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ガンを宣告されたチュ~ちゃんの食事検討
今回は、ガンの宣告と摘出術後チュ~ちゃんが一部変更した食事内容です。 チュ~ちゃんの手術のことをお勉強室で取り上げてから、
シニアで腫瘍のある子のママさんたちから
現在のチュ~ちゃんの食事に対するご質問を多く頂くようになりました。
シニアになるといろいろな病気を持っている子も多いです。
そのため、こっちを優先すればこっちが不足になる(または過剰になる)と、
なかなか「これだ!」というものが決められないで
悩まれるのも当たり前のことだと思います。
チュ~ちゃんも心臓病・クッシング・
そして今回の再発の可能性の高い悪性腫瘍・・・
1日でも長く元気で過ごさせてあげたいと願いながら
「今の状態にあったもの」を探し続けています。
術後は、再発のサインである「食欲不振・体重低下」に
あまりにも神経質になりすぎてせっせと朝も夜も手作り食、
食欲があることが嬉しくてちょっと食べさせすぎていました。
その結果、どんどん体重が増え、今度は心臓への負担がネックに・・・
でもそんな中で「痩せることが心不全の特徴的な所見」であるので、
その部分では安心。
体力を維持しながら肥らせない、
動物性タンパクを減らしても嗜好性を下げないような工夫、
2つの相違するテーマに悩みながらいろいろと試行錯誤しています。
ちょうど今までも悪性腫瘍に対する食材や
ニュートリションセラピーを取り上げてきましたのでそういったことを参考にしつつ
新しい情報なども取り入れて「癌の再発進行予防と心臓の進行阻止・
臓器への負担をかけないで、抗酸化を徹底する」を目的とした
シニアな食事内容として考えてみました。
実際にあげている食事はまだまだ試行錯誤しながら量を調整中。
しっかりまとめたいのですが、なかなかゆっくりした時間もなく、
バタバタとしていますので、今月はまとめられるところまで・・・
続きは来月とさせて下さいね。
来月には写真なども加えてご紹介できるといいな~と思っています。
同じシニアの子で病気のある子たちのママさんたちも
いろいろと工夫されていると思います。
ここにご紹介させて頂いた一部でも
何かのヒントになってもらえれば嬉しいなと思います。
以下のデータは、[Natural Healing for Dogs & Cats],
[Dog Health & Nutrition for Dummies],
[Four Paws Five Direction],
[The Encyclopedia of Natural Pet Care],
[Natural Health Bible for Dogs and Cats],
[Preventing and Treating Cancer in Dog],
[Help your Dog Fight Cancer] などを参考にしています。腫瘍摘出の手術を受けてからの食事で変更した部分 まず、今までのチュ~ちゃんの食事から変更した部分を書いておきますね。 野菜類や豆類は全てオーガニックに変え、お魚も天然ものに変更しました。 パワーバーも「ノーカーブバー」に変更です。 今までのお勉強室の内容と重複する部分も多いかもしれません。
難しい中でまずは基本から組み立てます
Veterinary Pet Care の推奨する癌の食事
「シンプルな癌の食事としては、50%をチキンまたはフィッシュ、残りの50%は各種野菜、 それに体重10パウンド(約4.5キロ)あたり、1/2ティスプーンのオリーブオイル」 - veterinary pet careでは、癌の子に対して、体重10パウンドごとに250mgのフラボノイドが推奨されています。
- 脂肪酸は不可欠なものです。 オメガ-3脂肪酸は腫瘍の成長を抑えることが証明されています。
