1. ホーム > 
  2. Blog > 
  3. PawPawClub > 
  4. PawPawお勉強室 > 
  5. わんこと心臓病
 2月 15, 2002  PawPawClub, PawPawお勉強室  病気のケア,  * 病気と家庭でできること

 
  スマホでは横にして見て頂くと読みやすいです 
 

chuchu-from-kakomie.jpg わんこの心臓病について

 

心臓病はわんこが年をとってくると向き合わなければならない大きな問題の一つです。
心筋の虚弱化、どちらか片方かまたは両側の心室の肥大や循環機能の衰えなどが起因して
全身疲労や、息切れ、呼吸困難などの症状から、
アテローム性動脈硬化症や心臓発作などが起こってきます。

マルチーズなどのチビわんこがシニアになると、
かかりやすい心臓病に「僧帽弁閉鎖不全症」があります。
(心臓の左心室と左心房の間にある弁が固くなり、弁の機能を果たさなくなる怖い病気です。)
夜中にコンコンと咳をし始めたら要注意!すぐに精密検査を受けさせてあげて下さいね。
 
治療は獣医さんにおまかせして、家庭で出来る事について考えましょう。
食事やハーブによって未然に防げれば一番ですね。

病気が指摘された後でも家庭で気をつけてあげることは山ほどあるはずです。
大切な大切なわが子の命ですもの、精一杯守ってあげたいですものね。
ここでは、「食事とハーブ」から予防と治療を考えます。

 

pop-line-middle.gif

 

ニュートリションセラピー

 

ニュートリションセラピーとは、栄養素で予防、治療をすることです。
医食同源という言葉と同じですね。

バランスの取れた食事、カロリーは控えめ、
クオリティの高いビタミンA,B,E,C,CoQ10などのサプリメントも必要です。

ここでは以前に取り上げたビタミンやミネラルなどのお勉強の復習っぽくなりますが、
説明内容は心臓病の事を絡めています。
一般的な効用は「わんことビタミン」「わんことミネラル」をチェックして下さいね。
 

 心臓を守る栄養素

 僕たちの身体の中でどう働くの?

 何を食べればいいの?

ビタミンA
 
  • コレステロールを低下させ、心臓疾患の予防、免疫力のアップ、健康な肌とコートの形成にも役立ちます。
  • ベータカロチンはカロチンは体内で必要な分だけビタミンAに変わります。アメリカの研究ではビタミンEとベータカロチンを多く摂取した被験者に心臓障害が少ないことも発見しています。
ニンジン(ベータカロチンの宝庫です)・ほうれん草などの緑黄色野菜・うなぎ・レバー・卵黄
ビタミンB
(葉酸を含む
 
  • 血中にホモシステインというアミノ酸が増えると動脈が硬くなり血管を詰まらせる原因のプラーク(コレステロールの酸化によって出来る物質)を増やします。このホモシステインを分解してくれるのがビタミンB群(特にB6と葉酸)です。(60年代の初頭、アイルランドの医師は血中のホモシステイン(ビタミンB不足になると蓄積されるアミノ酸)濃度が高くなると、心臓病にかかる割合も高くなることを指摘しました)
  • ハーバード大学公衆衛生学のエリック・リム助教授が「ジャーナルオブザアメリカンメディカルアソシエーション(JAMA)」に「多量の葉酸とビタミンB6の摂取が冠動脈疾患を効果的に予防できる」と発表しています。葉酸を1日平均696mcgを摂取している人は1日平均158mcgを摂取している人よりも冠動脈疾患リスクが31%低く、ビタミンB6 の1日平均摂取量が4.6mgの人は1.1mgの人よりも冠動脈疾患リスクが33%低かったそうです。また、葉酸とビタミンB6 両方を多量に摂取している人は、両ビタミンが少ない人よりも冠動脈疾患リスクが約半分に減るという報告があります。この結果はわんこにも当てはまる部分が多く、参考にしたいデータなので載せました。
  • ビタミンB1には心臓肥大を抑え、心疾患を予防する働きがあります。
  • ビタミンBはビオチン(ビタミンH)と相乗効果がありますので「きなこ、レバー」などのビオチンを含む食品と一緒に摂ると効果があります。
豚肉・レバー・酵母・豆類(大豆)・魚肉(とくに血合肉・卵・白子)・米ぬか・酵母・チーズ
ビタミンE
 
