です。 未消化のタンパク質が悪玉菌の餌にならないために食べ過ぎないこともね。 暑さや湿度でぐったりで食欲が減退するときは、気分も沈みがち。 腸の中の善玉菌くんたちもなんだかやる気を失っているときでもあります。 そんな善玉菌くんたちの働きの様子を語ってくれるのは「ウンチっち」です。 (お勉強室の「ウンチくん元気かな?」を読んでみてくださいね) ハッピー気分を盛り上げて「元気サイン」を送って活性化してあげましょう。 そして、お眼目やお耳、お口、皮膚を清潔に保つことで 免疫を刺激する回数を減らすことができます。
たとえばお眼目にゴミが入ると、白血球はそれを異物と認識し、免疫反応を起こします。この反応をできるだけ最小限にしてあげるために、全身のケアも大切です。
免疫力が低下しやすい時期やシニアな子は特にこまめなケアをね。
消化と一言で言っても本当に各臓器がお互いに助け合って 身体を保ってくれているんだな~と、改めて感じます。 こっちが不調になるとこっちにも影響が・・・ そのすべての要になる腸の健康をしっかり守ってあげましょうね。 キーワードは「善玉菌を増やすぞ~!」です。 チュ~ちゃんは本当に、食欲大王で元気ウンチっちでした。 おいしく食べてしっかり出す!いつもご飯がおいしい! 少々のことでは動じないし、気にしない! いつだってハッピー全開で笑顔でした。 そんな全てがピチピチシニアの源だったんだと、改めて思います。 梅雨が明けたら本格的な夏到来! 湿度も気温もどんどん上がってくるけれど、みんなバテないで、 「今日も元気だ!ご飯がおいしいです~!」と笑顔でハッピーに過ごしていてね。 ハッピー気分で今日もリンパ球や善玉菌たちを元気いっぱいにしてあげましょう。
Jun.2009
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