- 特にオメガ3脂肪酸は、すばらしい抗炎症剤であり、癌の進行を阻止されることが報告されています。オメガ3脂肪酸は癌細胞の成長を抑えるだけでなく転移を防ぐ効果もあります。
- Veterinary Pet Careでは、フラックスシードはわんこにとって必須脂肪酸を得る上で最も良いソースと述べています。フード1カップあたり投与量は1ティスプーンです。
- CoQ-10は強力な抗酸化物質なのでその免疫機能を高める役割から抗癌作用が認められています。 最近は化学療法や放射線療法と併用して脂肪酸とCoQ-10を併用される治療もすすめられています。 1mg/day/kgを目安に食事に加えます。更に多量に与えても問題はありませんが、その場合には消化管の反応や食欲低下などに注意しながら増量してください。(The Veterinarian's Guide to Natural Remedies for Dogs の見解)
シニアで心臓病の食事の基本と注意点
- タンパク質・脂肪・ナトリウム・リンの過剰に注意
- カロリーは極度に減らしすぎない
- 良質なビタミンの補充・心筋に必要なタウリンやCoQ-10などの補充
- タンパク質過剰は新陳代謝や排泄機能に影響する
- 過剰タンパク質は分解後に老廃物である窒素となり、腎臓に負担をかける。
- シニアになるとカルシウムを吸収する能力が低下する分、リンの体内蓄積が起こり易い
- カロリー不足は正常な新陳代謝を妨げ正常な細胞のタンパク質を分解する
- 水溶性ビタミン(特にビタミンB群)はシニアになると尿中に排泄されやすくなる
- ナトリウム過剰は心臓・腎臓に負担になる
- フラックスシードオイル(1/4tsp/10lb./day)の補給
チュ~ちゃん用アレンジと注意点
上記ベースを、以下のことを含めてチュ~ちゃん用にアレンジします。 チュ~ちゃんの場合、8.0パウンドですからカロリーは329カロリー/dayの20%減 263カロリー/dayとなります。こうやって計算すると「少ないな~」と感じます。 実際はもっと摂取しているよね・・・と・・・ シニアの食事の場合は、カロリー量を減らすために 炭水化物を増やす方法もありますが、 チュ~ちゃんの場合は「炭水化物なし」を徹底したいので この部分は野菜や海草で増やすようにしています。
成犬の場合のタンパク質と脂肪摂取量はタンパク質:約4.7-4.9 g/Kg 脂肪:約1.0-1.1 g/Kgですが シニアの場合はタンパク過剰・脂肪過剰にならないように注意が必要です。 しかしながら、癌の子の場合は、エネルギー源をしっかり与える事も重要なので 少しくらい多くてもいいか・・・でも心臓のことを考えると調整も必要です。 そういったことを全て考え合わせ、脂肪はEPAやDHA・オメガ3脂肪酸 +心臓の為のオリーブオイルで摂取しています。 (牛肉や豚肉の脂肪はオメガ6脂肪酸なので与えません)
4年前のお勉強室では「ちなみに3.3キロのチュ~ちゃんの場合は、シニアなので動物性タンパク質を1日20グラムにして残りを植物性タンパク20グラム、 計40グラムにしてい ます」と、ご紹介させていただいています。 あれから4年・・・チュ~ちゃんは今年の10月で18歳になりますので 動物性タンパクはごく少量にして植物性タンパク質に切り替えています。
癌の食事の基本
チュ~ちゃんの年齢に合わせたアレンジ
50%をチキンまたはフィッシュ
20%を豆や大豆製品+5-10%フィッシュ(夕)かレバー(朝)で ヨーグルト摂取量を加えると総タンパク質量は約35-40%となります。 (シニアの食事の場合はタンパク質は20%以下が推奨なのですが 癌の場合の食事との相違でここの部分はかなり悩みます。 チュ~ちゃんのホームドクターからはタンパク質はしっかりあげて! でも心臓のドクターからはタンパク質は20%で・・・う~~ん いずれにしても消化率の高い良質のタンパク質を選びます)
