生食の骨付き肉の栄養素ってどうなの?
我が家は生食を実践していますが、ずっと気になっていたことがありました。 骨を砕いて野菜や果物などと混ぜ合わせた市販のフローズンの生食パテには 細かい栄養分析が載っていますが、 手作り食の「素材」の部分で人間の栄養分析表では「骨を含んだ栄養分析」は載っていません。
実際、毎日作っている中で「手作りの部分の栄養成分は?」というのがずっと気になっていました。野菜や果物、ヨーグルト、オイルなどの分析はわかっても60%以上を占める 「骨付き肉」の部分の詳細がわかりたくて、あちらこちら検索しまくっていました。 ・・・で、やっと見つけましたので、ここに記載しておきますね。
ターキーネック |
- ターキーネックは喉に詰まりやすいので「必ずグラインドしてあげるべき」です。[THE BARF DIET]
- ターキーの骨はチキンより大きい分、家で砕けそうにないかな・・・と、
- うちでは使ったことのない食材です。
ターキーネック 100g
そのままの状態(100g)
乾燥させた重量 (100g)
水分 (%)
70.81
タンパク質 (%)
16.17
55.40
塩分 (%)
0.09
0.32
リン (%)
0.67
2.31
ポタシウム(カリウム) (%)
0.22
0.74
硫黄 (%)
0.18
0.61
カルシウム (%)
1.19
4.07
マグネシウム (%)
0.04
0.13
銅 (ppm)
<2
<2
鉄 (ppm)
<10
<10
マンガン (ppm)
<1
<1
亜鉛 (ppm)
38
131
脂質 (%)
9.51
32.57
チキンバック |
- チキンバックス(チキンの背中)は内臓肉も付いてくるのでチキンバックを使用する場合は内臓肉を省きます。 [Nartural Nutrition for Dogs and Cats]
- こちらのオーガニックファームの直販ではこのチキンバックと下のチキンネックを骨ごとグラインドしたものが「ドッグフード」として売られています。($5.75/lb=450g)
チキンバック 100g
そのままの状態(100g)
乾燥させた重量(100g)
水分 (%)
63.88
タンパク質 (%)
14.74
40.80
塩分 (%)
0.09
0.25
リン (%)
0.48
1.32
ポタシウム(カリウム) (%)
0.20
0.57
硫黄 (%)
0.15
0.41
カルシウム (%)
0.74
2.05
マグネシウム (%)
0.03
0.08
銅 (ppm)
<2
<2
鉄 (ppm)
<10
<10
マンガン (ppm)
<1
<1
亜鉛 (ppm)
20
154
脂質 (%)
18.02
49.90
チキンネック (皮なし) |
- チキンネック(チキンの首)は周りをぐるりと脂肪が取り巻いています。
- ここでは「皮なし」と書いてあり、脂質も低いので周りの脂肪は取り去ったものとして考えます。
- 我が家では首の周りのものすごい脂肪の部分は取り除いて使います。
- 首だと思うとグロテスクで倒れそうになりますが、骨も柔らかいのであげやすい食材です。
チキンネック (皮なし)100g
そのままの状態(100g)
乾燥させた重量(100g)
水分 (%)
72.10
タンパク質 (%)
16.09
57.67
塩分 (%)
0.09
0.32
リン (%)
0.84
2.99
ポタシウム(カリウム) (%)
0.20
0.70
硫黄 (%)
0.16
0.56
カルシウム (%)
1.50
5.37
マグネシウム (%)
0.05
0.16
銅 (ppm)
<2
<2
鉄 (ppm)
<10
<10
マンガン (ppm)
<1
<1
亜鉛 (ppm)
1554
5572
脂質 (%)
7.22
25.88
チキンレッグ (皮付き) |
- チキンレッグは「皮付き」と書かれていますので皮に付いた脂肪分を含んでいます。我が家では皮と皮に付随した余分な脂肪の部分は取り切って使っています。
- チキンの大腿部の骨はかなり鋭く割れますので、我が家では肉叩きで細かく潰します。潰しそこなったものがそのまま入る時もありますが、CoCoちゃんはバキバキと噛み砕いて食べています。
うちでは飛び散ると怖いので、サランラップでゆるく2重に包んで、- 更にナイロン袋に入れてから叩きますが、それでもたまに割れた骨が外に出てくることがあり、その度にママは悲鳴をあげます。細かく砕いた骨はサランラップの内側に付いた骨髄なども全てあげるようにしています。(サランラップに付いた骨髄や血液を指でこそげてお皿に移す、この作業はエグイです)
