1. ホーム > 
  2. Blog > 
  3. PawPawClub > 
  4. PawPawお勉強室 > 
  5. 下痢の対処と食事・漢方の視点から
 4月 13, 2019  PawPawClub, PawPawお勉強室   * 病気と家庭でできること * 元気に過ごすヒント

 
  スマホでは横にして見て頂くと読みやすいです 
 
 下痢や嘔吐は「気」のバランスの崩れから

下痢や嘔吐はパピーからシニアまですべての年齢で
最もよくある日常的な問題です。
特に季節の変わり目はちょっとしたことで下痢をしたり
吐いたりと、身体が自然なデトックスをする場合もあります。

単に食事の消化不良が原因だったりストレス性の下痢だったり
下痢や吐き気などの症状に対して有効な食材を
漢方獣医学の視点で取り上げます。

ただし24時間以上続くときは何らかの病気のサインの場合もありますので
獣医さんに相談してください。



 
 伝統療法からの見解

漢方では、全ての食品は、
身体を冷やす(陰)、身体を温める(陽)、
またはその両方の性質を持っていると言われています。

陰と陽のバランスによって、身体は生命力である「気」を整えます。
このバランスの崩れによって病気は発生すると考えられ、
これはまた、医食同源のベースとなる考え方の一部です。

ほとんどの急性胃腸症状は過剰な「陽」によるものと言われています。
このことはつまり「陰」によって身体のバランスを取り戻せば
回復するということです。

このように考えるととてもシンプルに感じますよね。
では次に、どのようなステップで対処するかを考察します。



 
 まずは絶食!胃腸をちゃんと休めませましょう!

まずは消化器をしっかり休めること。
そのためには12-24時間、お水だけを与えます。
こうして胃腸を休めながら身体の中を浄化します。

これは消化によってエネルギーを消費することを抑えるとともに
悪化している「気」により臓器への更なるダメージを防ぐ事を意味します。

また、絶食することによって身体は
その後に摂取する食品の栄養素をより吸収しやすくなります。



 
 陰のタンパク質と陽のタンパク質とは

多くの文献の中でチキンは下痢の時に最も有効な食品と言われていますが
漢方では、実はチキンは「陽」のタンパク質なのです。

漢方獣医学で推奨される「陰」のタンパク質としては
白身魚・卵・低脂肪のカテージチーズ・
豚肉・ターキー・ウサギ肉・
オーガニック豆腐(大豆はGMOのものが多いので)などです。

逆に避けるべき「陽」のタンパク質は
牛肉・チキン・ラム・ゴート・鹿肉・サーモンなどです。
これらは下痢やその他の消化器症状が完全に治まるまで
避けるべき食品とされています。




 
 「下痢に白米」 これも実は「陽」の食べ物

人でもわんこでも「下痢をしたら白米」
人においてはお腹を壊したあとは消化に優しいおかゆさん
これは子供の頃から信じていたこと。

実際に多くの文献でも
下痢の回復期には白米を勧められていますし、
消化器症状の療法食にも白米が加えられています。

しかし、漢方の考え方では、白米も実は「陽」の食べ物なのです。
玄米は逆に「陰」の食べ物ですが、
消化器症状のある時に玄米は消化に非常に負担がかかります。

漢方獣医学では、下痢の時の「白米」の代わりに
キビ(Millet)を推奨しています。
キビにはビタミンBやマンガンなどビタミン、ミネラルが多く含まれるとともに
タンパク質も含まれているので、下痢の回復時に推奨される食材です。




 
 ホワイトポテト

じゃがいもは陰の食べ物であり、消化も良いので、
下痢の回復時の食べ物として推奨されます。
胃腸に負担をかけずに消化吸収され、胃のむかつきを抑えるとともに
エネルギーの供給にも役立ちます。

茹でたり蒸したり焼いたりして柔らかくなったじゃがいもと
陰のタンパク質である白身魚や卵、肉類を一緒にあげることは
下痢や消化器症状の回復にとても合った食事と言えます。




 
 バナナとりんご

バナナは身体を冷やす「陰」の食べ物であると同時に
「保湿」の食材でもあります。
バナナにはペクチンも含まれていますので
食物繊維が結腸内で水分と結びついて消化管を覆うのにも役立ちます。

またバナナには下痢によって失われるカリウムも豊富です。
下痢のあとは体重4.5キロに対して、
小さじ1杯の潰したバナナが推奨されます。

また、りんごも推奨される果物で、

軟便を改善し、腸を保護するペクチンを多く含みます。
生のりんごよりも消化に優しいアップルソースが推奨されます。
(アップルソースとはベビーフードのようにペースト状にしたものです)

あげる量としてはバナナと同じで
体重4.5キロに対して、小さじ1杯のアップルソースが推奨されます。




 
  ペパーミント

ペパーミントは下痢や吐き気、ガスなどの胃腸症状に対して
非常に有効な「陰」のハーブです。
消化管の痙攣を抑え(しぶり腹の症状などもこれにあたります)、
腸管の筋肉を落ち着かせ、停留したガスを通過させます。

ペパーミントには抗菌性・抗ウィルス性・抗真菌性もあり、
それらは強力なので、少量を長くあげる方法が勧められます。

あげかたは新鮮なペパーミントの葉っぱをみじん切りにしてあげます。
小型犬には小さじ1/4、中型犬には小さじ1/2、
大型犬には小さじ1杯をあげます。

ただ、胃食道逆流症(GERD)のある子には
症状を悪化させる可能性がありますので
ペパーミントはあげないでください。

また、ペパーミントを含んでいても、人用のキシリトールガムのような
犬にとっては有毒成分となるものは絶対にあげないでください!




 
 IBDなど炎症性腸炎はさらなるケアを!

ここでの考察は 「日常的に突発的に起こる」
下痢や嘔吐などの消化器症状を対象としています。

炎症性腸疾患(IBD)に対しては、
適した治療が必要ですので対象となりません。
IBDに関しては以下をご参考になさってくださいね。






 

春と季節の変わり目はデトックスの季節。
身体が自然なデトックスで下痢をしたり吐いたりも
起こしやすい季節でもあります。

自然なこと、身体のお掃除、
ちょっとバランスが崩しかかってるサインだよね!って受け止めて
「早め早めのケア」でバランスを整えてあげてくださいね。
 
 
 
日本はこの時期、桜が満開ですね!
うららかな春の日差しを浴びて、桜吹雪の中をお散歩、
振り返ればピンクの絨毯に仲良く並んだ足跡。
そんな優しい光景を目に思い浮かべます。
 
今月の22日は地球の日(Earth day)
自然を大切に、地球のすべての調和を願う、素敵な日です。
優しい地球に生まれ、空を見上げ、海を見つめ、山を仰ぎ、
木々や花の香りに癒され、自然を感じながら生きられることに感謝。
そんな素晴らしい環境を守るためにできることを考える1日でもあります。
 
みんな同じ大きく優しい地球の一員!
今日もみんなのエネルギーが地球の優しいエネルギーに守られて
元気いっぱいに過ごせますように!
 

Apr.2019



© Paw Paw Club Inc. All rights reserved.