残りの50%は各種野菜 60-65%を野菜と果物と海草 200-250mgのフラボノイドとなるように生野菜も加える
1/2ティスプーンのオリーブオイル オリーブオイル+フィッシュオイルまたはフラックスシードオイル ビタミンB群補給 サプリメント+ビーポーリン リン過剰に注意 動物性タンパク質を押さえ植物性タンパク質を タウリンやCoQ-10などの補充 食事+サプリメント
炭水化物のカットとタンパク質摂取量 癌細胞は炭水化物とタンパク質で成長するという報告が多くありますし、 炭水化物は癌細胞にエネルギーを与え活発化させ成長させる栄養になってしまいます。 そして癌細胞は炭水化物を取り入れながら乳酸を産生し続けます。 乳酸は筋肉などに溜まり、健康なときなら代謝されるものがされないで溜まってゆきます。 乳酸がどんどん溜まって血中に過度に溜まった状態が「癌性悪液質」で、 そうなると当然「痛み」なども出てきますのでこの状態は絶対に回避したいのです。 タンパク質の部分ではかなり悩み続けています。 タンパク質は逆に制限できないというのは、癌細胞はアミノ酸をどんどん食ってゆきますので 正常な筋肉維持に必要なものまで癌細胞に取られてしまう部分で しっかり補充する必要があります。 正常な細胞や筋肉、免疫系の維持にもタンパク質はある程度しっかり必要といえます。
ただ、チュ~ちゃんの場合、シニアで心臓病のある子のタンパク質摂取推奨量は20%、心臓の事があるので体重増加にも注意が必要です。 現在は心臓の症状を見ながら植物タンパク主体で様子をみています。 (サーモンやマグロはオメガ3脂肪酸、マグロはタウリンなどを含むので、 またレバーは心臓に良いCoQ-10とビタミンB群の補給として選んでいます) アミノ酸補充にアップルサイダービネガー(うちでは黒米や黒豆を漬け込んでいます)もあげています。 アップルサイダービネガーに含まれる数種のアミノ酸には 体内のアルカリと酸のバランスを正常な状態に改善する働きがあります。
ベスト体重の維持と健康なウンチっち 心臓に対してはあくまでも「ベスト体重のキープ」 心臓が悪化すると、腎臓にも影響が出てきますので、 そうなると「タンパク質制限」が生じてきて 更に全く相反するテーマが生じます。 なので、小豆など、腎臓に良い食材も積極的にあげています。 小豆は心臓病・腎臓病ともに「薬膳」となる食べ物です。 癌の食事療法と心臓の食事療法を組み合わせる時に、ウンチの状態には注意します。 チュ~ちゃんの場合、肝臓の近くに癌がありましたので、「下痢」には注意が必要なのです。 「下痢」は肝臓が悪くなっても起こりますし、心臓病がある場合も2次的に肝臓が弱ります。 幸い、いつも元気ウンチがしっかり出る子なので、この点では安心ですが、 腸の健康を保つためにヨーグルトもあげています。
また、チュ~ちゃんの場合は癌細胞が新生血管を作って増殖するのを防ぐために、シャークカートレイジを使用していますので、これは逆に便秘になりがちになります。 うちでは食物繊維を多量にあげていますので、普通の状態のウンチが出ています。 ウンチが出たら消化の状態をチェックしてそのままの形で出ているものは 更に細かくするかすりおろしてあげるようにしています。 (特に生であげているピーマンなどがそのまま出やすい)
その他、心臓の悪化のサインとして不整脈による血圧低下、その結果としての失神など、 加齢によるてんかんなのか、心臓からくるものなのか、見極めが大切です。 (心臓からくる失神の場合は1-2分で元の状態に戻るのが普通) こういった発作も心臓の状態が進むと起こってくるので、知っておいたほうが良いと思います。 また心臓の状態が悪化すると肺にも影響が出るので、口を開けたまま呼吸するようになります。 チュ~ちゃんの場合は幸いなことにどちらの状態もまだないので安心していますが、 この前歩いていて後ろ足がもつれて転びました。 初めてのことでしたので、私もチュ~ちゃん自身もかなりショックを受けました。 