我が家で使っている肉叩き- (片面がハンマーとして使えます。割れにくいものはこの角で叩き割ります)
チキンもも肉 (皮付き)100g
そのままの状態(100g)
乾燥させた重量(100g)
水分 (%)
69.14
タンパク質 (%)
17.27
55.96
塩分 (%)
0.08
0.25
リン (%)
0.69
2.23
ポタシウム(カリウム) (%)
0.17
0.57
硫黄 (%)
0.23
0.74
カルシウム (%)
1.19
3.86
マグネシウム (%)
0.04
0.13
銅 (ppm)
0.5
2
鉄 (ppm)
<1
<1
マンガン (ppm)
0.5
2
亜鉛 (ppm)
29
94
脂質 (%)
10.07
32.62
チキンウィング (皮付き) |
- 手羽先は最も利用しやすくグロテスクさも少ないので皮付きのままうちでもよく利用します。
- 我が家では先っぽの方の骨はキッチンハサミで切れるので2センチくらいに切り、手羽中の骨はハンマーで叩いた後、肉叩きで更に細かく砕きます。
チキン手羽 (皮付き)100g
そのままの状態(100g)
乾燥させた重量(100g)
水分 (%)
68.01
タンパク質 (%)
18.04
56.41
塩分 (%)
0.05
0.17
リン (%)
0.44
1.38
ポタシウム(カリウム) (%)
0.23
0.71
硫黄 (%)
0.15
0.48
カルシウム (%)
0.62
1.94
マグネシウム (%)
0.03
0.10
銅 (ppm)
<2
<2
鉄 (ppm)
<10
<10
マンガン (ppm)
<1
<1
亜鉛 (ppm)
17
52
脂質 (%)
12.33
38.54
カルシウムはビタミン類に次いでミネラルの中でも最も取り上げられるものですね。 我が家は骨付き肉や卵の殻をあげているので大丈夫かな?と思っているのですが 骨や卵の殻って意外に吸収率が良くないという意見もあり、 野菜から採ったカルシウムをあげているメンバー様もいらっしゃいます。 ウンチを観察すると骨はとても細かい粒子になって出てきています。 卵の殻を多くあげた時も同じです。ウンチもポロポロのウンチになっています。 ちゃんと吸収されていると思うのですが・・・う~~ん。 我が家ではヨーグルトやチーズも時々あげますし サーディン丸ごとオイル漬けもあげますので、足りていると思います。 カルシウムに関しては以前に 「わんことミネラル-1」 という項目で取り上げましたので そちらも併せてチェックしてみてください。 ここでは現在のCoCoちゃんご飯に対して「再考」という形で取り上げ 乳製品以外でカルシウムが摂取できる方法を記載してみます。 (乳製品やお肉のカルシウム含有量は「骨とミネラル」をご参考になさって下さいね) 以下はUSDA National Nutrient Database for Standard Reference, Release 19.を参考としています。
但し、カルシウムの吸収率は乳製品は約50%、小魚類が約30%、野菜類が約18%ですので、そういった部分を考慮に入れて下さいね。 これは「骨とミネラル」のおさらいになりますが、 食品に含まれるカルシウムはリンとの比率が1:1のものが最も吸収率が良いということ、 ビタミンDはカルシウムの骨への沈着をアップさせることも覚えておいてください。 CoCoちゃんのご飯は生食ですが、お肉自体はリンの含有量が高いので 骨と一緒に、卵の殻と一緒に、といったあげ方をしています。 我が家で作る卵の殻ふりかけ(炭酸カルシウム)は1個分で約小さじ1杯程度、 カルシウム含有量としては1800mgとなります。吸収率は25%程度です。 CoCoちゃんご飯にはリンゴ酢が必ず入っていますが、リンゴ酢に含まれるクエン酸には カルシウムの吸収率を高める作用があります。 ちょっと難しいのですが、お酢がカルシウムの吸収率を上げる理由は以下のとおりです。 例えば卵の殻は炭酸カルシウム、カルシウムが炭酸と結びついた形のものです。 (カルシウムは単体では存在しないので、必ずなんとかカルシウムという形になります。 ヨーグルトなど乳製品に含まれるカルシウムは乳酸カルシウムです) 炭酸カルシウムが体内で吸収されるには炭酸とカルシウムに分離する必要があります。 (この分離する状態の事を「イオン化」と呼びます) 炭酸カルシウムはCaCO3、リンゴ酢など酢に含まれる酢酸やクエン酸は 酢酸の場合CH3COOHですので、炭酸カルシウムと酢酸が化学反応を起こすと、 水と二酸化炭素を発生して分離して酢酸カルシウムに変わり、吸収されやすい形になります。