  • 血管に蓄積した過酸化脂肪質を抑制し、ビタミンB2とともに動脈硬化を予防する働きがあり、狭心症などの心臓病や、手足のしびれ、冷感、脳動脈硬化による痴呆の防止にも有効です。
  • 動脈硬化の初期でも血流を良くすることで虚血性疾患を防ぐことが可能です。 ビタミンEは脂質や細胞の酸化を防ぎ、血管壁を守ってくれます。
  • 抗酸化作用によりコレステロールの酸化によって出来るプラークを防ぎ、血液の流れをスムーズにしてくれる上でとても大切です。赤血球の働きを正常に保つ役割もあります。
  • ビタミンEと食物繊維を摂っていれば心臓病は防げるという極論さえもあります。
ゴマ・豆類・レバー・食用植物油(とくに小麦胚芽油・大豆油・米ぬか油・綿実油)・レタス・鰯・タラ
ビタミンC
 
  • ビタミンEと一緒に摂ることによって強力な抗酸化物質として働き、血管の強化を図ります。
  • 血中のコレステロールを分解してくれる事によって動脈硬化を防ぎます。
キャベツ・ブロッコリー・トマト・ジャガイモ
CoQ-10
(コエンザイム10)
 
  • CoQ-10とは、補酵素Q-10はユビキノンとしても知られ、健康体に多量に含まれ、全ての細胞のエネルギー触媒であり、それ自体が天然の抗酸化物質です。
  • CoQ-10はミトコンドリアを刺激しエネルギーを生成します。Co-Q10は心臓の筋肉細胞に特に多く含まれています。(身体の中で最もCOQ10レベルが高いのは、心臓です)従って、COQ10レベルが低い場合、さまざまな循環器疾患の危険があるという事になります。
  • ここ20年ほどの間に、心臓の健康にとってCoQ10の重要性が研究で示されるようになりました。ある研究では、心臓病患者の75%がCOQ10不足症だという事実が発見され、同時にその内70%の患者はCOQ10の補給によって症状は改善したと報告されています。 CoQ-10は正常な免疫機能を刺激し、慢性疲労症候群その他の免疫系障害を助ける働きがあります。
  • COQ10は、エネルギーの産出、血管の強化、そして歯槽膿漏を改善したり、肥満の予防と改善に関与し、病気への抵抗力を増し、老化を防ぐ力があるとされています。
  • CoQ-10は動脈硬化の元になるLDLの酸化を防ぐのに有効です。LDLの酸化を防ぐ過程でCoQ-10は大量に消費されるので、ビタミンEやβカロチンよりも有効と言われています。CoQ-10の不足は心筋症をもたらします。CoQ-10は心臓を強化するとともに高血圧を下げ、狭心症を減らし、運動耐性を増大させてくれます。
 

 

セレニウム
 
  • セレンとも言います。ビタミンEとともに抗酸化物質として働き、細胞膜・細胞内構造の保護に役立ちます。
  • セレン欠乏症は心臓筋肉の肥大や不整脈の原因となります。
全穀物・海産物・卵・肉・玄米

 

ジンク
 
  • 亜鉛のことです。体内の各組織の細胞内では、生命を保つのに必要な様々な化学反応が休みなく行なわれています。こうした化学反応を早める働きをするのが「酵素」と呼ばれるたんぱく質で、酵素の中には亜鉛がその中心に結合してはじめて活性をもつことができるものがかなりあり300もの酵素が亜鉛がないと働くことができません。正常な体内の機能に必要な化学反応を促進する酵素活性を助ける働きをしています。
酵母・全穀物・レバー・ヒマワリの種(サンフラワーオイルとしてあげてね) ・魚介類

 

クロミューム
 
  • クロムとも言います。炭水化物の代謝にかかわり、エネルギー生産やブドウ糖の代謝に役立つ物質です。ブドウ糖の耐性低下や血糖値低下になくてはならないものです。
酵母・穀類・植物油
フィッシュオイル
サプリメント
 
  • フィッシュオイルは、アメリカ獣医学のタフツ大学の研究によると心臓病に苦しむわんこの心臓筋肉に働き、その働きを助けることが報告されています。
  • 悪液質と呼ばれる状態や心筋の虚弱などに対し、免疫の機能に直接働きかけ、機能を正常に戻します。
  • タフツ大学の研究ではフィッシュオイルを与えた心臓病のわんこは与えなかったわんこよりも寿命が伸びたと報告されています。
  • フィッシュオイルにはEPA(エンコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれていて、これらは血圧を下げ、心臓や腎臓への負担を軽減します。
  • 血液をサラサラにする効果がありますので、ワーファリンやヘパリンなど血液凝固阻止剤とは併用してはいけません。
フィッシュオイルを与えるためには脂肪の魚を与えるか、フィッシュオイルサプリメントをフードに加えてみてください。
マグネシウム
 