チュ~ちゃんはちょっとの間、自信喪失っぽくなっていましたが、 1日経つともう忘れて走り回っています。 ママは心配で仕方ありませんが、心臓の咳などもないので 「一時的なもの」と受け止めています。(ドクターには報告します) 癌の再発に対しては「食欲不振・体重減少」ですが、 手術前で腫瘍が身体にあったときも食欲の落ちなかったチュ~ちゃん、 この部分では非常にわかりにくいのです。 クッシングの症状として「食欲亢進」がありますが、 飲水量や血液検査の結果からクッシングは悪化していないので これはもうチュ~ちゃんの「食に対する積極性」なのかも・・・と思ったり・・・。 でもこの歳で病気があっても食欲が落ちないのは良いことなのだと思っています。
食材の再検討 チュ~ちゃん食材
タンパク質
サーモン・マグロ・ヨーグルト・黒豆・大豆・小豆・きなこ・お豆腐・納豆(大豆製品いっぱいです)・牛の赤身(生)
野菜
キャベツ・ブロッコリー・ケール・ブロッコリーレイブ・ニンジン・赤ピーマン・ゴボウ・マイタケ
果物
ブルーベリー(オーガニックのものがある時のみ)
海草
わかめ・根昆布
ハーブ
ガーリック・ローズマリー・イタリアンパセリ(時々)・カイエンペッパー
オイル
フィッシュオイル・フラックスシードオイル・オリーブオイル
酢
リンゴ酢に黒米を漬けたもの→リンゴ酢に黒豆を漬けたものに変更
その他
ビーポーリン・蕎麦茶・黒胡麻
足したもの(再開したものも含みます)とその理由
ゴボウ - 血液浄化のハーブで、特に肝臓や腎臓の機能低下を防ぎます。
- ガン治療にケモセラピーの代替療法として使用されているEssiac Teaのベースとしても腎臓の浄化をする目的で主要ハーブとされています。
- ゴボウの根2.5オンスには、61.0mgのカルシウム、77.0mgのポタシウム(カリウム)、1.4mgの鉄分、0.03mgのチアミンと0.05mgのリボフラビンが含まれています。心臓に必要なカリウム(=ナトリウムの排泄に役立ちます=高血圧の予防)補給の意味であげています。
- 上記の理由に加えて食物繊維たっぷりなので、チュ~ちゃんはシャークカートレイジによる便秘を防ぐ意味でもたっぷり食べています。食物繊維は同時にコレステロールを吸着して体外に排泄する役目もあります。
- ゴボウに含まれるイヌリンは、腎臓の働きを活性化し、利尿を促す作用があります。
- ペルオキシターゼは解毒作用のある酵素で熱に強い酵素です。この酵素の働きでごぼうなどの根菜類は加熱しても抗酸化パワーは消えません。
ブロッコリーレイブ - ブロッコリーの一種ですが主に葉っぱのものです。ギザギザの葉っぱが主体のものでオリーブオイルやニンニクと炒めて食べたりサラダにして食べるものです。
- ヨード不足でアブラナ科の野菜をたくさん食べると甲状腺に腫瘍ができる原因となりますので、うちでは海藻類も一緒にあげています。
- うちでは大豆と小豆とマイタケを煮て火を止めて少し冷めてから、みじん切りにしたブロッコリーレイブとキャベツのみじん切りを加えたものはここしばらくベースご飯の一部です。
ケール - カラードグリーンやケールなどは緑黄色野菜の中でもビタミンA,Cとクロロフィルが特に多いので食事に少量加えます。(チュ~ちゃんはあまり好きではないのでちょっと熱を加えます)ビタミンCは加熱すると壊れますが、クロロフィルの効果に期待してクッキーにも混ぜています。
ガーリック - わんこにガーリックはいけないという説もありますが、うちのチュ~ちゃんは大丈夫なのでハートトニックとしてあげています。
- ガーリックは抗がん作用のある食品のトップでもありますので、うちではおろしたニンジンと細かく刻んだイタリアンパセリにすりおろして加え、オリーブオイルをまわしかけて加熱したものを毎日あげています。胃腸症状などは全くありません、チュ~ちゃんの場合は逆に食欲モリモリになるんです。1日に摂取する量は1/10片くらいかな?