・・・というわけで、卵の殻ふりかけ+リンゴ酢は理にかなったあげ方なんです。* 我が家の卵の殻エコふりかけ (ブログ記事) 乳製品以外でカルシウムを摂取できる食品
1cup はUSサイズの1カップなので 8oz=約240.0ml です 1Tbsp は15.0ml, 1Tsp は 5.0ml です 刻んでとか、キューブとかスライスと書いてあるものはそのままの形ではカップに入らないものなので キューブ状にして、スライスして、1カップという意味です。 * CoCoちゃんご飯にピューレにしたりそのままあげたりで使っているものはパステルグリーンにしています。
野菜に含まれるカルシウム
- 緑豊かな葉野菜にはカルシウムを豊富に含むものが多いのです。
- ホウレンソウはシュウ酸を高濃度に含みますが、ケールなどはシュウ酸の低い高カルシウム野菜です。(シュウ酸はカルシウムの吸収を阻害します)
- ケール ブロッコリー、かぶ、カラードグリーン、マスタードグリーンは、同じ仲間ですがこれらは低シュウ酸、高カルシウムの野菜たちです。
- ゆでた方がカルシウムの値が上がりますが、極端に差がある場合はゆでることによって量が減るので1カップあたりの量が凝縮しているためもあります。(特に葉野菜の場合)
- カルシウム:リンの比率は3:1くらいのものが多いですが、野菜によってはリンの比率が高いものもあります。
食品
カルシウム含有量 (mg)
パセリ(生)
5/Tbsp
パセリ(フリーズドライ)
1/Tbsp
カブの葉(缶入り・調理されたもの・塩分無添加)
170/cup
カブの葉(生・刻んだもの)
105/cup
カブ(キューブでゆでたもの)
51/cup
カブ(キューブで生)
39/cup
クレソン(生)
41/cup
トマト(ペースト・缶入り・塩分無添加)
94/cup
トマト(ピューレ・缶入り・塩分無添加)
45/cup
トマト(レッド・完熟・缶入り・ジュースと一緒にパック)
74/cup
トマト(レッド・完熟・缶入り・シチューにされたもの)
87/cup
トマト(レッド・完熟・生・1年を通した収穫の平均値)
15/cup
トマト(レッド・完熟・調理したもの)
26/cup
トマト(サン-ドライド 干したもの)
60/cup
スイートポテト(茹でてマッシュ・皮つきも皮なしも同じ値)
89/cup
バクチョイ(ゆでたもの・刻んだもの)
158/cup
バクチョイ(生・刻んだもの)
74/cup
ブロッコリー(ゆでたもの)
112/1株
ブロッコリー(生・刻んだもの)
43/cup
ダンデリオングリーン(ゆでて刻んだもの)
147/cup
ダンデリオングリーン(生・刻んだもの)
103/cup
ケール(ゆでて刻んだもの)
94/cup
ケール(生・刻んだもの)
90/cup
スコッチケール(ゆでて刻んだもの)
172/cup
スコッチケール(生・刻んだもの)
137/cup
オクラ(ゆでてスライスしたもの)
124/cup
オクラ(生)
81/cup
大豆(緑のもの=枝豆・ゆでたもの)
261/cup
大豆(緑のもの=枝豆・生)
504/cup
ほうれん草(ゆでたもの)
245/cup
ほうれん草(生・刻んだもの)
30/cup
ズッキーニ(皮つき・夏場のもの・生・スライスして1カップ)
17/cup
ピーマン(緑のもの・生・刻んだもの)
15/cup
ピーマン(赤いもの・生・刻んだもの)
10/cup
ニンジン(ゆでて刻んだもの)
46/cup
ニンジン(生)
42/cup
ニンジン・ベビーキャロット(生)
5/大1個に付き
ビーツの葉(ゆでたもの)
164/cup
ビーツの葉(生)
37/葉1枚
キャベツ(ゆでて細切りにしたもの)
72/cup
キャベツ(生・細切りにしたもの)
28/cup
赤(紫)キャベツ(ゆでて細切りにしたもの)
64/cup
赤(紫)キャベツ(生・細切りにしたもの)
32/cup
コラード(ケールの一種・ゆでて刻んだもの)
266/cup
コラード(ケールの一種・生・刻んだもの)
52/cup
マスタードグリーン(ゆでて細切りにしたもの)
104/cup
マスタードグリーン(ゆでて細切りにしたもの)
58/cup
クレソン(生・刻んだもの)
41/cup
アスパラガス(ゆでたもの)
42/cup
アスパラガス(生)
3/1本
セロリ(生・刻んだもの)
41/cup
パンプキン(ゆでてマッシュしたもの)
37/cup
ゴマ(炒ったもの)
107.8/1Tbsp(大匙1=9g)
- 海藻にはカルシウムがたっぷり含まれています。
- カルシウムとリンの比率が約2:1のものが多いです。