  • マグネシウムは生体の300以上の酵素反応に関わり、欠乏すると筋肉では痙攣、ひきつけ、しびれ、筋力低下、手足のもつれ、めまいなどが起きます。心筋と非常に深い関係にあるミネラルです。
  • カルシウムやマグネシウムを多く含むアルカリ性の水は「硬水」と呼ばれ循環器系疾患によいとされています。
  • 心臓の動脈を正常な状態に保つために必要です。
全穀物・魚肉類・バナナ・ほうれん草・ひじき・納豆

 

pop-line-middle.gif

  

アロマセラピー

 

自然の優しい植物の力を借りて身体の中から健康になろうというものです。
ハーブは薬ではありませんが、身体に働きかけて
身体の中の自然治癒力を目覚めさせてくれるものが多いのです。

 

 心臓を守るハーブ

 僕たちの身体の中でどう働くの?

ガーリック
 
  • 血中のコレステロール値を下げ、さらに血圧を下げるという可能性が研究で報告されています。
  • ガーリックは食事で摂っても薬として摂っても心臓にとって最も有効なハーブです。
  • ファイブロゲン(Fibrogen=繊維素)の抑制効果により、脳卒中やアテローム性動脈硬化症を予防します。
  • 代謝の安定を回復し、免疫システムを損なうフリーラジカルを抑えるという朝鮮人参と同じような働きもします。
  • 防腐、抗生、抗菌、駆虫剤、去痰剤、発汗促進、低血圧、抗糖尿、抗血栓作用が報告されています。
  • コレステロール低下作用については、含有成分中のスピロスタノールサポニンなどステロイドサポニンがLDLコレステロールを有意に低下させることが新たに報告されています。
カイエンペッパー
 
  • カイエンペッパーは、血液を「薄く」し血圧を下げる心臓の健康増進ハーブと評判を博しています。このペッパーを与えられたわんこの血液は粘つきにくくなっていることが報告されています。American Institute of Nutritionの研究では、カイエンがトリグリセリド(心臓病の危険性を左右する血中の脂質)を減らし肝臓でのコレステロール蓄積も少なくするということです。多くのハーブ専門家は、心臓病減少のためカイエンをガーリックと一緒に摂るよう薦めています。
  • え?ペッパーをわんこに?って思うでしょ?驚くなかれ、多くのわんこは好んで食べるんですよ。こちらではカイエンペッパーの心臓細胞修復機能に着目して(毎日与えることで約45000以上の心臓細胞の修復をします)わんこの食事や水に加えて与えることを勧めています。
  • ミディアムサイズのわんこには1個をそのまま食事に丸ごと加えます。ちょっとびっくりですが、喜んで噛み噛みしながら食べるんですよ。小さなわんこには半分の量を食事に加えます。
  • ホットペッパー類はビタミンCの濃縮源でもあるんですよ。また、それらはお腹の中の寄生動物を除去することを支援します。トウガラシは長生きわんこに必要なハーブでもあるんです。
ホーソンベリー
 
  • 心臓病や血管障害などの循環器系疾患、静脈瘤などの治療 に利用されているハーブです。
  • ホーソンベリーは心筋の修復と強化をまったくの副作用なく行ってくれる事が報告されています。わんこに推奨されるのはこういった理由からなんですよ。なので量を心配せずにどんどん与えることが出来るハーブなのです。
  • フラボノイド配糖体、サポニン、縮合タンニンを含み、心臓冠状動脈の機能調節、血行改善作用があります。
  • 高血圧、低血圧、心臓疾患およびそれにともなう不眠に効果があります。
  • 抗酸化作用のあるバイオフラボノイドが含まれ、血管拡張、血圧低下、心臓の保護の作用があるといわれている貴重なハーブです。
ローズマリー
 
  • 心筋やその他の平滑筋の痙攣止め効果があります。
  • 不整脈の改善に働くだけでなく、ショック状態やシリアスコンディションの場合に、危篤状態から救うほどの心臓強化作用が報告されています。
ゴツコーラ
 
  • ビタミンA・C・K・カルシウム・ナトリウム・亜鉛・マグネシウム・シリコン・ビタミンB1やビタミンB2なども含んでいます。
ギンコーバ
 
  • 天然の抗酸化作用により、活性酸素を減らし細胞の損傷や老化を防ぐ働きがあります。
  • 血液の流れを良くしてくれることで循環系の働きを助け、高血圧や心臓発作を予防してくれます。

 