- ガーリックは発癌物質に拮抗する硫化ジアリル、ケルセチンなどの物質を30種以上含むと言われています。 ペンステート大学のJohn Milner栄養学博士による研究では、乳腺腫瘍を持つマウスに毎日フレッシュガーリックを食べさせた結果、70%のマウスが腫瘍の成長を食い止める事ができたと報告されています。 近年のドイツの研究によるとガーリックは、ケモセラピー(癌の化学療法)と同じくらい悪性腫瘍を撃退する働きがあると報告されています。
- コレステロール低下作用については、含有成分中のスピロスタノールサポニンなどステロイドサポニンがLDLコレステロールを有意に低下させることが新たに報告されています。
- ガーリックも焼いて焦がすと発癌性物質を生じますので煮たり蒸したりしてあげます。(うちはレンジで加熱ですが)
ヨーグルト - 腸内細菌の中の善玉菌を増やしてくれるので積極的にあげています。チュ~ちゃんの大好物でそのままでもサプリを混ぜてもバクバク食べてくれますので、良質のタンパク質補給にもなります。
- ヨーグルトの抗変異効果は癌を誘発する変異性の物質に対して直接不活性化させる作用をもたらす性質のものと、細胞の変異性物質からの防護機能を強化する変異原性効果の両方があります。癌を誘発する変異性の物質を化学的に不活性化させます。(γインターフェロンの働き)
- 動物性タンパク質なのでちょっと悩みましたが、「腸の健康は全ての要」で、腸の善玉菌を増やしてくれることは腸内の免疫細胞を活性化しインターフェロンを増やすことにより発癌物質を押さえ込むと同時にコレステロールや血圧を下げる報告もあります。「しっかりウンチ」は体内の不必要な毒素をしっかり身体の外に出す上で非常に大切です。そういった意味でプラスの部分の方が大きいのであげています。
- ヨーグルトはカスピ海ヨーグルトの種を頂いたので、ホルモン剤や抗生物質を使用していないオーガニックの2%ファットのミルクで作っています。(ノンファットだとヨーグルトができるまで24時間くらいかかり暑いマイアミでちょっと不安なので微量の乳脂肪のものとしています)脂肪を分解する胆汁酸は腸内で発ガン物質に変化すると同時に、高脂肪食品は体内のエストロゲンレベルを上昇させますのでローファットはお約束です。
フィッシュオイル フラックスオイル - フィッシュオイルは、アメリカ獣医学のタフツ大学の研究によると心臓病に苦しむわんこの心臓筋肉に働き、その働きを助けることが報告されています。 悪液質と呼ばれる状態や心筋の虚弱などに対し、免疫の機能に直接働きかけ、機能を正常に戻します。 タフツ大学の研究ではフィッシュオイルを与えた心臓病のわんこは与えなかったわんこよりも寿命が伸びたと報告されています。
- フィッシュオイルにはEPA(エンコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれていて、これらは血圧を下げ、心臓や腎臓への負担を軽減します。
- オメガ3脂肪酸(フィッシュオイル):1518mg/100kcal 市販のフィッシュオイルのカプセルは180mgのオメガ3脂肪酸しか含んでいないものが多いために、これはとても難しいです。主治医とよく相談の上、できるだけ近い量を摂取できるようにしましょう。(この量に到達するにはサーモンなどのオメガ3脂肪酸を多く含むフィッシュ類を食事に加えることも有効です)
- 脂肪酸は不可欠なものです。 特にオメガ3脂肪酸は、すばらしい抗炎症剤であり、癌の進行を阻止されることが報告されています。うちでは朝はフィッシュオイル・夜はフラックスシードオイルを食事に加えています。チュ~ちゃんはフィッシュオイルは好きなのですが、フラックスシードオイルはあまり好きではないのでサーモンなどチュ~ちゃんの好きなものと一緒に混ぜます。(フラックスシードオイルを好きでない子は多いです)
- フラックスシードに含まれる脂肪酸は熱や光に非常に弱く、とても酸化しやすいものですので、調理段階ではなく最後に加えます。(完全遮光の容器で空気の入りにくいドロッパーが付いていてきちんと冷蔵庫で保存されているオーガニックのものを買っています)