食品
カルシウム含有量(mg)
昆布
75.8/10g
ひじき
139.8/10g
わかめ
77.8/10g
青のり
71.9/10g
大豆加工品に含まれるカルシウム量
- お豆腐や納豆などもカルシウムが豊富な食材です。
- お豆腐は乳製品に次いで吸収率の高いカルシウム食品です。
- カルシウムとリンの比率はリンの比率がやや高めのものが多いです。
食品 カルシウム含有量(mg) お豆腐(エキストラファーム・もめん) 358.8/1丁 お豆腐(ソフト) 273.5/1丁 納豆 76.3/40g 豆乳 61.8/cup
フルーツに含まれるカルシウム量
- 含まれる量は多くはありませんが果物にもカルシウムは含まれています。
- なにげなくあげているものでもちょっと知っておくといいかなという感じで載せておきますね。
食品 カルシウム含有量 (mg) リンゴ(生・皮つき) 8/リンゴ1個分 リンゴ(生・皮むき) 6/cup アプリコット(生) 20/cup バナナ(生) 8/cup バナナ(バナナチップなど乾燥させたもの) 22/cup ブルーベリー(冷凍) 12/cup ブルーベリー(生) 9/cup チェリー(甘いもの・生) 15/cup クランベリー(生) 8/cup フィグ(いちじく・生) 18/中くらいのサイズ1個 グレープフルーツ(中身がピンクまたはレッドのもの) 27/半個 グレープフルーツ(中身が白いもの) 14/半個 キーウィ 31/中1個 マンゴ(生・スライス) 43/cup オレンジ(生) 74/大1個 パパイヤ(生・キューブ) 34/cup ピーチ(生) 8/小1個 ピア(洋ナシ・生) 16/中1個 パイナップル(生・ダイスで) 20/cup ラズベリー(冷凍) 38/cup ラズベリー(生) 31/cup ストロベリー(冷凍) 35/cup ストロベリー(生) 24/cup タンガリンオレンジ(生) 28/小1個 すいか(生・ダイスで) 11/cup
魚介類に含まれるカルシウム量
- 小魚や骨ごと食べるサーディンなどはカルシウムが豊富です。
- カルシウムとリンの比率は「わんことミネラル-1 骨とミネラル」もご参考になさってくださいね。
食品 カルシウム含有量 (mg) 煮干し 220/10g オイルサーディン 34.8/10g 桜エビ(素干し) 200/10g サバ水煮 26/10g しらす干し(ドライ) 52.3/10g わかさぎ 45/10g まいわし(ボイルしたもの) 42.9/10g
今回、カルシウムの事についていろいろ調べていて 以前にまとめた「骨とミネラル」のページを読み返してみました。 自分で作ったものでも全部を覚えているわけではないので(ほとんど忘れてます) 改めて「なるほど~~、勉強になるなぁ~~!」って思いました。<オイオイ・・・ 毎日楽しく過ごしながら、「ん?」と疑問に思ったら覗いてもらえる そんなお勉強室にしたかったので、こんな風に自分にも役立っています。 それにしても忘却って果てしない・・・ 似てるでしょ? これはお友達が描いてくれたチュ~ちゃんの絵なのですが、 CoCoちゃんもとっても似ててびっくり! CoCoちゃんは生食を続けていますが、いろいろなものをあげたいと思いながらも どうもワンパターンになりがちの今日この頃。 朝ご飯の生パテの種類を時々変えてアレンジしたり、 トッピングを変えたりしながら、それでもなんとなくパターン化しています。 それでもすくすく元気に育っているのでヨシとしましょう。 メールでもメンバー様からいろいろなご相談をお受けしますが、 やはり一番多いお悩みが「ワンパターンになりがちなんです」ですね。 食材をいっぱい種類をあげたいと思いながらもワンパターン化、マンネリ化してしまう・・・ みんな一緒です。
うちはCoCoちゃん食材のお野菜とフルーツはオーガニック、人間用は普通のものですので、たっぷり種類を買ってピューレにしてしまって冷凍!が役立っています。 冷蔵庫の野菜室で無駄になってしまわないように、お野菜と果物のピューレの冷凍はお勧めですよ! 作り方はCoCoちゃんブログの12/28/2009に載せています。
お野菜と果物のピューレ作りこれからは春に向かって少しずつ少しずつ暖かくなってくる季節。 春に向かってみんなも美味しいものをしっかり食べてエネルギッシュに過ごしていてね。
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Feb.2010
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