ジンジャー
 
  • 筋肉と関節のこわばりを緩和し鎮痛作用があります。関節炎、消化性潰瘍、さらには心筋梗塞、脳卒中の引き金となる血小板の凝集等の原因であるエイコサノイドの体内バランスの崩れを正常に保ち、異常な炎症などを緩和する作用があります。
  • 血液の粘度を下げ、血中コレステロール値を下げ、ガンを予防するなどの薬効も報告されています。

 

ビルベリー
 
  • 瞳の果実といわれアントシアニン フラボノイド配糖体を多量に含み、視覚機能向上、毛細血管保護作用があり、眼の弱くなった末梢血管を強め、血行を良くすることで視力を回復します。眼精疲労 糖尿病性網膜症 老人性白内障に効果を示します。
  • この毛細血管強化作用は心臓の毛細血管の強化にも役立ちます。

 

ダンディライオン
 
  • ダンデライオンは天然の蛋白質源です。ビタミンA,B,C,Eのすぐれた供給源であり、またカリウム、カルシウム、ナトリウム、リン、鉄分、銅、亜鉛が含まれています。
  • 根部にタラキサシン、イヌリン、配糖体、コリン、ビタミン、カリウムなどのミネラルを含み、肝臓、胆のうの修復および機能亢進とそれに伴う強壮、利尿、緩下(便通)、肝機能低下に伴う皮膚炎などのアレルギー症状、虚弱体質およ びリウマチ体質 便秘 妊産婦の滋養強壮および催乳(母乳の出を良くする)胃腸の不調、利尿作用、利疸作用があります。
  • 根に、フルセミドという薬品に匹敵する強い利尿作用があります。むくんでいるときなどに飲むと水分を排出してくれます。それも、天然のカリウムが腎臓に負担をかけないバランスの取れた安全な作用を発揮しますから肝臓や胆嚢の炎症、うっ血によく、鬱滞性黄疸の特効薬といわれます。こうした体内毒素排出の機能により泌尿器疾患、筋肉性リウマチにも有効です。
  • 解毒排泄に力を発揮するこのハーブは価値あるサバイバル・フーズとされており、血液浄化に必要とされるCell Saltを含んでいます。循環を促進し、動脈を強くし、顔面の傷を癒し、嘔吐などによって失われた胃のバランスを解決します。
ウォータークレス
 
  • 配糖体のグルコナスツルチン、マンガン、鉄、リン、ヨウ素、カルシウムなどのミネラルやビタミン類を多く含み、利尿、去痰、健胃、増血、解毒、解熱作用があります。
  • むくみ、発熱、解毒、利尿にはティーとして、貧血、気管支炎には生ジュースにして飲むと効果があります。(ウォータークロスは日本で言うクレソンの事です)利尿作用に優れていると言うことイコール心不全を予防するという事につながります。

 

 
pop-line-middle.gif


日常生活の注意・こんなこと、あんなこと

 

適度な運動
 
  • 心臓の筋肉も足や腕の筋肉と同様、年齢とともに衰退します。
    激しい運動や興奮は避けて、短い時間の散歩から始めて下さい。
    毎日少しずつ、疲れない程度にゆっくり距離を伸ばしてあげてくださいね。

 

環境要因
 
  • 2時的な喫煙(オーナーの吐いたたばこの煙を吸い込むこと)は心臓病のわんこにとって、いろいろな心臓障害を引き起こす非常に危険な要因となります。
    わんこのいる家庭では、おうちの中でたばこを吸うことはその子の寿命を縮める事につながります。できればお外で吸ってお家の中の空気はクリーンに保ってあげて下さいね。

 

ホメオパシーからの見解
 
  • 軽い心臓病の場合は、カルシウムフッ化物を毎日与える場合もあります。
    ナーバスになった時や興奮した時に出る症状に対してはポタシウムリン酸塩も使われます。
    ホーソンベリーのレメディはそのまま、または3倍に希釈したものを、弱った心臓機能の改善や心肥大の治療、呼吸困難、循環機能の保持の為に1日1回与えます。
  • George Macleodによるとペットの心臓病に適するレメディを11種あげています。また、Christopher Dayは、14種のハーブを指定しています。
    ホメオパシーについては専門の獣医さんの指示に従ってくださいね。

 

pop-line.gif 

 

chuchu-from-kakomie.jpg

 

わんこが年を取ってくると、
心臓や腎臓の問題と向き合わなくてはいけない日が来ます。
 
 いつか来るそんな日が遠ければ遠いほどいいですね。
その為にも毎日の食生活や生活習慣で
いつも元気に幸せに過ごして、予防を徹底しましょう。
 
Feb.2002

 

pop-line.gif 

 

© Paw Paw Club Inc. All rights reserved.