- Veterinary Pet Careでは、フラックスシードはわんこにとって必須脂肪酸を得る上で最も良いソースと述べています。フード1カップあたり投与量は1ティスプーンです。
大豆製品 - 大豆にはプロテアーゼ阻害剤が多く含まれます。(プロテアーゼ阻害剤とは本来、動物の体内で、大腸、口腔、肝臓、膵臓、食道などをガンから守るために働く物質です)
- 大豆に含まれる植物ステロールとサポニンは、強力な抗癌物質です。食物繊維は発ガン物質を吸着して排泄するといわれます。大豆には食物繊維が多く含まれ、また粘膜を守るのに効果的なビタミンAとして働くカロチンの吸収率を上げる働きもあります。 大豆に含まれるサポニンは、老化の元になる脂肪酸の酸化を防ぎ、細胞を老化させる活性酸素を抑え、血中コレステロールを低下させるとともに発ガン抑制効果があります。
- 大豆には、世界で最も強力な発癌物質であり肝臓ガンを引き起こすニトロソアミンの構成部の一つを破壊する力があります。大豆のニトロソアミン破壊力はビタミンCよりも勝っていると言われます。
マイタケ・干し椎茸 - シイタケマッシュルーム・マイタケ・レイシなどのきのこ類には免疫機能を高めるβグルカンを含んでいるものが多く、抗癌作用や抗ウィルス作用に優れています。マイタケβグルカンは癌細胞に働く免疫細胞を強く刺激することで免疫細胞を活性化させてくれます。 (マイタケの有効成分MDフラクションというのはβグルカンとタンパク質が融合した形のものです)マイタケエキスを使ったガンやエイズ、そして慢性疲労などの疾患に対する研究では、その実験結果はマイタケがアガクリス茸を大きく上回ったという報告がされています。これはマイタケβグルカンががん細胞だけを狙ってやっつけるT細胞を活性化する働きによると言われています。
量を減らしたものとその理由
動物性タンパク質 - 癌細胞は炭水化物と蛋白質で成長します。 タンパク質はもちろん正常な細胞維持には必要ですので、極度の制限はできませんが、動物性タンパク質は過剰になると血液が酸性に傾きます。うちでは緑黄色野菜などの抗酸化食品と一緒にあげて血液の酸化を防いでいますが、それでも代謝が落ちる年齢的なことを考えて動物性のものから植物性のものに少しずつ移行しています。
- 動物性タンパク質は飽和脂肪酸を含みますのでシニアな身体には酸化という意味で負担になります。牛肉や豚肉の脂肪はオメガ6脂肪酸なので与えません。
- 肉類に含まれている硫黄系アミノ酸は腸で分解されて有害物質に変化します。疫学研究者であるDr. T. Colin Campbell は、「どんな化学発癌物質も動物性たんぱく質の発癌性に比べたらそれほど重要ではない。」と述べています。34000人のアメリカ人を対象とした研究では、ベジタリアンは喫煙など他の発癌リスクを持っていたとしても、魚・肉などの動物性蛋白質を避けた食事を摂っている人と比べると、乳ガン、前立腺ガン、直腸ガンの発生率が劇的に低かったと報告されています。ただ、極度の動物性タンパクの制限でタウリンやメチオニンなどが不足しないように注意が必要なので、最低限をちゃんとあげるようにします。
- 蛋白質は消化能力を上回る量をあげると腸内で発酵してアミンやアンモニア、フェノールなどなどの有害物に変化します。最も有害なアンモニアは年齢とともに弱る肝臓や腎臓(鑑三は解毒作用を司る大切な臓器ですし心臓と腎臓は密接に関係しています)の働きを弱めます。
- チキンの胸肉を止めてサーモンやマグロに移行したのは、心臓に良いオメガ3脂肪酸であるEPAやDHAが豊富という理由でしたが、成長ホルモンや抗生物質を使っていないという意味でもサーモンやマグロに移行したのは正解だと感じています。サーモンもマグロも近海魚ではない分、海洋汚染の影響も少ないのではと期待しています。(こだわりすぎると食べるものがなくなってしまうのも事実ですが・・・)こちらではマグロの血合いは好まれないのですが、切り売りの際に血合いもしっかりつけたままのものを買っています。
- とにかく「嗜好」という面では「大好物」ではありますが、あげる量も今までよりも少なくして(でも調理で出た脂肪分は大切なので一緒にあげています)足りないタンパク質は豆類やお豆腐で補充しています。
- 最近、カプセルに入った粉状の心臓のお薬が一種開始になったので、それをなんとか飲んでもらうように、牛の生肉に巻いて食べさせています。(サーモンのお団子やマグロではバレ、いつものご飯団子も初期は大丈夫だったのにバレ、結局薄切りの牛の赤身に巻く方法に落ち着きました。もちろん成長ホルモンや抗生物質を使っていないものを選んでいますが、あげる量はごくごく少し、一旦冷凍させてお薬が包めるほどの大きさのごく薄切りにして分けています)牛の赤身が加わった分、いつもの食事に加える動物性たんぱく質量を少なくしています。
厳選したものとその理由
天然もの - 養殖のサーモンはこちらではうんと安いのですが、肉をピンクや赤みがかった色にするために石油由来の合成物質であるカンタキサンチン(canthaxanthin)やアスタキサンチン(astaxanthin)が使用されています。(こちらの表示でも [Color Added] と表記されています)これらの化学薬品は網膜の損傷を引き起こす可能性があると報告されています。なので現在は天然もののサーモンにこだわって使用しています。(この事実を知る前は養殖ものもあげていました。ごめんね、チュ~ちゃん)
オーガニック - 今までは生であげるもの以外は特にこだわっていなかったのですが、今は全ての食材をオーガニックに変更しました。
引いたものとその理由
炭水化物 - 癌細胞は炭水化物と蛋白質で成長します。炭水化物は癌細胞にエネルギーを与え活発化させ成長させる栄養になってしまうので注意が必要です。蛋白質は正常な細胞維持には必要ですので、極度の制限はできませんが、炭水化物は癌細胞にエネルギーを与え活発化させますので、できるだけ炭水化物を避ける食事が推奨されています。 特にリンパ系の癌の場合、高炭水化物の食事は避ける必要があります。 うちでは、全麦粉・玄米など全ての炭水化物を中止しました。
大根 - 術後に繊維質としてあげていましたが、大根には微量ですが亜硝酸が含まれるので(他にはほうれん草・白菜、・小松菜・レタスなどですが、いずれも同じく微量)あげるのを止めました。今の状態ではほんのごく微量であっても危険性のあるものは避けたいのです。
- 含まれるジアスターゼは炭水化物の消化に役立ちますが、現在チュ~ちゃんの食事には炭水化物を加えていないので必要なし。大根には過剰タンパク質を分解するプロテアーゼも含まれますが、この消化酵素はスーパーシニアにも含まれているので大丈夫。りっぱなウンチで検証済みです。
リンゴ - ずっとあげ続けていた食材ですが、癌細胞は単糖類で増殖するため、単糖類である果糖をカットしました。
今月はここまでです。また気が付いたことなどがあれば随時追記しますね。 年齢のこと、病気のこと、そして2つの相反するテーマの食事にいろいろ悩みますが 毎日2回、せっせと作ったものをバクバク完食してくれることが、 今はなによりも嬉しいです。 美味しくご飯が食べられること、気持ちよく熟睡できること、 ウンチやおしっこがちゃんと出て気持ちよく過ごせること、 そんな当たり前のことが、毎日の幸せだと感じます。 私自身、ちょっとのことで目が覚めるようになっていましたが 最近は夜中のハァハァも少なくなりつつあります。 今は文献にかじりつきすぎないで、ちょっと時間ができると チュ~ちゃんの身体をマッサージします。 「ここは心臓に良いんだよ~、ここは免疫力を上げてくれるよ~、 どうですか?気持ちいいですか?」と話しかけながら できるかぎりの時間を一緒に穏やかに過ごそうとしています。 今、目の前のチュ~ちゃんは元気ですが、 年齢のこと、病気のことを考えると、一緒に過ごす時間の大切さを感じます。 なのでお勉強室も「無理をせずできるところまで・・・」で、続きは来月とさせて下さいね。
Jun.2006
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